羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

新しいカレンダー(猫)

2012年12月29日 | Weblog
古書店でパソコン入力しながら店番をしていると
「何日までですか?」とたまに聞かれる。
「年中無休なので・・・昼から夜中までやってます」と答える。
今日もそういう会話があって「それなら正月また来ます」と言ってくれたお客さんが
「僕は絵を描いてるんですよ、今は猫の絵。」とおっしゃるので、
「猫ですか?ネコ好きです!」とおおいに反応したところ、
「じゃ、これあげますよ」となんと来年のカレンダーにサインまでして頂いた。


お客さんは渡辺あきおさんというイラストレーターだった。
かわいいカレンダーの中ほどに「僕の故郷です」という一枚があって
聞くと福島県の三春とのこと。
わたしの母は福島の須賀川です、近いですね、という話になった。

いろいろな出会いと会話があるから町の小さな古本屋は面白い。

今年読んだ本

2012年12月28日 | Weblog
毎年、「今年読んだ本」を記録しておこうかなと思いつつ実現しない。
「読書記録」、自分の子どもたちにはノートを与えてキリのいいところで
シールを貼ってあげたりしてたけど。

今年は図書館に行く機会が多かった。
いつものように長女から借りたり、面白いよと教えてもらって読んだ本もある。

新聞の書評に手塚正巳さんの「警備員日記」があったときはすぐ買いに行った。
手塚さんはわたしが辞めた職場にいらした警備員の一人だったけれど、
何だか「ただものじゃない」オーラがあってカッコよかった。
口数も少なく礼儀正しく、休憩時間には静かに本を読んでいて、
帰るときはキャップを目深にかぶってディバッグを片側だけかけて軽く会釈して、
さっと帰って行った。
手塚さんが現役の作家で、かつては映画監督でもあったことを教えてくれたのは、
同じ警備会社で以前から来ていたベテランさんだった。

わたしがその職場を辞める前に手塚さんも辞めていたけれど執筆活動をされていることは
ベテランさんから聞いていた。
「警備員日記」はフィクションながら「!」と思えるエピソードもあり、
くすっと笑えるところもあって面白く読んだ。
「謙虚な人ほどすごいのだ」と何となく再認識した。


今年読んだ本、、、のうち今思い出せる本。
「空也上人がいた」山田太一「シズコさん」佐野洋子「70歳死亡法案、可決」垣谷美雨
「炎情」工藤美代子「モンスター」百田尚樹「みんな邪魔」真梨幸子
「ひさしぶりにさようなら」大道珠貴
「母が重くてたまらない」信田さよ子
「彼の女たち」江國香織・角田光代・井上荒野」「すべて真夜中の恋人たち」川上未映子」
「不可能」松浦寿輝「ふがいない僕は空を見た」窪美澄「高く手を振る日」黒井千次
「人質の朗読会」小川洋子 「K」三木卓
「サラダ好きのライオン」「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」ともに村上春樹
「普通じゃない」原田マハ・・・

いま思い出せたのがこんな感じ。
殆どが図書館の本で、予約して順番を待ってる本も水村美苗さんの新刊を筆頭に数冊ある。


そして今は、「掏摸」(すり)中村文則「かわいそうだね?」綿谷りさ
「女ともだち」真梨幸子そして「チェーホフ短編集」を借りてある。

こうしてブログを利用して読書記録をつけるのもいいかもしれない、とふと思った。
感想はなし。ただの羅列。気まぐれの収集癖がある人みたいに。あくまでも無意味に。


そういえば新しいカレンダーがない

2012年12月27日 | Weblog
どうやら今年も大過なく終わりそうだ。
長女も無事にカサブランカから帰ってきた。
(カサブランカ、と聞くとわたしは映画ではなくあの大輪の白い花を連想する)
駱駝に乗ってきたと昨日の電話で言っていた。
帰国翌日、病院に行って、数値も大丈夫だったとのこと。安心した。

正月の予定をメールした長男からはボソッとカンタンな返信もきた。
元気みたい。彼女もそばにいてくれるみたい。よかった。

わたしはよく年末になると一年総決算みたいな頭痛がきて、
ガンガンしてダウンすることが何度もあった。
仕事がなければ寝る。古本屋のバイトは必ずギリギリまであるので、
シフトが入っていれば薬を多めに飲んでぼーっとしながらバスで行った。

頭痛がひどいと肩こりと目の疲れもひどくて、
パソコンもできないし、年賀状も書けない。。という自己弁護で毎年、賀状は
スローペース。
でも今年は時間があるし頭痛もひどくないので早めに賀状に向かっている。
ヘビさんの詩も書いた。(イラスト素材無料を利用させてもらう)

バイトはやはり大晦日の夜まである。
この時期、「大掃除したので」と本の買い取りに持ってくる人がけっこういる。
いつだったか大量の良質の小説を運んできた男性がいた。
「いつかは読み返そうと思ってたけど、結局読まないし、増えるばかりだから。」と言っていた。
「また読みたくなったら古書店に行けば安く売ってる。うちでコレクションしておく必要はない。」
何だかサッパリ、キッパリした笑顔が印象的だった。
いつまでも未練がましく本棚に並べているわたしは、時々その会話を思い出して、
「すこし整理しようかなと思うのだ。

誕生日おめでとう

2012年12月24日 | Weblog
大学で事務をしている次女、今年は同期の人が二人辞めて、
さらに予定より早く産休に入った先輩もいて、休み返上で働いていた。
からだをこわさないかとハラハラした年だった。
厳しい就活を闘って得た職場で、入職と同時に机を並べてきた友人が
いろいろな葛藤の末に辞めていった時、娘はずいぶん大変な思いをしたようだ。
友人が悩んでいたときも結局退職した後も、職場と彼女との間で苦労していたと聞く。
一番大変なときはアトピーが悪化して顔も手足も真っ赤になり、
痒くてまったく眠れなかったという。

そんな次女の誕生日。サイカフェという
自然食レストランを予約しておいた。

                        

この日だけはどうにか残業をせずに埼玉から車でやってきた。
三連休。娘はよく眠り、わたしの作ったみそ汁を「美味しい美味しい」とお代わりして、
二人で買い物にも行った。
おばあちゃんのところに置くサイドテーブルを探していたが、欲しかったタイプの物を
検索して見つけてくれた。しかも「半額出すよ」なんて言っちゃって、、
オトナになったんだね。(介護用品は高額なのだ・・・)

古い家計簿をだしてみたら、日記欄は五人家族のフル回転ぶりがすごかった。
高校生の息子の弁当作りから始まる朝は次々と家族が出かけた後にわたしも、
ミニコミ誌の会社に行き、取材に走り、午後は一度帰宅して、
塾に行く子の食事、夜から違うバイトに行く夫の軽食、留守番の子どもの夕飯を作り、
夕方からシッター先の女の子の所へ行く。保育園へ迎えに行きその家でご飯を作って
食べさせる。

そういう家計簿の間からパラリと落ちた小さな次女からの手紙。
「まま、だいすき♡」と始まり可愛い字でいろいろ書いてあるのを、
昨夜、二人で読んで何だか笑いながらちょっぴり泣けた。

そして今日、次女はわたしからの誕生日プレゼントのカレルチャペックのひざ掛けや
家にあったお菓子やたくさんの蜜柑など等を車に積んで埼玉のアパートへ帰って行った。
24歳になった娘の愛車、モコを見送って、クリスマスイヴ。





化け猫じゃないよ

2012年12月19日 | Weblog
ようやく部屋の片づけを始めた。
とても「大掃除」まではいかない。あまりに普段片付けていないので、
目に付いた(目に余る)箇所をちょこちょこ整理するだけだ。
その中から出てきたのが駿のこの写真。



駿は電話に乗るのが好きだった。
電話がなると素早くカウンターに駆け上りあっという間に座ってしまう。
もちろん駆け上るときにプッシュを踏むので電話は切れる。
この写真だとよく見えないが「ふっナニカ文句でも?」という表情で
薄目を開いて上から目線である。
電話がくると駿に先をこされるので猫より先に受話器をとろうと思うのだが、
たぷたぷお腹の太めの駿でも案外身軽にカウンターに上ってほぼ無理やり
そのデカめなからだを電話機の上でまとめてしまう。

さらに、あまり電話が鳴らないと退屈なのか、
プッシュボタンを踏みつけて鎮座していることもあった。
わたしと娘がのんびりテレビなどみていると背後で「ピ・ポ・パ」と音がして
「あ~、また駿がどこかに電話しちゃったー」という事も何度かあった。

その駿ももういない。
この写真は後ろのネコの影と「ふっ」の苦い表情がコワイ、と家人には不評だった。
可愛く撮れてる駿もいいけどこの「化け猫みたい」とおそれられた写真も懐かしい。

86歳の一票

2012年12月16日 | Weblog
先日ホームで母とのんびりしていたら窓の外を選挙カーが通った。
「あ~、選挙もうすぐなんだよねえ」とひとり言を呟いたら
母が「うん、そうだよ」とすぐに反応したので「選挙、行く?」と
聞いてみたら「当たり前じゃない、ぜったい行くわよ、選挙だもん」との返事。

ここの小さなグループホームには不在投票の箱も来ないしスタッフが連れて行ってくれる事は
もちろんない。

母はこの頃またいろんなことを書いていてニュースには敏感だ。
「笹子トンネル、事故。山荘に行く時にとおる」というメモを読んだときには
ビックリ仰天した。
兄の八ヶ岳山荘の記憶とドライブの思い出がシッカリと残って結びついていた。

この話を家人にしたら「じゃ、日曜は夕方ホームに寄ってから投票に行こう」と言ってくれた。
ホームに行って「選挙、行く?」と確認して出発した。
ホームにはいま「帰りたい帰りたい」おばあさんが入居して大声でほぼ怒っている(嘆いている)
そのおばあさんは母がなだめると言うことを聞いてくれるらしいので、
スタッフは母を「級長さん」と呼んでいた。
静かなときは静かである。
でもわたしが行くと外部からの気配を思い出してまた興奮させてしまうようなので
なるべくひっそりと行く。
ところが今日はわたしと家人が母を迎えにきたことに気がついてドアの近くで
がんばっていた。
スタッフの配慮で別ルートから出入りした。

車椅子で投票した。すごいな~、ちゃんと理解して意思表示して書ける。
「アルツハイマー」という診断書はもう返上してもいいんじゃないか?
いや、しかしやはり分らないときや混同する事柄はたくさんある。
わたしが母の症状を受け入れてところどころ理解し始めているのかもしれない。

三鷹駅のイルミネーションを見物してホームに戻った。
おばあさんたちは静かに夕食を始めていた。

2012年12月16日 | Weblog
灰皿町」に雪が降っていた。雪だ、わーいと喜んでばかりもいられない。
今年も「灰皿町アンソロジー」の季節がやってきた。
詩の先輩たちがどんどん詩を掲載している。

灰皿町にせっせと通っていたことがある。
そのときウェブ上でわたしのかえるところはこのgooでもなくmixiでもなく
ただひっそりとその町だけだった。
待っていてくれる、と勝手に思える場所があるのはいいものだ。
ちいさな家があり「すみれこ」と表札がでているのはありがたい。

詩という表現と向き合う12月。
わたしにとって「書く」ということをまた考えるこの季節。

彫刻館

2012年12月11日 | Weblog
クリスマスか。。。あんまりぴんとこないなあ・・・。
イルミネーションも以前ほどワクワクしなくなった。
人がたくさんいるところを避けて避けて歩く。
雑木林を歩いていくと風がふいて空から枯れ葉がたくさん降って来る。
名残りの祝祭。
立ち止まって冬空を見上げる。
三人の子どもたちを連れてよくこの林を散歩した。
風が吹いて枯れ葉が舞うと子どもたちは両手を上げて歓声をあげたっけ。

今はひとりで知らない横道を見つけてそこを曲がる。
動物園の裏に出た。
賑やかな声、何かの音、ここは象さんの住処の裏あたりだろうか。
そういえば彫刻館でミニコンサートがあるはずだった。
彫刻館が見える通りに出る。
ふとここで男の子と歩いたことを思い出した。
わたしたちはバイト先で知り合った学生どうし。
彼は故郷の北海道にガールフレンドがいた。
わたしにはなかなか会えない多忙な記者の恋人がいた。
ある日、バイトが突然キャンセルされてぽっかり時間の空いた二人は
何となく井の頭公園まで戻ってきて
わたしの提案で彫刻館を案内した。
夕暮れまで歩いて、何だか帰りそびれたおかしな夏休みだった。

好きでもない男の子とつきあって過ごした二十代のわたし。
あの頃、やっぱりクリスマスは大切な1日だったんだろうな。
でもきっと、やっぱりわたしは恋人には会えなくて女友達とケーキを食べたり
していたんだろう。吉祥寺で。

みんみん

2012年12月05日 | Weblog
うちの近くまで戻ってきて、お昼をどうしようかな?と思った昨日、
美味しいパンとスープのランチを思い出して「SANA」に行ったら休みだった。
「トーホーベーカリー」でパンを買って帰ってもいいんだけれど、
何となくどこかで何かを軽く食べたい気分。
温かい飲み物もいただきたい気分、、なので久しぶりに「ほの香」へ。

わんこ二匹が熱烈大歓迎してくれる。
このこはみんみんだったかな。

小さな店内、客はわたしだけ。
「みんみん」と呼ぶとダッシュでテーブルまで走ってきてくれる。
甘え上手で、と店主さん。
この犬さんたちはお仕事もする。
会計の時に小さなカゴをくわえて来るからそこにお金を入れるとちゃんとママの所へ持っていき
レシートも運ぶ。おりこうさん。

ハムとネギがぎっしり入ったほかほかの「おやき」。
生地にもこだわって作っているそうだ。200円!

わんわんといえば、いまスマホのアプリで四国巡礼をしている。
ただ歩いているよりも歩数や消費カロリーがでるからちょっと面白い。
アバターもいろいろあるみたいだが、笠を背中にしょっている犬が可愛くて今お気に入り。