羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

遠いけれど近い場所

2013年11月30日 | Weblog
くりかえし考える。
ブログについて。
ここを退散してどこかへいこうと思う。
事実、何度も何度も場所を移してきた。
それなのに戻ってくる。
古巣みたいだ。
だから「もうここにはこないよ」といえない。
しばらく留守にします、と不特定多数の人々に宣言するのは
驕りだろうか親切だろうか。

「灰皿町」で詩の募集が始まったので、
灰皿町日記を読み返してみた。
その場所にいてそこで書くことですこしだけ落ち着くことがあった。
時間もなく気持ちの余裕は全くないのにそこで綴ることで
わずかな落ち着きを取り戻すのだった。

だからまたあの場所に戻ろうかと思ったり、
いやまったく違うところへ行ってみようかと思ったり、
まあいいかとりあえずしばらくはこのままで、
と思ったりしてる。

日記・・・。

2013年11月28日 | Weblog




歩きやすい日には寄り道をする。
仕事の帰りにバスに乗って吉祥寺に行った。
来年の手帳や日記帳を見る。
「5年日記」というのをつけている。
毎日は書けなくて、あとで思い出してまとめてメモするだけ。
メモだけでも、同じ日が5年分一ページにあるので、
読み返すのが面白い。

手元には二冊あるので10年をふり返ることができる。
激動の家族史である。
中学生だった次女はもうすぐ25歳の働く主婦。
父が亡くなり、長女の大きな手術があり、わたしも入院した。
母も手術をした。
それはそれはこの小さな我が家にも毎日いろんな出来事がおきていたのだ。

老いの身支度としてなるべく面倒なモノは残さないようにしようと
思ってはいるけれど、手帳と日記はあと5年くらいは続けると思う。
読み返して楽しめるうちはそれでよい。

いよいよそろそろもういいか、と予測したらスッキリ処分したいものだ。
不測の事態にそなえての処分は娘に頼んでおこう。
そんなことを考えながら、
井の頭公園を歩いて帰ってきた。

病院で待ち合わせ

2013年11月26日 | Weblog
なかなか会えなかった友人と半年ぶりくらいに会うことができた。
「杏林大(病院)のスタバ、場所変わったよ」ということで、
病院で待ち合わせ。
お父さまが入院されたので彼女は仕事お休み中。
付き添いに毎日きてるという。

鎮痛剤をラムネみたいにバリバリしょっちゅう服用している。
「癌、鬱病、障害児、、」と会話の内容も非常に厳しい。
彼女ひとりの肩にこれほどの重荷があってよいものかと思う。

頭痛のつらさを知ってるよ、と知り合った年下の友人。
「来てくれてありがとう」とさらりと笑顔で病棟に戻っていった。
いまは「聞き役」くらいにしかなれない。

苔の本

2013年11月20日 | Weblog
図書館に予約しておいた本がきた。
予約はわたしが一番だったのですぐにくるかと思っていたが
本館からけっこう時間がかかった。

でも中村文則さん新作「去年の冬、きみと別れ」と桐野夏生さん新作「だから荒野」は
一ヶ月くらい前に予約したのにまだまだまわってこない。
いま図書館のページで見てみたら二冊とも45番目だった。
待ちきれなくて購入するかもしれない。

しかしいまはこの新しい本「胞子文学名作選」を手にしてワクワクである。


手にして驚いたのだが、ものすごく凝ったつくりになっている。
作品ごとに紙質もページ色も活字体や大きさも何もかもが違う。
そして登場するのは俳句の芭蕉から詩の谷川俊太郎、金子光晴、
そして、宮沢賢治、太宰治、内田百間、佐伯一麦、川上弘美、と
総勢20人の豪華版。
わたしがまず読みたかった永瀬清子の詩「苔について」が巻頭作品。
手書き文字。
次は小川洋子「原稿零枚日記」からの作品でこれだけは知っている。

編者の田中美穂さんというかたは岡山の古本屋さんらしい。
日本蘚苔類学会員、とある。カッコイイ。

手ざわりと視覚で読み始める前から楽しめる本。
われながらよくぞ見つけたとご満悦。
とても気に入ったら購入検討しますね、田中さん

本と映画

2013年11月18日 | Weblog
法事がありこどもたちがくる。
親類のかたに「お母さんに似てるね」と言われたふたり。
長男と次女が顔を見合わせていた。
「お母さんに似て美人だ」とお世辞まで頂戴した。
用事で来られなかった長女が加わったらみんな似たような
のほほん顔である。

話題集中だったのは初登場した双子の赤ちゃんたち。
年子のお兄ちゃんもまだベビーカーなので
幼な子3人連れてよく電車で遠くから来たと思う。
それはそれはかわいい天使のほっぺだった。

帰り道、息子と次女とやはり「本と映画」の話をした。
どうしても読み進めない本がある、時間がかかる、
でも中途放棄したくない、だけど面白くない。
そんな本の話になった。
放棄したくない気持ちはわたしもわかる。
いつかやはり本好きな友人に打ち明けたことがあった。
友人は「途中でやめていいと思う。つまらない本に時間とられる必要ない。」
と言っていた。

なので、「これはダメかも、残念だけど。」と思った本は
多少心は残るがそこまでにする。
そういう本はあまりないけど「最後までつきあえなかった本たち」の
グループに入ってもらう。
どこかでまた出会い、いつかまた読むときがくるかもしれない。

息子にそういったら、そうか、じゃーオレもそういうグループ作るかな、と言っていた。
わたしは彼に教えてもらったお勧め映画を早速レンタルしてきた。
やっぱり会えばいつでも、本と映画の情報交換である。

危機脱出

2013年11月08日 | Weblog
・・・といっても私事ではありません。
新聞小説。
ほんとうにホッとした。
あの得体のしれない(目玉のない)デカイ怪物との死闘は、
もう二週間くらい続いていたのではないだろうか。
毎日、朝日の朝刊を開き宮部みゆきさんの「荒神」を
読むのが楽しみだ。
こうの史代さんの挿絵がいい感じ。
ようやく怪物は去って行った。宗栄は安否不明だけれどカッコよかった。

新聞小説が好きなことは以前にも書いたと思うけれど、
そのきっかけとなったのは津島裕子さんの「山を走る女」だと思う。
わたしは結婚前で、実家の朝日新聞を読んでいた。
宮尾登美子さんの「序の舞」にも夢中になった。
この小説のおかげで日本画家の上村松園を知ることになった。

手元で読んでいる文庫もある。
毎日届けられる小説もある。毎日すこしずつ進んでいく。
新聞小説は手元の本と違ってゴールがみえない。
あとどれくらいでこの話は終わるのか、いまどれくらい進んだとこなのか、
本なら残りのページ数を眺められるけれど新聞にはそれがない。
だから愉しいのかもしれない。

行きと帰りに出会う犬

2013年11月07日 | Weblog
仕事はカレンダーに関係なく基本的に火土日が休み。
ずっと何かの仕事をポツポツとしてきたけれど、
いつも自転車やバスで行ける範囲だった。
今回いつの間にか電車通勤しようとしている自分に気がつき、
あれッと思った。
面接に行くときに気がつき「いける?」と自問した。
いまの仕事を決めるとき同時に二箇所から採用通知があり、
ものすごく迷った。
ひとつは航空宇宙技術研究所で、バスで行ける。
(所内は広いので自転車で移動しますといわれた)

本当にここに決めようかと90%位思ってた。
でもバス停はあそこだ。
暗い気持ちで悲しい思いで辞めたいといつも思いながら
待っていたバス停。
4年通ったあのバス停。
あのバス停までの道さえも苦い。

迷いに迷ったあげく新しいルートでの新しい仕事へと
行く手を決めた。
面接していただいた社の人々が好印象だったのも大きい。

祝日の朝はいつものバスも電車もスッキリとしていて
なんだか清々しい。
以前なら祝日の業務はプレッシャーがあってイヤだったけれど、
今は全然違う。

そして今週は火曜も土曜も仕事があるので、
月曜日からきっちり六日。毎日通勤電車。
慣れたのかといえばそうでもない。
嬉々として通ってるわけではないがこちらを選んで良かったと、
いつも思う。
朝はよくわんこにあえるしさわれる。
そして帰り道にもわんがいる。
店先に寝そべっている黒いパグ。
花関連の店のようだが奥まっていてわからない。
でもその出入り口付近にそのこがいる。
今日も見かけた。茶色いくりっとした目で見返してくれた。

楽しみはどこにでもある。そういえば以前にもあったのに、
こころがふさがれるとせまくなってしまうようだ。

阿佐ヶ谷で

2013年11月04日 | Weblog
新婚次女が法事のため上京した。
じぶんたちの入籍と引越しが済み、
彼の兄さんの結婚式に参列して、
10月が終わったとたんに彼の祖父が亡くなった。
お祖父ちゃんは孫ふたりのお嫁さんみて安心したんだね、と
話したという。

そしてわたしもちょうどよいので、
娘を医院に連れていくことができた。

貧血なのか低血圧のせいなのか、
電車内で昏倒する、という出来事が二回あったので、
母親としては心配でしかたない。
意識を失ってバタンと倒れる、という状況は、
まわりはさぞかしビックリすることだろう。
(二度とも何人もの人々にお世話になった、有り難い。)

本人は「なんでもない、だいじょうぶだ」といって
病院なんか行きたがらない。
ちょうど今回、土曜日にこっちにいたので、
原因、留意点を聞くために医者の話を聞きに行き、
わたしはようやく安心した。

安心したところで二人で懐かしい阿佐ヶ谷を歩いた。
よく寄った店、なくなってしまったところもあるし、
健在のところもちゃんとあった。
洋品店ではホームにいる母のカーディガンを二人で選んだ。
「おばあちゃんのとこなかなか行けないから」と娘が買ってくれた。
おそいお昼を食べて暗くなった頃デザートを食べて、
いろんな話をした。

そういう11月のスタート。