東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

【Q&A】 息子名義で借地上建物の建替え

2011年05月25日 | 増改築・改修・修繕(借地)

【問】 私が借地している土地上の建物を息子がローンを借りて建替えることにしました。地主との関係や税金はどうなるのでしょうか。


【答】 息子といえども土地の賃貸借契約上は第三者になりますから、地主との関係では息子さんはあなたから借地権の譲渡を受けるか又貸し(転貸)を受けるかすることになります。いずれの場合も、あらかじめ地主の承諾を得なければなりません(民法612条1項)。

 また、建物を建替えるわけですから、もしあなたと地主との間の借地契約に増改築禁止の特約があれば、やはりこの点についても地主の承諾が必要となります。特約がなければ、自由に改築できるわけですから、借地権の譲渡又は転貸の承諾さえ得ておけば問題はないことになります。

 したがって、まずあなたとしては地主と交渉して、あらかじめ地主の承諾を得るよう努めることが大切です。その際一定の承諾料を要求されるのが普通でしょう。金額は双方の話し合いで決めるべきもので、法律でいくらと規定されているわけではありません。

 地主の承諾が得られないか、金額で話がつかない場合は、承諾に代わる許可を裁判所に求めることができます。その場合、増改築禁止の特約があるときは、借地権譲渡又は転貸許可の申立(借地借家法19条)と増改築許可の申立(借地借家法17条)を併合して申立てることになります。増改築禁止特約がない場合は、借地権譲渡又は転貸許可の申立だけをすることになります。

 地主との関係では、地主の承諾ないし地主の承諾に代わる裁判所の許可を得ないで、勝手に借地権(つまり借地上の建物)をたとえ息子といえども第三者に譲渡又は転貸しますと地主から借地契約を解除される恐れがあります。

 次に税金ですが、通常の個人間の借地権の無償の譲渡、転貸については、普通、贈与税が課税されます。しかし親から子が、その土地を使用貸借によって借受け、その土地に建物を建築した場合には、特例として贈与税はかからないことになっています。

 その場合、その貸借が使用貸借であることを確認するため、「借地権の使用貸借に関する確認書」(様式が決められています)によって、使用貸借による借受者、借地権者、土地所有者がそれぞれ事実を確認し、税務署に提出することになっています。

 

東借連常任弁護団解説

Q&A あなたの借地借家法

(東京借地借家人組合連合会編)より

 

東京・台東借地借家人組合

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