羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

白いお皿

2013年06月28日 | Weblog
これは困るけどこれのおかげで、、、、という事がたまにある。
例えばカラーリングしていなくてちらほら白髪が気になっている時。
こういう時は通勤電車の中央線でシルバーシートに座っちゃう。
そもそも通勤電車にお年寄りが乗られることはまずない。
でも妊婦さんやうちの娘のように内部障害のある人はそういうマークを
バッグにつけていてくれるとわかりやすい。
優先席が空いていたら周りを見てから座る。
よく見ていると着席した人々(無神経な若者のぞく)には
「あの人何歳くらいだろう、自分より上かな?」という視線が行き交う。


もうひとつ。
頭痛は困る。頭痛のない人生が欲しかった。
でもこの頭痛のおかげで(正確には頭痛の会のおかげで)何人もの友達を得た。
苦しみやつらさを打ち明け分かち合える友達。
今日はそうして知り合った女性と会うことができた。
ご用事で京都から急遽いらっしゃることになり麻布「ル・コント」で
午後のケーキタイム。
ル・コントは老舗の洋菓子店で私たちは「午後のお茶と白いお皿」というのを頼んでみた。
白いお皿にはオリジナルのケーキ、チョコソースとフルーツが美味しかった。

             

マイナスはプラスに続く道。
困ったことがあってもそれのおかげでラッキーなこともやってくる。
未知の白い皿にごほうびのスイーツが運ばれてくるときみたいに。

池のほとりに

2013年06月27日 | Weblog
いちばん好きな詩人「吉原幸子草稿展」に行って来た。
善福寺池のほとり、「葉月ホール」の小さな木の扉を開ける。
                                     
受け付けにいらしたのはご子息の純さんで書物の中の幼い頃の写真で見慣れたお顔。
恋の詩が多い印象の吉原幸子だが、子どもの詩もある、お母さまを介護していた時の詩も。
大好きな猫の詩の草稿もあった。ベッドの下のふわふわスリッパが喪くした猫みたいな詩。
久しぶりに詩の世界にゆったりと浸った。
 
    
             行って そして
             泣きながら帰っておいで
             いたましい妹たちよ
             帰っておいで 青ひげの森から
             白い脚から 血を流しながら
 『秘密』(部分)


没後10年、「ラ・メール」創刊30年ということで詩誌「ラ・メール」も
全冊展示してある。わたしが持っているものも何冊かあり読者投稿欄にじぶんの名前が小さく載っているのもある
大好きな詩人がいる、というのは幸せなことだと思いながら帰途についた。
 
善福寺池の睡蓮。

今夜はまた吉原幸子詩集を広げようと思う。 

                         

この街で

2013年06月20日 | Weblog
先週、古本屋仕事の前に頭痛の薬を貰いに行き
時間があったので久しぶりに「リスボン」に寄った。
ランチバスケットにチェリーがあって嬉しかった。
         

ここは常連さんが多い昔からある喫茶店でかつては長女も勤めていた。
お客さんが座るとマスターは「いつものでいいですか」と確かめる事が
よくあるしランチがホットドックだとわたしには
「ハチミツトーストに替えますか」と笑顔で聞いてくれる。
アイスコーヒーにガムシロップをいれない人のことも
もちろんちゃんと覚えている。
だからと言って入りにくい雰囲気は全くないし駅近くて地下にあるから
落ち着ける、好きな店。友達を連れて行くとたいてい気に入ってくれる。

バイト先の古本屋では先日、テレビ撮影があった。
オンエアを見たら(天才!志村どうぶつえんという番組だった)、
貸本屋さんにきた猫が「招き猫」状態になって店が繁盛・・・という
再現ドラマに設定されていて、とにかく猫が可愛かった。
撮影はかなりタイヘンだったようだ。
ふだんは雑然としている古本屋がこぎれいな地方の貸本屋になっていた。

あ、そういえば「トーホーベーカリー」もつい最近でてたな~。
子供の頃から通っていたパン屋さんが改装してどんどん評判になり
なんだかずいぶんあちこちで見かける。
ちょっとした有名店になったけどかえって足が遠のいている。

そんなこんなの六月。
本は天童荒太さんの「歓喜の仔」上下巻を読み、
映画は「鍵泥棒のメソッド」をレンタルした。

新人研修

2013年06月19日 | Weblog
マイペースで自由でいたいわたしは拘束されるのがキライだ。
ルーズだからルールも苦手だ。
だから朝から夕方までまるまる一日の講習と実技のある研修が
憂鬱だった。
朝から夕方までバッチリお勉強というのは大学でも避けてきた。
マジメな友人はせっせと講義にでていたがわたしはだいぶテキトーに
学生時代を過ごしてきた。

でも研修会三日目、意外とイヤではない。
すでに勤務についている(中年の)新人ばかり。
女性はご夫婦で参加されている方とわたしだけ。
昼休みには彼女がわたしの机のところにきたのでお喋り。
近くにいた男性も交えてしばし歓談。

そして今日はテキストがなかった(今日の分だけ未着だった)わたしに
隣の方がすぐに気がついて真ん中においてくれた。
そうそう、昔、教科書を忘れたとき隣の席の子が真ん中に置いてくれて
ふたりで見たことなんかを懐かしく思い出した。
何となくお互いに遠慮しつつ一冊のテキストを眺める。

まさにおとなりは「わたしのタイプ」。
昔からわたしは「メガネ男子」が好きだった。物静かに話す人。
痩せていてちょっとだけ背が高くて休み時間にはひとり本を読んでいる。
あまり話の輪には加わらないけど穏やかな笑顔で見ている時もある。
もう、シッカリ見つけちゃいましたネ。
だからといってどうというコトは何もないのだけれど。

お昼はオフィス街でよく見る移動販売のお弁当屋さんが
ズラーっと並んでて何だか楽しい。
今日はホットサンドを購入。
ハンバーグやロースとビーフや大好きなトマトが入っていて
すごーく美味しかった

実技ではやっぱりいちばんモタモタしていたと思うけど
昔よりもずっと素直にマジメにがんばったような気がする。
ずいぶんといいかげんでだらだらしていた学生時代から
何十年。。。。ようやくすこしは進歩したのかもしれない。
トシをとるのも悪くない。

ペットショップ

2013年06月13日 | Weblog
ホームセンターのペットショップに小さな小さなネコがいた。
生まれてまだ一ヶ月。ガラス越しに見つめあう。
もちろん飼う予定はナシ。ただ見たくて寄っただけ。
仔猫の目がどうしても寂しげにみえてしまう。
客も店員もいなくてわたしはその仔とふたりきり。
他の子犬や仔猫は眠ったり遊んだりしてる。
まだ名前もない小さな細い猫、何とかという種類(128000円)。
不安げな瞳をじっと向けている。

「やさしい人に貰われていくんだよ」思わず声にだしていた。
それがその場を離れる口実だった。

先日知り合いが自宅にきたとき「ねえ、またネコ飼いなよ」と言われた。
前にもその話になったけど、駿が忘れられないわたしは「ノー」。
彼女は「わかった、じゃあ今度ダンボールに仔猫いれて玄関に置いといてあげる」
だったら飼うでしょ?と言われて笑ってしまった。

我が家の玄関にも、ホームの母の部屋にも、そして息子と娘の部屋にも、
それぞれに駿の写真が飾ってある。

小さな新しい仔猫がやってきたらどんなに嬉しいだろうとはいつも思う。
でも外出や旅行でさびしい思いをさせてしまう。
生き物が不在の気楽。
新しい生命を引き受けるならまたあの別れも覚悟しなくてはいけない。
それがかなしい。

コワかわいい?

2013年06月08日 | Weblog
こわいけどかわいい、コワかわいいという言い方がある。
言いえて妙、というべきか。
コワイとカワイイが混じった例えばあの「せんとくん」。
奈良の平成遷都記念事業のキャラクターとして話題を集めた。

そのデザインを手がけた彫刻家の薮内佐斗司氏の作品を
毎朝ここ中央線のとある駅前で見ながらわたしは仕事場に向かう。

     

氏の作品はこの駅界隈に六つあり、六童子というそうだ。
新しい仕事先の隣の小さな公園にも子が相撲をしているブロンズがある。

薮内氏のブロンズはたしか府中にもあった。走るわらべ、という感じだった。

この象さんをちらりと見てから商店街に行くとアーケードの中央にピンクの象さん。 
                           「おはよ♪」                            

サマージャケット

2013年06月04日 | Weblog
旅行から帰り新しい仕事が始まってあれあれというまに日が過ぎていく。
今日はSさんと久しぶりに吉祥寺で会うことができた。
行ってみたかったキャンティセテ
「イタリアン幕の内」。かなりのボリュームでお腹いっぱい。
賑やかなイタリアン、という雰囲気だった。

Sさんとは以前「クラブウィルビー」の集まりでお会いした。
帰りがけに見かけた美しいひとが同じ電車だったので思わず声をかけたのだ。
シンプルなのにしっくり馴染んだ装いがセンスが良くて素敵だった。
話してみるとやさしくやわらかい物腰にますます惹かれた。

じぶんが憧れるような女性に出会えることはラッキーだと思う。
長いことお仕事をしてきてリタイアされたとのこと。
そのあとお会いしたときも、今日も、本のこと、母のこと、家族のこと、ネコさんのこと、
いろいろ話せてうれしかった。
行動する時にはサッと一人でどこにでも行く。カッコイイ。
ひとり旅、ビジネスホテル、旅先のお寿司屋さん、絵になるひとはいいなーと思う。
本人は謙虚なのでごく自然だからやっぱりすごい。

「着られるものがあれば、、、」と服をいただいた。
カジュアルな安物しか持ってないので実はすこし困っていた。
これからまだ日本橋の本社に研修に行ったり「何とか会」がけっこうある。
さしあたり今度の土曜の理事会には何を着ていくべえと思っていたところ。
いただいたブルーグレーの夏物ジャケットを着て行きます。
Sさん、ありがとうございました。