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At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

戦争は終わった / 夏木マリ

2005-03-16 | Contemporary Jazz
正直なところピチカートファイブ解散以後の小西さんの外仕事は僕の趣味とは少し合わない。完全に主観だけれど僕にとってはどの曲も少し派手過ぎるんだよね。でも、夏木マリさんとのコラボレーションだけは個人的に別格。前作であるパロールもあいさとう作「ローマを見てから、死ね」を初め名曲揃いで聴きまくりましたが、本日リリースされたこちらの新譜も前作の流れを完全に踏襲した大名盤。同じくあいさとうのペンによるらしいA-3、「きれいな顔の女」のカッコ良さと言ったら唯一無二です。こんな曲を歌ってバシっとキマるのは夏木マリ姐さんだけ。クラブでかけても盛り上がりそうなアッパーな中に毒を含んだジャズ・ヴォーカルです。B-4、「私には子どもがいない」やこの盤のみ収録のA-6、「戀」はボッサ調でカッコいいし、ピチカートファイブのカヴァーとなる「戦争は終わった」はオリジナルを遥かに凌駕する秀逸な出来。ストリングスのアレンジがピチカートを思わせつつも、やっぱりどこかモノクロームな色彩で完全に夏木マリの唄として昇華されています。毎回そうだけど小西×夏木のコンビのアルバムを通して聴くと本当に映画を一本見終わったかのような印象を受けるんですよね。そのくらい情景が目の前に浮かびやすい曲というか、もうこのコンビは最高です。一人で夜中に聞きたい音楽。ちなみにアナログ盤のジャケ、先日リリースされたCDとは違うものなのですが、僕は圧倒的にこちらのモノクローム・ジャケットが好きです。部屋に飾りたい感じ。

Standards~土岐麻子ジャズを歌う~ / 土岐麻子

2005-03-16 | Contemporary Jazz
My Favorite Things繋がりで去年リリースされたこのアルバムも紹介。Cymbalsの活動後期から見え隠れしていた土岐麻子のジャズ志向がソロになって一気に開花したようです。実の父でもあるサックス奏者、土岐英史氏とタッグを組んだクインテット+ヴォーカルという編成によるこのアルバムは本当に良いです。ビッグバンドのLove Things/Cymabalsも好きだったけど、より「At The Living Room」的という点ではこの盤に軍配。というか収録曲のA-2のSeptemberが奇跡的な出来。誰でも知ってるEarth, Wind & Fireのカヴァーなのですが、これがラウンジ的なアレンジというかエレピを使用したまったりフリーソウル的ナンバーで、とにかく落ち着く音なのです。まさに「At The Living Room」な音とでも言いましょうか?家で紅茶を飲みながら聴きたい曲No.1です。これ以外の他の曲もほとんどがソフトなタッチで展開されるラウンジーなナンバーばかりでオススメの一枚。Frank Kunimond Trioによるヴァージョンが有名なFeelin' Goodも収録曲中唯一高速のハードバップ的な展開でカッコいいです。これもCD、LP共に所有の一枚。土岐麻子の声もいい感じに甘酸っぱくて可愛らしいです。この手のヴォーカルは日本人特有というか、変にソウルフルじゃなくて女の子っぽいので好きだったりします。ピチカートファイブの野宮真貴に少しタッチが近いかな?

Just In Time / Svante Thuresson

2005-03-15 | Contemporary Jazz
2枚新譜だったので今度は旧譜。一時期に比べて値段が下がってきたとは言え未だにそこそこ高価な上にレアなので探すのは容易ではないかもしれませんが、大好きなので紹介せずにはいられないオルガンバー・クラシックスです。スウェーデンのジャズ・ヴォーカリスト、Svante Thuressonによる83年の全曲カヴァーアルバム。録音はストックホルムなのに何故かリリースはドイツのレーベルから。一番人気は言うまでもなくA-3のBird Of Beautyですが、それ以外にも本当に全編素晴らしいジャズ・ヴォーカル。フィーチャーされてるサックスがまた良い感じに働いてます。Elton JohnのGood Bye Yellow Brick RoadやStevie WonderのRocket Loveもクラブで人気が高いです。でも個人的にプッシュしたいのはA-5のOn A Clear Day。ペドラーズのヴァージョンがとにかく有名ですが、このLPで聴ける同曲は全然異なるアレンジで、イントロの哀愁サックスから既にやられるスウィンギン・ナンバー。中盤に入るスキャットもまたいい感じ。晴れた日の昼間だけじゃなく、夜に聴いても心地よい極上のカヴァーです。John LennonのWomanやImagineのカヴァーも地味ながら洗練されててカッコいい。絶対に聴いて欲しいアルバムの一つです。