羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

外見ってやっぱり、、、。

2005年06月20日 | Weblog
彼の魅力は、圧倒的な文章力でした。
当時、500文字の携帯画面を全部使って何通もまとめて
送信してくるのです。
それは、どこまでも真実に迫ろうとするかのようなひたむきなメールだったと
思います。感覚的には理解できても、その内容は彼独特の言いまわしによって
複雑なものになっていたため、なかなか難解でもありました。

書物のように平面に印字された活字であれば、読み直しながら理解して行けるのでは、
と何度も思ったものです。パソコンに取りこんで印刷したい、だからパソコンが欲しい
とも思いました。

わたしは不遜なことに『どうせ出会い系で出会うなら、少しでも自分の好みのタイプに
近い人と出会いたい』と思っていました。外見にもちょっとはこだわっていました。
メールでは最初にそう書きました。彼はそのことにはずっと触れずにいて暫く心に届くような
メール交換をしたあと、「会おうか」と言ってきました。「ただし僕はきみの好きなタイプ
ではないと思うよ」と。

わたしは、その一言に迷いつつ、、。そのとき、心の中にはまだあの優しかった彼の笑顔が
あることに気がつきました。
それでもやはり、わたしは会うことを決めました。
太ってる人が苦手、と公言していたわたしの前に現れたのは、痩せてもいないけどそれほどの
肥満という訳でもない、いかにも音楽関係の自由業らしい個性的な風貌の人でした。

外見にこだわったりするようなことはつまらない、と彼は考えていたし先入観なしに付き合いたい
と考えていたようです。でも心の狭いわたしは自分のことは棚に上げて、いつも
つまらないことにこだわる性格でした。好み、とは言えない彼の風貌にも、
そのうち慣れるかな、、、と思っていました。その考え方や文章力がとても魅力的だったからです。