(前回からの続き)
先述のように現在、米FRBの今月FOMC以降の金融緩和(利下げ)を先取りして(?)上昇している金(ゴールド)価格ですが、おそらくFF金利(政策金利:現在は2.25~2.50%の誘導レンジ)がゼロに引き下げられるまでに史上最高値(2011年9月、1トロイオンス当たり1923ドル)を越えて2000ドル台に乗るだろう、と予想しています。当然ながらFRBは、ゼロのラインで立ち止まれるはずはなく、QE4(量的緩和策第4弾)に突っ込んでいくことになる(?)わけですが、となれば金は・・・
このあたりこそ、こちらの記事に書いた「This time is different.(今回は違う)」の真意だといえるでしょう。つまり、これまでは―――遅くとも前回のQE3くらいまでは―――金価格の上昇が何とか収まっていたが(っても、たまたま?)、今回のQE4はそうはいかず、その垂直上昇エンジンに点火!となってしまう・・・って、要するにドルの減価=インフレに歯止めがかからなくなる、ということです。よっていまFRBは、次回のFOMCで上記第一歩を踏み出すかどうかの決断を迫られることになります・・・が、これまた前述した理由から、遅かれ早かれFRBは、金ロケットの飛翔を地盤沈下し続けるドルの目線から空しく見上げることになるでしょう・・・(?)
ということでFRBには、金価格上昇の抑制、すなわちドル信認の維持がどうやらできそうにありません・・・が、じつはたった一つだけ、生き永らえる道が残されています。それは・・・何と!?日本・・・の日銀に助けてもらうという手。こちらの記事で書いたように、日銀こそはアメリカの長期金利を自由自在に操れるほどの世界最強の中銀(つまり、ドルを含むすべての国々の通貨よりも強い円の発行銀行)だから①ドルの価値下落を防ぐこと、そして②金価格の上昇を防ぐこと、のいずれについても可能です(?)。ここで①については本ブログではしばしば書いているところなので省略します。
で、非常に重大なのは②です。つまり・・・ここから先は勝手な想像ですが、日銀(と日本政府)は、金価格の上昇防止オペみたいなこともひそかにやっているのではないでしょうか。で、その手口と狙いは、当然ながら、売却することで金の値段を引き下げる!となりますが、さすがの日銀でも現物売りを続けることはできないから、ここでは金・・・の先物市場を利用するのではないか。つまりドルを買って金の先物を売れば、金の騰勢は収まり、やがて下がっていき、結果としてドルの価値は支持される、といった感じです・・・
繰り返しますが、上記は根拠のない妄想に近いものです・・・が、そのような事実はない、と完全否定することもできないような気もします。というのは、ドル円レートと金価格の関係にはお決まりのパターン―――金価格(ドル建て)が上がるときは、ほぼ例外なく円高ドル安となり、下落の時は必ずと言ってもよいほど円安ドル高になる(ついでに日経平均も、そう?)―――があり、このあまりのブレのなさを説明するには、通常の金の売買では理由がつかない、要するに誰かが上記のような操作をしているに違いなく(?)、そんな芸当ができる力量があるのは・・・と勘繰った、という次第です・・・
では、かりにこれがホントだとして、なぜ日銀はそんなミョ~なことをやるのか?べつに日銀(日本)は金価格の動向にそれほどの影響は受けません(っても日銀がバランスシートを健全に保てば、という条件付きですが)。にもかかわらず日銀が必死に金価格を下げようとするのは・・・これが上昇してしまうと困る・・・どころか国家存亡の危機に陥ってしまうアメリカ・・・の通貨ドルの威信を守るため、なのでしょうね・・・?