え、またですか?・・・って、前回と状況が一変したから、それもアリってことか・・・?
2014年9月の住民投票で、英国への残留を決めたばかりのスコットランド。彼の地が再び、英国からの独立を問う住民投票を行うことになりそうです(?)。スコットランド民族党(SNP)の二コラ・スタージョン党首らがこれを実施するための法案をこのほど作成しました。現時点では2018年の秋から2019年の春にかけて2回目の住民投票を実施する予定のようです。
前回の投票では結局、過半数を優に超える55%の住民が英国残留を支持し、スコットランドの独立は否決されるかたちになりましたが、そのあたりに大きな影響を与えたのがEUとの関係です。当時、英国は、キャメロン前首相があれこれ難癖をつけながらもEUに留まるスタンスを示していました。そしてEU側からは、欧州委員会議長がそうであったように、英国から独立したスコットランドのEU加盟は困難との見解が聞かれました。であれば、無理に独立した結果、EUとも英国とも特別な関係を築けず、「独りぼっち」になるよりは、英国に残留することでEUや英国とこれまでと同じ関係を維持したほうがマシ(?)だろう、と多くの住民が判断したのはもっともなところです。
・・・ところがそんな前提―――英国がEUメンバーであり続けること―――が崩れてしまいました。ご存知「Brexit」―――昨年6月に英国で実施されたEU残留の是非を問う国民投票の結果、大方の予想を覆して英国のEUからの脱退が決定されてしまったわけです・・・
これはEU残留支持者とりわけスコットランドの同支持者にとっては衝撃だったことでしょう。というのは上記のとおり、スコットランドではEUとの連帯を維持したいと考える住民が多数を占めていたし、実際に同国民投票では62%の住民がEU残留に投票していたからです。Brexitによって、6割以上のスコットランド人が望んでいたEUとの関係が失われることになる・・・となれば、EUとの別離を決めた英国と一緒にいる必要はなく、自分たちの意志でEUとのつながりを構築・決定できるようになるべきだ・・・で、英国から独立しよう!その意思を確認するための住民投票を再実施しよう!といった声が上がるのは自然なことかもしれません。
これに加えて今般、スコットランド住民の多くに英国とは離れた方がよさそうだ、と感じさせる出来事がもう一つ。それは・・・Brexit決定から9か月後のいままで続く英ポンド安だと考えています。