羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

四月怪談

2014年04月21日 | Weblog
ひと箱古本市で、真っ先に売れたのは大島弓子さんの「四月怪談」だった。
こういう古いコミックを素早く見つけて買っていくのはたいてい男の人だ。
梨木香歩さんの「春になったら苺を摘みに」(単行本)。
多くの人が手にとってみていく。
午後になってもらわれていった。

場所が駅から離れていたこともあり、「賑やか」というよりは、
「とにかく寒い」一日だった。
終了時刻は各自で決めてよいというので、早めに店じまい。
駅に向かいながら他のお店を見に行った。
本物の古書店が数軒集まって出品している場所があり、
そこはもちろん盛況で、お客さんはきっとここで満足して帰っちゃうんだろうな~と
思いつつ、わたしも娘もそれぞれ欲しかった本を購入。

わたしが買ったのは千田佳代さんの「猫ヲ祭ル」

いま図書館で借りて読んでいる「阿部公房とわたし」(山口果林)も300円で売っていた。

さて、売れ残った本の行く先を思案中だ。
どこかの古本屋で引き取ってもらえるか、、そうでなければ資源ゴミなのかな。
行く先を決めるというのは何につけても難しいものだ。

                        
                       


菫と桜

2014年04月16日 | Weblog
ふと見つけたチラシに「ひと箱古本市・出品者募集」と書いてあった。
前にも書いたけど、フリマに行くのも出すのも好き。
あまりに暑いとダウンするのでやっぱり春と秋がいい。

このチラシを見て長女にメールしたらすぐに返信がきた。
二人で参加決定。古本と娘の手作り品のお店。

取り急ぎ申し込みをしたところ「屋号を決めて」と言われたので
考える余裕もなく「すみれとさくら」にした。
わたしの詩と長女の短歌の二人誌の名は「薄紫の冬桜」という。
これを屋号にするのはちょっと固いので「すみれとさくら」。
双子の演歌歌手みたいになった。

娘は桜が満開の日に生まれた。
産院から帰った夜、外は春の嵐で、
わたしはまだ名前もない小さな女の子の寝顔を見ながら
ガラス戸を叩く雨風の音を聞いていた。
これではせっかくの桜もみんな散ってしまうだろうと思った。

けれど朝になってみたら、
負けなかった桜たちがきらきらと白く輝いていた。
娘のなまえは「さくら」ではないけれどあの日見た桜の花が
わたしに教えてくれた。つよくうつくしい娘に育つようにと。
困難があっても乗り越えて輝けるようにと。。。

そんな話を飽きずに聞いたからか、娘は桜が好き。桜色も好き。
「すみれとさくら」は今度の土曜日開店。一日だけ。

世田谷散歩(すみれば)

2014年04月02日 | Weblog
そして四月。絶好のお散歩日和到来。
この季節の変わり目、以前は苦手だった。
「快晴!春!」と浮かれて外出すると必ずガツンと頭痛にやられる。
帰り道に悲しく悔しい思いをすることが多かったが、
少々「歩くこと」と「体力」を取り戻しつつあるので、
ひとりでリュックをしょって出発した。
世田谷の「すみれば」という公園で今はスミレ展をしている。
  

ここへきたのは二度目だけれど小さな落ち着く庭園。
満開の桜のまわりでスミレたちが風に吹かれている。

   


帰りには世田谷文学館へ行った。
いまは「旅についての断章」コレクション展。

「旅の開放感は、一言でいえば自分の住所、氏名からの解放感である。」  
   寺山修司 『旅の詩集』より


歩き、バス、また歩き、バス、迷ったらスマホのナビ。
疲れたけれど、頭痛にならなかったのが何より嬉しく、
ふしぎなことにエネルギーが補充された感じがしている。
気ままな散歩はやっぱり「わたし」なのだ。
手放したあとはじぶんを取り戻さなくちゃいけない。