At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Latin Drumming / Hideo Shiraki Quintet

2007-06-24 | Hard Bop & Modal
少し久しぶりに和ジャズを紹介。Thinkからの紙ジャケ再発でこのところ話題になっている2作のうちの1枚です。オリジナルは東芝から1959年にリリースされているそうですが、普通に生活している限り出会うことはまずないでしょう。それくらい文句なしの激レア盤です。僕も今回のCD化で初めて内容を聴きました。さて、そんな本作ですが、ただレアなだけではなく、肝心の内容がまた非常に素晴らしく驚かされます。マニア垂涎のPlays Bossa Nova(これも熱烈に復刻希望)には残念ながら及ばないものの、彼の数ある作品群の中でも3本の指には入る出来ではないでしょうか。強烈なラテン・ブレイクで始まるM-1のSiboneyがまず素敵。フロア即対応のアフロキューバン・バップに仕上がっています。凄くインパクトのある曲なので、DJプレイの1曲目にかけて周囲の雰囲気をガラっと変えるのに最適。そして何と言っても圧巻なのはM-4に収録されたTropic Night(南国の夜)でしょう。冒頭ゆったりめに始まるイントロから一転、白木のブレイクから曲は一気にテンポを2倍に上げ高速ハードバップへ。正直、これでテンション上がらなかったら嘘でしょう。松本→世良→福原→白木と続く各ソロも完璧。文字通り問答無用のキラー・チューンに仕上がっています。その他の収録曲もフロア向きでこそないものの、M-7のBegin The Beguine辺りを筆頭に、いずれも素晴らしいハードバップの傑作揃い。特に松本のテナーが大きくフィーチャーされたM-6のThe Breeze And I(そよ風と私)などは、これからの蒸し暑い季節の夜のBGMにも良いのではないでしょうか。アナログでも復刻された例の「祭りの幻想」や、これまでのThinkレーベル再発の諸作はそれほど好きにはなれませんでしたが、この作品は個人的にそれらとは別格。これで後はPlays Bossa Novaさえ復刻して貰えれば、もう何も文句はないのですが…。
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Club Date / Yusef Lateef

2007-06-24 | Hard Bop & Modal
米Impulse傍系ABCレーベルより、76年にリリースされたYusef Lateefの実況録音盤。最も録音自体は64年と、リリース時期よりも10年以上前のものなので、そう言った意味では60年代のレコードと言ってしまって良いかもしれませんね。位置づけ的には同じくImpulseからリリースされたLive At Pep'sの続編に当たるのかな。ちなみに本作も同じく、フィラデルフィア州のPep's Loungeで録音されています。既に何度も書いているように、フリーと言うかあまりにスピリチュアル過ぎるプレイが傷で、万人にはオススメし難い彼の作品ですが、本作はスタジオではなく実況録音と言うこともあり、内容的に非常にオーソドックスであるため、スピリチュアルが苦手な普通の人でもわりと聴き易いはず。フュラーのブルーノート盤でのプレイでも有名なA-1のOscalypsoはオスカー・ペティフォード作。トランペットを務めるリチャード・ウィリアムスとの2管でグイグイやってます。フュラーのプレイと比べてよりグルーヴィーな仕上がりとなっているので、もしかするとフロアーで使いやすいのはこちらの方かもしれません。B-2のP-BoukはシハブのOm Mani Padme Humにも通じる高速バップ・ナンバー。こういう雰囲気が好きな方も多いのではないでしょうか。例のスパルタクスと同じくオーボエを演奏するB-1のBrother Johnはワルツ・タイムのモーダル・ジャズ。どこか異国情緒の漂う、「らしい」アラビアンな曲調が見事です。冒頭の一瞬だけ気持ちの悪い不協和音が鳴りますが、そこだけ目を瞑ったら後は非常に耳障りの良いナンバー。たしか以前にどこかでも紹介されていましたね。個人的に好きなのはA-3のRogi。特に目新しいことをやっているわけではなく、曲自体は普通にスウィンギンなバップ(ただし内容は結構良い)なのですが、ラティーフがこれを演奏していることにまず驚きです。ただのイロモノではなく、オーソドックスなことをやらせてもなかなか良い感じ。彼の作品群の中では全体的に非常に聴きやすいので、初心者の方にもオススメ。何気にクラブ筋から人気盤なのか、あまり見かけることはないですが…。
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