数年前から一部マニアの間で話題のカレッジものコンピレーション。カリフォルニアにあるゴールデン・ウェスト・カレッジが製作した一連のシリーズのうち、1978年にリリースされた記念すべき一作目です。以前からその存在は知っていたものの、そのレアリティーゆえ実物を手にするには至らなかったのですが、先日ふとしたきっかけで某海外サイトで販売されていることを発見。運よくオークションではなかったので、見つけた瞬間にカートへ入れることで無事、購入することが出来ました。さて本作、主役はもちろん学生たちですが、実際のところアルバム製作の中心となったのはおそらく、本学コマーシャル・ミュージック・プログラムの教職員であるDave Anthony(デイヴ・アンソニー)とGerry Schroeder(ゲリー・シュローダー)。ジャケット裏のライナーを読む限り、この二人はどうやら商用音楽というものをかなり真剣に分析/研究していたようで、その恩恵に預かる形で各収録曲はとてもカレッジもの(=素人の自主製作)とは思えぬハイクォリティなものとなっています。特にA面の出来が抜群に良く、収録曲5曲のいずれもが同時代のコンテンポラリー・ハワイアンに通じるローカルAOR~SSW系メロウ・フォークの名曲。サバービア以降のAORリスナーならば、まず間違いなく一発で虜になることでしょう。その中でもとりわけ素晴らしいのは冒頭A-1に収録されたElaine Balkman(エレイン・バルクマン)によるKeyboard Man。爽やかなフルートと軽快な16ビートが気持ちいいアップテンポなフィメール・フリーソウルで、さながら女性版ババドゥとでも言うべきキラー・チューンとなっています。他の曲ももちろん素晴らしいですが、個人的にはこの曲が決め手となり購入を決意しました。このタイトルとジャケットなので見つけるのはなかなかに困難かと思いますが、その甲斐は充分にある作品だと思いますので、マニアの方ならぜひ頑張って気長に探してみてください。
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