羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

ドッグ・パワー

2013年08月22日 | Weblog
朝のバス待ちのときよく会うワンコがいる。
白いテリア(だと思う)で表情が豊かで眺めているのが楽しい。
わんこはお母さんと一緒にお見送りにくる役目で、
見送られる娘さんはわたしの長女のように障害者手帳でバスに乗る。

わんこは朝の出勤風景のなかで和み空間を作っていて、
多くのひとたちの微笑を誘っている。

先日ちょっとお二人と話す機会があり、
「わたしの猫は死んでしまったので今はよそ様のペットをさわらせてもらって
いるんです」と申し上げたら、わんこがととと、と近寄ってきた。
さあどうぞ、お呼びでしょ?と来てくれたのだ。
すっかり嬉しくなりスキンシップさせてもらった。

それからはバス待ちの列で接近しているときはわんこにさわれる。
いないときはさびしい。
今朝はいるかな、と期待して家を出る。
バスに乗ってからも左手には犬の感触。朝のドッグ・パワーである。

夏の午後の寄り道

2013年08月21日 | Weblog
今日はたっぷりと時間があると朝気がついた。
汚れたコンテナボックスをゴシゴシ洗いながら
曇り空を見て、ギラギラの太陽がないなら歩いて行ける、と思った。
そうして昼までの仕事を終えて向かったのがここ。
先月、古い一軒家を改装してオープンしたという松庵文庫
 もともとは音楽家ご夫妻の家だったという。

庭に大きなつつじがある。樹齢80年とか、、、。
そのつつじを眺めながらのランチ。冷たいトマトとモッツァレラチーズのスープ。           キッシュのプレート。


静かな静かな夏の午後。
使い込まれたミシンも居眠りをしそうなゆったりとした時間。

バッグにいつも入っている「草枕」を読みながら居心地のよいひとときを堪能した。
行きかたも覚えたのでまた行こう。          

寄り道はいつでも愉しい。それが八月の終わりならなおさら。
だってきっともうすぐ秋がくると教えてくれる。囁き声のような風がふく。

恩師の訃報

2013年08月19日 | Weblog
大河内昭爾氏死去、という記事を夕刊に見つけて「あっ」と思った。
すっかりご無沙汰してしまっていた。
年賀状で大きな手術をされたことを知ったので心配ではあったけれど、
つい月日が経ってしまっていた。
先生はわたしたちの女子大では圧倒的な人気でファンクラブもありそうな勢いだった。
ふんわりと長い髪、やさしい笑顔、魅力的な文学の授業。
そしてわたしにとっては新聞部の顧問であり、卒論の指導教授であり、
とうとう就職口までお世話になって、父親とも近しくなり結婚式にも主賓として
出席していただいた。
何より新宿のお住まいからここ武蔵野の地に転居されて、「川沿いに散歩するのが楽しい」と
あの笑顔で仰っていた。
いつだったか帰り道の中央線で偶然お会いしたとき嬉しくて「先生」と
そばにくっついて座ったら「ちょうど今日、きみから頂いたネクタイピンしてる」と
見せてくれた。あれから何年経ったのだろう。

先日、図書館で津村節子さんの「紅梅」を立ち読みした。
同じ作家仲間のご主人だった吉村昭氏と先生は親しい間柄とお聞きしていたが
「紅梅」(吉村氏の闘病記)にも先生らしき人物が頻繁に登場する。
ほかに借りる本があったのでこれは次回、と棚に戻してきた。
思えばその頃、先生は遠くへ旅立とうとされていたのだ。

お通夜は明日。
文学関係者の方々きっとたくさんみえるのだろう。
ちょっと気後れするけどさいごのおわかれにいこうと思う。
ありがとうございました、とこころをこめて伝えてこよう。

眠いときは眠ろう

2013年08月14日 | Weblog
先日の雷雨は凄まじかった。
イナビカリ、轟音、どしゃぶりの雨音が同時で、
自宅にいたけど怖かった。停電もした。
その一時間前くらい前、久しぶりにひどい頭痛がきて、
ロキソニンが効かず、引き出しからトリプタン製剤を探し出して
短時間だがとにかく眠った。
あの大気の不安定が要因だったとあとからわかる。

翌日は元気になったつもりで朝から動き回り、
ふと落ち着いた夕方近く昨日と同じようなガンガンの頭痛が、
とつぜんにやってきた。
トリプタンはしばらく必要なかったので最後の一錠である。
念のため医院に電話してみたら案の定お盆休み中。

そして今日、まだどこか頭が重い。
ガンガンがこわいのでロキソニンを飲んでから出勤する。
この頃服用していなかった予防薬も昨夜のんだせいか、
バスに乗ったとたんに目を開けていられないくらいぼわぼわの眠気が
おそってきた。
でもどうにかバスから電車に乗り継ぎふらふらと職場へ。
職場にはクーラーがない。
あたまがいつにもましてボンヤリしているのでミスをしないように
今日は外の作業を中心にしてお昼までの仕事終了。

わたしは早起きが苦手で夜更かしが大好き。
仕事を始めたときにこの生活パターンを徐々に修正して朝から活動できるように
夜はいつまでも起きてないで昼間は眠くても昼寝はしないようにしてきた。

だけど何しろこの猛暑。夜も何度も起きる。苦手な夏。コワイ頭痛。
というので、今日はお昼寝しました。くうくう
そうだ、夜寝られないのだからひる寝ればよいのです。

ガンガンは今日はセーフ。よかった。

夕方、朝日新聞記者さんから電話があった。
先日「認知症の家族と共に」の記事を読んだ感想文を書いて送っておいたのだが
それについて取材させてください、とのことだった。
はい、いいですよ、と母の笑顔を思い出しながら答えた。

いきなりみょうが

2013年08月10日 | Weblog
先日の夕刻近く、とろとろチャリを走らせていたら、
おばあさんに呼び止められた。
なんかそんな感じがした。
このところおばあさんをほんのすこしお手伝いする機会があったので
二度あることは三度あるのである。
「あの、すみません」と呼び止められたのでキイィとチャリを止めて
近づいた。
近寄ると「これ、どうぞ貰ってください」と差し出された手のひらに
何かがあって一瞬ひるむ。
なんだろ、と顔を寄せるとミョウガだった。
うちで作ったのでちょっとだけ、良かったら、との事だったので、
そうですか、ありがとうございます、ミョウガ好きです、と頂いた。
庭で収穫してサッと洗ったようですこし濡れてる野性的なミョウガ5個。
おばあさんの手から頂戴してバッグに入れて帰ってきた。

毎日暑くてヘロヘロである。
こういう日、火を使う台所仕事は手を抜きたい。(いつも抜いてるけど殊更に)
でもたんぱく質も野菜もしっかり食べようと思う。
カンタンにするなら市販のから揚げを買ってくる。
野菜、にんじん、玉ねぎ、レタス、キュウリ、ピーマンなど好きなのを千切りにする。
生姜、大葉、そしてここでミョウガ!も千切りにする。
あっさりタイプの和風ドレッシングで野菜を混ぜて、
半分位に切ってトースターでカリカリに温めたから揚げをここにじゅっと投入する。
そう、カンタンマリネ。すこしつけておいてから食卓へ。
生姜と大葉と茗荷のトリオが活躍する。夏はこの薬味の香りで食欲を甦らせる。

ネコ・マジック

2013年08月08日 | Weblog
先日、長女と渋谷「ヒカリエ」で待ち合わせて
岩合光昭さんの写真展をみてきた。

この新しい写真集はいま手元にあり、何度も眺めては癒されている。
だから本の中ですでに会っている猫たちばかりなのだが、
あまりにもかわいくて、何度でも見たい。
時間を忘れる。
わたしたちはそのあと人に会う約束があり時計を気にしつつ会場を回り、
猫グッズが大量に販売されているところへと進んだ。
あれもこれもなにもかも猫!あれもこれも欲しい。
とりあえず岩合写真のミニポスターや絵はがきを選ぶ。

さあ、あとはいろんな店のいろんな猫たちだ。
雑貨や洋服や文具から何から何まで。こりゃ迷うわね、と娘と顔を見合わせる。
なかでふと目に付いたのがこれ、小さなストラップ「うとうとねこ」と書いてある。
わたしたちはこれが気に入ったので、それぞれ毛並みの模様を選んで決めた。
わたしは次女のぶんも買った。

そして次の日だ。わたしはオドロキの事実を知る。
この小さなストラップ、一個が1785円!
どうりで品数を買ってないのに合計金額が高いと思った。
いそいでいたので確認しなかったのだ。
娘にメールしたら「あれ、ホントだ!」とビックリ。
たくさんの猫、ねこ、ネコに囲まれていつの間にか「ネコ・マジック」にかかっていたみたい。

そうしてあらためて見てみるとこの仔、うとうとしているはずなんだが、
申し訳なくうつむいているようにも見える。

まあ、可愛いからいい。
わたしと娘たちのところに仔猫の三兄弟がいる、と思うことにしよう。

月曜日の寝坊

2013年08月05日 | Weblog
ちょっとまだ早いけど、もう起きようかな、くらいの気持ちだったのだ。
さすがに土日ゆったりしたので睡眠が足りていて機嫌よく起きられたつもりだった。
いつもよりすこし早いと思うので夕食の献立まで考えつつ台所にいた。
ふと、隣家から掃除機の音らしきものが、、、、。
お隣の奥さんはわたしの100倍位の働き者で家事能力はすごいと思う。
こんなに早くから掃除機かあ、さすがだね、だってまだ6時半でしょ?と
柱時計を見上げる。ん?と二度見してビックリした。
一時間間違えている。
寝坊したのか!?と気がついた

バスに乗るまであと二十分しかない

急いで外出する時の必須は、朝食でもゴミ捨てでもない。
「日焼け止め」である。とわたしは瞬時に判断して食べようとしていたおかずに
ラップをかけ、トーストのいい匂いに負けて一口だけかじり、
慌てて歯を磨き顔を洗って着替えて、こういう時のために買っておいた(?)BBクリームに
日焼け止めクリームを混ぜてとにかく化粧をした。
外にいることも多い仕事なので首筋や腕にも日焼け止めスプレー。

さいごに明るい洗面所に行って「白塗りオバケ」になってないかどうかチェックして
三分前に準備完了。やればできるもんだと自分をほめて(ちょっと違う)
お腹がすいたときにちょこっと食べられるようにクッキーもバッグに入れた。

何しろバスは一時間に二本しかない。
毎朝乗る人たちとは顔なじみになった。
「おはようございま~す」とバタバタ出てきたことなど微塵も見せずに、
余裕あるみたいな顔で挨拶してる。
また月曜日が始まった。

風の通り道

2013年08月04日 | Weblog
台所の入り口のところでふと立ち止まる。
風が通り抜ける。
リビングのベランダから階段踊り場の窓へ。
とても気持ちの良い風が過ぎていった。
そうだ、駿はこの場所が好きだった。
階段をあがってすぐの台所の戸のレールの上。
いつもここにいた。
ここにいるとほぼ家の真ん中なので家人の動向がわかる。
そして風にふかれていたんだね。
せかせかとリビングにクーラーを入れたいわたしは
この戸を閉めたいからいつもしゃがんで猫と話していた。
「ねえ、駿、出入り口に陣取ってると戸が閉められない、どいて?」
駿はいくぶん目を細めてわたしを見、尻尾をゆらして返事のかわりにした。
きっと「しょうがないなー、マッタク」と思っていたんだろう。

そしてクーラーをかけた部屋の内側にいれてもあっと言う間に退散した。
冷房がキライだったのだ。
それでもわたしたちは隙を見てはクーラーをいれ、
気がつくと駿は玄関のたたきで寝ていたりした。
冷房をいれても暖房をいれても、台所とリビングの出入り口の戸を
ピッタリ閉めることはなかった。
駿が入ってこられるように、いつも「猫の手が入るくらい」隙間を残していた。
部屋で見ていると隙間に猫の手が入り戸が開いて駿が餌を食べにくる。
「開けたら閉めなさい」といってももちろんムダだった。
この隙間の習慣はずいぶん長いこと残っていた。

フライド・グリーン・トマト

2013年08月03日 | Weblog
自分時間が出現したので、映画をレンタルしてる、ということを前に書いた。
仕事に出るようになってレンタル屋さんの前を通るので、
ほぼ毎週寄っている。
何しろ旧作なら百円。

わたしは名作、といわれる作品も観てないものが多いので「旧作100円」でOK。
何故こんなにも知らないのかとふり返るとやはり病気の子もいたし多忙だった。
でもそれでも映画が好きならもっとどうにかして観ていたかもしれない。
やはりそのあたりのアンテナがぼんやりしていたんだろう。
そしていま取り返してる。

つい最近の話題作や気になった作品ももちろん観たい。
それは値段を見ながら検討する。
あとは友達、知り合い、子どもたちからの「おすすめ情報」と、
いくつか観ているうちに関心のあるテーマやいいなと思う俳優があらわれる。

そして先日お店に行って候補をいくつか考えていたうちの
ジャック・ニコルソンの「さらば冬のかもめ」はすぐに見つかったが、
あとは何故かどれもレンタル中でさて困った。
ぐるぐる歩いて疲れ始めたとき目に入ったのがこれ「フライド・グリーン・トマト」。
そうだ、これはいつだったか風待文庫で友達に薦められた映画だった。

休みの今日、ひとり映画鑑賞会。片手にはコーヒーゼリーにアイスを混ぜたデザート。
男の子みたいに元気な少女がカッコイイ女性に成長していく物語。
話は老人ホームにいるおばあちゃんの思い出話として語られていく。
聞くのはたっぷり太った中年の主婦。夫にも自分にも嫌気がさし始めている。
「若くもないし年寄りでもない」と嘆く彼女は、
ホームで話を聞くうちにだんだんと変わっていく。

登場する女性たちがみな素晴らしく、ひきこまれて観た。
薦めてくれた友人に感謝。
そういえばいつも行く美容室のスタッフ女性とも映画の話になり、
オススメ作品をメモしてくれた。
みんなほんとうによく知っている、と暢気なわたしは有り難く情報を頂く。
このブログを読んで下さっているみなさま。
これがいいかも、、、!という映画がありましたらぜひ、お願いします。