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自然損耗回復費用は
借主の負担という特約は
消費者契約法で無効になる
(問) 契約書に「賃借人は故意・過失を問わず、本物件に毀損・汚損・その他の損害を与えた場合は、賃貸人に対して損害賠償をしなければならない」旨の特約条項がある場合、自然損耗の回復費用も借主が負担しなければならないのか。
(答) 判例によっては特約を結んだ場合、自然損耗分も借主負担とされるものがある。それは、次の要件を満たしている場合である。
①特約の必要性があり、且つ暴利的でないなどの客観的合理性が存在すること
②借主が修繕等の義務を負担することを認識していること
③借主が義務負担の意思表示をしていること、
以上の条件が満たされない場合は貸主負担となる。
例えば、賠償特約に対して借主の「帰責事由の有無を問わずに賠償責任を負うべき旨を定めたものであるならば、その限度で賠償特約の効力は否定されるべきである」(名古屋地方裁判所1990年10月19日判決)として特約自体が無効であるとしている。
判例の多くは、通常使用によって生ずる損耗や経年変化による損耗等の自然損耗を損害賠償の範囲から除外し、特約があっても自然損耗の回復費用は貸主が負担する義務があるとされている。
2003年6月30日大阪地裁では、自然損耗の回復費用を借主に負担させる特約を公序良俗違反で無効であるという画期的な判決があった。
更に2003年11月21日大阪高裁で兵庫県住宅供給公社に対して自然損耗費用を借主負担させる特約は無効として回復費用の全額返還を命ずる判決があった。
相談者の契約が2001年4月1日以降のものであれば、消費者契約法10条で賠償特約は無効になり貸主の全額負担になる。消費者契約法10条では次のように書かれている。「民法第1条第2条に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」
民法606条1項は貸主の修繕義務を定め、通常の使用による自然損耗は貸主の負担とするのが民法上の基本原則である。特約で自然損耗を借主の費用負担にすることは民法の原則に反して消費者である借主の義務を加重する条項である。
借主に一方的に不利益な特約で、明らかに消費者契約法10条に違反し無効である。従って貸主が自然損耗の回復費用の名目で敷金から差引くことは許されない。
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