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At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Versiliana Samba / Sunaga t Experience

2005-03-18 | Club Music
自身名義では2nd「Double Standard」以来、1年半ぶりとなった須永辰緒さんの新譜。と言っても、もう3ヶ月前のものですが・・・。イタリア人ピアニストRomano Mussoliniのカヴァーということですが、オリジナルは余りに自主制作盤な挙句に激レア盤なので聞いたことありません。そのため比較というものは出来ないですが、このヴァージョンはなかなかカッコよくまとまってるのではないかと思います。程よく今風、程よく昔風のお洒落ハードバップって感じ。テーマ→ピアノ→ギター→サックス→ドラムブレイク→テーマと言った王道ハードバップ的展開。いつもいつも太宰百合さんは本当に良いアレンジしますね。そして個人的にA面のオリジナルより気に入ってるのが裏に入っているThe Five Corners Quintetによるリミックス。二管編成のためオリジナルよりグッと重厚度が増し、一層50年代風味の男気溢れるモーダルな哀愁アフロキューバン・ハードバップに仕上がってます。各ソロパートもカッコいいし文句なしの名演。ちなみにこの盤自体はアナログのみですが、辰緒さんのオリジナルヴァージョンは彼のミックスCDでも聴けます。

Habit / Butti 49

2005-03-17 | Club Music
Snorre SeimとOyvind Jokosbenという2人からなるノルウェーのクラブジャズユニットによる1stアルバム。クレジット見る限りOyvind Jokosbenの方がアーティスト肌、Snorre Seimの方がDJ肌なのかなって何となく思います。D.M.R.の試聴に入ってたB-2、Sun Vs Moonがとにかくピアノが綺麗な絶品アコースティック・ジャズで、特にサビのコーラスの美しさは最近のこの手にしては目を見張るものがあるかと。途中のスキャットやピアノソロも可憐だしね。ただアルバム自体にこのような曲は他にはなく、基本的にはフューチャージャズ以降のブロークンビーツが主。打ち込みだけど心地良いドラムがいい感じにブロークンしてる良い意味でクラブ系のアルバム。21世紀型コズミック・ソウル(by橋本徹:この定義も良く分からないけど・・・)とでも言うのでしょうか?A-2が少しJazzanovaのBoom Klicky Boom Klackチックで好き。ヴォーカルを取るKjetil Ingebretsenなる方の声が甘~くて気に入ってます。しかしD.M.R.でも見事に一瞬で売り切れましたね。再入荷はないのでしょうか?あ、ちなみにCDでもリリースされているようです。しかし最近の北欧クラブジャズは本当に良いユニットたくさんいます。

It's Been To Long / Alyoa

2005-03-17 | Club Music
Deep House以外のいわゆるMajor Houseってあんまり聴かないんですけど、これは試聴しただけで完全にやられた最近の新譜です。どうやらフレンチ・ハウスらしくDaft Punkなんかの流れを見事に踏襲してるお洒落4つ打ち。ヴォーカルの男性がAlyoaなのかな?良く分からないけど、ソウルフルな良い声の持ち主で、メロウでアーバンなトラックと相まって極上のグルーヴ感を生み出すことに成功してます。これぞ現在進行形のフリーソウルと言った感じで、メロディラインが見事に込み上げるんですよ。朝方のフロアにも映えそうなハウス・ミュージック。個人的にはDaft PunkのOne More TimeやDigital Loveよりも好きだったりします。最近リリースされたCosmic VillageのMind Expansions(@Kyoto Jazz Massiveトリビュート)辺りと相性がいいのかな?はっきり言ってリミックスヴァージョンには全然惹かれないのですが、オリジナルは完成度がとてつもなく完成度が高く是非聴いてもらいたい盤です。2005年、最初の特大ヒットと言ったところでしょうか?

Hi Note / Gerardo Frisina

2005-03-16 | Club Music
Nicola Conteの2ndを紹介したら、彼のこのアルバムも紹介しないわけにはいかないでしょう。ニコラと並んでイタリアはSchema Recordsのドン、Gerardo Frisinaによる2003年末の2ndアルバムです。なんとなくお洒落志向のニコラに対して彼はラテン系気質なのだと思っていたのですが、このアルバムを聴いてイメージが豹変しました。もうとにかくお洒落なモダン・クラブ・ジャズの嵐。しかもほぼ全編インスト+生音による真剣勝負。クラブっぽさとジャズっぽさが違和感なく同居してるというのは特筆すべきだと思います。特にアナログのDisc 1に関してはほぼ完璧。Heading For What I KnowはMarco Di MarcoのTake Off(Nicola Conte Version)と相性抜群。同タイプのBluesanovaも程良いクラブ感が気持ちよいジャズボッサ。こちらも辰緒さんがNicola Conteによるリミックス仕事と一緒にMix CDにも収録してます。そして何より好きなのはアルバム唯一のヴォーカル・チューン、B-2のBeyond The Moon。ゆったりめなボッサから一瞬スウィング調になる部分の気持ちよさは他では味わえないワンアンドオンリーの珍しい展開です。Meirelles E Os Copa 5を意識したジャケも秀逸で良し。この年屈指の名盤です。

We Are Povo / Povo

2005-03-16 | Club Music
デンマーク出身の2人組による1stアルバム。BeatfanaticやA Bossa Electoricaを擁するスウェーデンのRaw Fusionレーベルから最近リリースされたもので、D.M.R.と渋谷HMVが猛烈にプッシュしている作品です。でも、D.M.R.で試聴した最初の印象は「正直なところ僕にとっては少し違うかな?」というものでした。試聴機にはA-2のHot Lipsが入ってたのですが、これがレビューにあるようなKoopっぽさもFive Corners Quintetらしさもどちらもない曲で、なんかダウンテンポのジャジーソウルみたいな気がしてしまったんですね。で、これは自分の趣味とは違うと思って一度は購入をやめつつHMVにて別曲を全曲試聴。そのなかでC-1のEyes Cloesdを聴いたときには購入を決めてました。この曲はクラブ的にどうこうということは全くないんですけど、しっとりしたジャズヴォーカルもので個人的にかなりツボな音だったんです。ヴォーカルの女性の声も好き。どことなくQuartetto ModernoヴァージョンのLove Theme From Spartacusを思い出させるモーダルな作品です。このアルバムのマイベスト・トラック。他の曲も決して悪くはないのですが、あまりグっと来るものはなく印象は薄いです。唯一、自分の中で好きだと言えるのはNicola ConteによるD-1、You Are(コレ、ジャケットに書かれてるのと収録順違いますよね?)。自身のアルバム以来久々のリミックス・ワークでしたが、これが2ndの流れをそのまま受け継いだかのような好リミックス。お得意のボッサ・ジャズに2nd以降のモーダルな雰囲気をプラスした感じでいいです。ちょうどThe In Betweenのような感じ。これは僕にとって良い拾いものでした。

The Voyage b/w Into The Sun / Sleep Walker

2005-03-15 | Club Music
もう1曲、新譜(と言っても、もう古いか・・・)から紹介。元Mondo Grossoという肩書きすらもはや必要としなくなったキーボーディスト吉澤はじめらによる国産最強クラブジャズ・ユニット、Sleep Walkersによるアルバム以来の久々の新譜。これがクラブジャズとかを飛び越えた素晴らしい出来の正統派ジャズ。しかもメロディラインが暖かくて、どことなくメロウ。御大Pharoah Thundersを迎え製作したこの曲は、もう泣けてくるような素晴らしき音の洪水。痛々しくも優しいPharoahと中村による2本のサックスは、まるで親と子の対話です。13分にも及ぶ音の一大絵巻が全く苦痛にならない、Ai-No-Kawaを超えたスピリチュアル・ジャズ新世紀と言ったところでしょうか?それくらい素晴らしい大名曲。12インチのリリースのみなのがCD派の方にとっては残念なところ。ちなみにb/wのInto The Sunも負けじと素晴らしい曲で、こちらはヴォーカルをフィーチャーしてます。A面に負けじと長いけど、クラブではどちらかというとこちらの方が使いやすいかと・・・。よりバピッシュな感じです。アナログが完全に市場からなくなる前に買って起きましょう。

Buttercup b/w 1974 / Jukka Eskola

2005-03-15 | Club Music
少し雰囲気が違うけどメロウ繋がりで最近の新譜から。The Five Corners Quintetを擁するフィンランドのRicky-Tickから届いたホーン奏者Jukka Eskolaのデビュー12インチ。ちなみに彼自身TFCQの一員でもあるんだけれど、ここで見せる演奏はTFCQとは一味違ったもの。モロにハードバップなTFCQに比べて、このソロ音源はどことなくメロウで暖かい。その原因はおそらくエレピの使用にあるのではないかと僕は睨んでるんだけどどうでしょう・・・?とにかくバピッシュ+クラブジャズな演奏の中に、ほのかに暖かさというかメロウさが隠れているのがこの12インチの特徴と言えると思います。このメロウさが僕は気に入ってて、母体TFCQの曲よりも最近はこちらの方がヘビーローテーションになりつつあります。A面B面ともに佳曲なのですが、特に気に入っているのはA面に収録されているButtercup。完全に主観なんですけど、なんとなくA面の方がよりメロウかなぁって思ってます。完全に夜向けのアダルトなクラブジャズですが、気持ちよさならばその辺のレアなだけの旧譜より上じゃないでしょうか?アルバムが楽しみなアーティストの一人です。