羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

午前中に・・・

2009年05月31日 | Weblog
次女とフリマに出店。
先日、いらない洋服をまとめて五袋くらいリサイクルショップに
もって行ったら、「計算に二時間かかる」と言われ、
時間をつぶして(つぶすためにお金がかかった)、
あげくのはてに「まとめて五百円です」といわれたので、
思わず娘と顔を見合わせ、それならいいです、と持って帰った。

ブランド品があるわけでもない。
でも、彼女の個性的な服や、買ったけれど着用しなかった新品も
いくつかあり、いくらなんでもまとめて五百円では納得できない。

それで、久しぶりにフリマに申込み、出店料の安いところの抽選に当たり、
屋内なので、安心して売りに出かけた。
ついでにわたしのいらない服や靴も持っていった。

ローカルな場所だったので、
彼女の「若者ファッション」が売れるかどうか多少心配だったけれど、
何しろ「この箱の中どれでも三百円」などとしたためか、
予想外に売れて大成功だった。

「娘に買って帰るわ」というご婦人や、
「わたしの好きな服ばかり!」と興奮気味にまとめ買いする女性、
「安くしてください」と小さな声でシッカリ交渉する中学生など、
何度参加しても、フリマは面白い。

最後の頃、値下げした箱からキラキラ紫のベルトを
ご自分のおなかにまいて考えているおばちゃんには、
なんと声をかけようかと一瞬迷ったが、
「どう?」という顔をされたので、
「あ、アクセントになっていいと思います」と
にっこり笑って交渉成立。

フリマは見るのも楽しいけれど、
やっぱり参加するのが楽しいと、久しぶりに出店して思った。

わたしは「売り上げ」で拓郎さんの新しいアルバムを買った。
「午前中に・・・」
いま、それを聞きながらこれを書いている。


やおやがない

2009年05月27日 | Weblog
自転車で走るには絶好の気持ちのよい季節となった。

郵便局へ寄ってから、バイト先の古本屋へ行く道。
ふと、「そうだ、あそこのパン屋さんに寄って行こう!」と思い、
久しぶりに真っ直ぐ走っていった。
ここのパンは美味しい。
雑誌にも紹介されて、小さな店だけれどいつもお客さんがいる。
新しいパンもよく登場するし、高くない(これが大事)。

はじめてみたパンを買い、さらに真っ直ぐ行ったら、
いつものところにあの八百屋さんがない、
ぽっかりと消えて、更地になっていた。
「やおやがない」と思わず声にだしていた。
それくらいビックリした。
それこそ小さな店だったが、昔からあって、新鮮で格安で、
気のいい夫婦が客と会話しながら、賑やかに営業していて、
いつでも込んでいた。
店頭のカゴ盛りのみかんを自転車を止めて眺めていると、
「甘いよ、ほれ」とおじちゃんが皮をむいて試食させてくれた。
買うときは「おまけだァ」と言っていつもすこし増やしてくれた。

どうして消えてしまったんだろう。
いつ消えたんだろう。
しばらく行かないと消えちゃうんだな、そういう事って前にもあったから。

仕事が終わった帰り、もう一度その道を通った。
そうそう猫に会える八百屋さんだったのだ。
近所の野良猫がいつもウロウロしていた。
夕方、猫たちは元気にゆったりと歩いていた。合計、三匹。
よく見たら、近くにカリカリの入った餌入れが二つあった。

なんだかすこし安心した。
そしてふと店の中に並んでいたおばちゃんの手作りのお惣菜を
思い出した。
煮物や炒め物が、無造作に並べてあって、
それは彩りとか関係なくしっかりとした味付けで、
そして必ず季節の旬の素材が入っていたと思う。


明日の風

2009年05月25日 | Weblog
残間里江子さん主催の「クラブ・ウィルビー」で彼女のブログを読む。
「明日の風、吹かそう」という。

最近文庫になった「引退モードの再生学」は
最初「それでいいのか蕎麦打ち男」
というタイトルだった。
わたしは残間さんのような可愛くて行動力が抜群で、
繊細さも垣間見える、そういう
女性が大好きなのだ。カッコイイと思う。憧れる。

「クラブ・ウィルビー」には速攻で入会した。

吉永みち子さんと残間さんとの対談は会員が相互の顔を
見られるていどの人数で申込みをすぐに締め切り、
有楽町の夜、和やかに開催された。

憧れの残間さんに会うことができて声もかけていただいて、
嬉しかった。
(もう一週間まえのこと)
帰りには会場にいた素敵な雰囲気の女性と一緒の電車になった。

ふたりで交換した名刺にはそれぞれの花模様。

まだ、景色を滲ませて俯くことはあるけれど、
明日の風は吹いている。
出かけていくわたし、参加するわたし、知り合いになった彼女と、
メールしているわたし。
明日の風はいつか、涙も乾かすだろうか。

言葉

2009年05月24日 | Weblog
あなたがわたしを探せるように
あなたにもう一度わたしを
見つけてもらえるように
ここから動けない
なんて惨めでもなくすこしカナシイだけで
カナシイは悲しいではなく哀しいこころで
「だいじょうぶ、なんでもない」と
笑っていえるほどつよくもないのです

だから泣き言をいえるように
薄紫の隠れ家をつくってみたり
ちがうことをいろいろ考えてみたりする

ちがうことを考えていると
あなたの知らないひとと言葉を交わすようになるかもしれない

ところで

コトバはまだそこにあるのかしら

ひろえるくらい近く?

女王のイヤリング

2009年05月19日 | Weblog
仕事先の友人から貰った鉢植えふたつ。カーネーションとこの不思議な可愛い花。
赤いつぼみが白いつぼみをそっと守りながら、ある日鮮やかに花開く。円筒形。
「女王のイヤリング」という花の名前をみて、「なるほど!」と思う。
咲き終えた花がこぼれたのを拾って、母が小さなぬいぐるみのサイにあげたらしい。
子ども部屋からあふれて捨てられそうになっていたところをゴミ袋から脱出して救われた。

小さな汚れたサイは恥ずかしそうだが誇らしげにも見える。
老いた母のすることは、時々、とても微笑ましくてこころが和む。

ある日カフェで

2009年05月16日 | Weblog
先日、作成した記事を隠れ家に運んで知らん顔してる。でも半日以上はここにあったので消滅に気がついた人はいるかもしれない。でも自分の書いた文に未練があるわたしは削除したわけではないので「煙のように」消えちゃったわけじゃなく、、そっと運んだだけ。
ついでにここの見た目も変えた。タイトルもテンプレートも。意味なく変えた。気まぐれだから。
そして今日は携帯から記事投稿してる。(新しい隠れ家へ行く道はまだ一つしか知らないし)
カフェ・ド・スーヴェニール。いつもの席。でもわたしはひとり。

スローバラード

2009年05月10日 | Weblog
できるなら、
ひとりにしておいてほしい。
放っておいてほしいけれど、孤独になりたくはない、
みたいな歌詞がたしかあった。(やっぱりみゆきさん)

ひとりはさびしい。
さびしさを見つめるときも、それはそれで好きだけれど、
底なし沼のほとりにたたずんでいるようなときは、
あしもとがおぼつかない。不安はガラスのカケラとなる。

だから、家族がいて、ともだちがいる。
笑っている。

「休み」ひとりでいたいから、と家族に言えない。

ドライブに出かけたりする。
川の風に吹かれてたくさんのひとたちを見る。
冗談のように誰も彼もがバーベキューをしているから、
彼らが帰るまでは川原にいようと思う。
川にうつる青空と白い雲。
はやく陽が暮れればいいのに、と思う。
夕焼けを待って一日が過ぎる。

きっと家族がいてくれることは有り難いのだ。
知り合いはコンサートつきランチに誘ってくれる。
有り難い。(行けないけど)

夜はじぶんのじかん。
あした仕事がない夜はいつまでも起きて何かしている。
猫が時々目をさまして「夜食!」と言いにくる。
わたしは今夜も清志郎さんの「スローバラード」を聴いている。
そうか、とってもよく似ている夢を見たんだね。
同じなんてことはないものね。

おやすみなさい。
たぶん今夜も自分のセキでを目を覚ます。
そして、たったひとりの夢をみていたことに気がつくだろう。
ひとりでみる夢、かならずかなしい夢。
泣いて目覚めないだけ、オトナになったんだろうか。

衝撃

2009年05月05日 | Weblog
やまだ紫さんが亡くなった。
久しぶりに開いたミクシイのコミュで知る。

清志郎さんの死も衝撃だったが、やまだ紫さんが倒れたことは、
まったく知らなかった。

あまりに突然の出来事。
白取さんのgooブログを拝見すると、その固く結ばれた夫婦愛に、
胸をうたれる。
白取さんは「ガロ」の編集者だったそうだ。
漫画家、作家としてのやまだ紫さん、そして、敬愛する女性としての、
やまだ紫さんをもっともよく知るひとだったのだと思う。

愛する人を喪う。
その厳然たる事実を垣間見て衝撃を受けている。

クモと話す

2009年05月01日 | Weblog
パソコンで、ゲームをするのも、くだらないテレビを観ているように、
「時間のムダ」だと何となく思っていた。
何をしていれば、ムダではないかといっても、大した違いはないのかもしれないのに。。。
でもいま時間があるとちょっと「スパイダ・ソリティア」をしている。
これにはまっているという話を前にどこかで聞いたこともあった。
ゲームしている時は無心にカードを眺めているので、
そういうじぶんも再発見。

もちろん初級だから、簡単なのだろうけれど、
性格が表れて、先のことを見通さずに思いつきでカードを動かしている。
だからきっといつまでも上達しない。
勝ったり負けたりして、勝率がいま55%。
負けず嫌いなんかではなく、おっとりしていると思っていたのに、
負けが続くと悔しくてやめられない。
そして、そんなじぶんが可笑しい。

背後で「おなかすいた~、夜食ちょうだい」と鳴いている猫も、
パソコンがパタパタパタとカードを並べ始める音を聞くと、
ちょっと諦めかげんで待つ体勢になる。

並んだ蜘蛛に、どうも馴染みがあるような気がして
ふと思い出した。
いま読んでいる文庫「このミステリーが面白い」というので買った
「向日葵の咲かない夏」道尾秀介だ。

蜘蛛、と対話している連休の真夜中。