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金価格で測った各通貨(各中央銀行)のパフォーマンス①

2012-08-17 00:02:02 | 金(ゴールド)

 かつて日銀の高官が、とある国際会議の席上で、金価格は中央銀行の通信簿のようなもの、というような趣旨のスピーチをしたことがあるそうです。「中央銀行が節度ある金融政策を行っていれば、国民は自国通貨を信頼し、無国籍通貨としての金(ゴールド)を買おうとはしない。ところが昨今は世界的に金価格が高騰している。これは各国通貨に対する信認の低下、つまり各中央銀行の通信簿の評価が芳しくないことを示すもの。そのことを肝に銘じておきたい」といったことのようです。

 アメリカのQE(量的緩和)やツイストオペ、ヨーロッパのLTRO(長期資金供給オペ)やPIIGS諸国の国債買い入れ、そして日銀の2月以降の金融緩和策などに代表されるように、新興国の利下げなどを含め、いま、世界中の中央銀行が量的緩和をベースとした金融政策を展開しています。

 これまでも書いてきたように、この金融政策の本質はマネーのバラマキ。つまりは同政策の重大な副作用として、単位あたりのお金の実質価値の低下とインフレがもたらされることとなります。巨額の債務返済の負担にあえぐ欧米大企業、そして何よりも国家は、インフレによって借金の実質負担を軽減できるメリットを享受できますが、一般市民にとっては、ほとんどの場合、収入の増加率よりもずっと高い上昇率となる物価高に生活を脅かされることになります。

 このような金融緩和を通じたインフレ政策で通貨に対する信頼が下がり、その裏返しとして、有史以来の世界共通通貨である金(ゴールド)の価格が上昇を続けています。その意味では、冒頭の表現どおり、まさに金価格は各中央銀行の金融節度の度合いを反映する評価基準となり得るといえるでしょう。

 その評価がどのように推移してきているのか、について、次回以降、今般の世界金融不安のきっかけとなった米サブプライム問題の顕在化(2007年夏~)以降の主要通貨の金価格に対する変動の様子を辿りながら、金価格を評価のベースにした各主要通貨(各主要中央銀行)の通信簿の「成績」を見ていくことにしたいと思います。

(続く)

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