東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

「法定更新」 (東京・台東)

2005年09月30日 | 契約・更新・特約

   借家相談事例(更新料・家賃の値上げ要求・建物明渡し)

 組合員の借家相談事例(更新料・家賃の値上げ要求・建物明渡し等)の殆どは、「法定更新」で対応できる。
 ①期間満了の1年前~6ヶ月前までの法定通知期間に、当事者双方から何らの更新拒絶の申出がない場合には、前の契約と同一条件で借家契約は継続する。更新拒絶の申出が法定通知期間内になされていない場合は、満了の6ヶ月前に法定更新される事が決定され、家主は反証を挙げて更新を否定することは出来ない。

  これが借地借家法26条1項(旧借家法2条1項)による法定更新である。家主または不動産業者は通常、契約満了の2~3ヶ月前に契約の更新の通知をして来る。だが、この時点で期間満了の1年前~6ヶ月前までの法定通知期間の条件を充たしていない。従って借家契約は法定更新される。

 ②仮に、家主が法定通知期間内に更新拒絶の通知をした場合でも、借家人が期間満了後も借用を継続しているのに家主が遅滞なく異議を述べないと①同様、法定更新される。

 ③家主が遅滞なく異議を述べても、更新拒絶に対する正当事由を裁判所が認定しなければ、契約は法定更新される。 更新料の支払い請求に対しては、契約が法定更新されてしまえば、更新料の支払いを拒否すればいい。

 家賃の値上げ要求に対しては、既に契約が更新されているので家賃の値上げ要求は拒否して従来の家賃を支払えばいい。家主が家賃の受領を拒否したら供託すればいい。調停・裁判で適正家賃(*)が決まるまで供託を続けていればいい。家賃の増額請求の消滅時効は5年である。5年以上の差額家賃の請求はない。

 建物明渡し請求に対しては、組合の顧問弁護士を頼んで明渡し裁判で徹底的に争えば結果が出るまで地方裁判所で4~5年は掛かる。高等裁判所まで争えば明渡し裁判をやた目的はほぼ達成したも同然である。

 (*)借地借家法 第32条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

 2 建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。

 

東京・台東借地借家人組合

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