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【国民が保有する金は潜在的な国家の金準備になり得る】中国人の金買いが教えてくれること②

2021-06-21 00:01:28 | 金(ゴールド)
前回からの続き)

 前回ご紹介のとおり、中国では人々の買いがコロナ禍前とほぼ同じ水準にまで復活しているわけですが、これ同国にとっては先述のようなネガティブな面はあるものの、他方でこれによって中国国内の金が増えていくという面はポジティブに考えられるでしょう。何といっても金は「不変かつ普遍的な価値を持つ通貨」(東方新報)であり、それは中国の国民にとってはもちろん、中国当局(共産党権力層)にとってもそうですからね・・・

 ご存じのように、そして本ブログでも何度か書いたとおり、中国は国家として金の保有量を(いまでも)増やし続けていると推測されます。同国の金準備は現時点(4月末)で2千トンあまりと国別ランキングでは6番目で世界一のアメリカ(約8千トン)の1/4程度に過ぎません・・・が、個人的には、それはあくまでも公表値に過ぎず、中国は実際にはもっとずっと多くの金を保有しているものと考えています。というのも同国は、2007年以降は世界最大の金産出国(2020年は380トン)であり続けているし、金の消費も旺盛であり、そして上記のように中国人には有史以来の(?)金への絶対的な信頼があるわけで、そうしたところからすれば、中国当局が金をもっと確保しよう・・・って、アメリカ以上の保有を目指そう、と欲するのは、まあ当然だろう、と思えるためです。

 そんなところに国民もまたこうして金をかき集めているわけですが、きっと中国当局は、イザというときは、国家安保の観点から等の大義名分で、これを国民から召し上げてしまえ!などと考えていることでしょう(?)。そのあたり中国は共産党一党独裁の専制政治の国ですから、そんな政策(不当に安い価格で金を強制的に拠出させる等)の決定と実行なんぞ、あっという間にできるはず(って、同じようなことはアメリカ[のルーズベルト大統領ら]もやっていますけれどね)。そのような意味で、国民の金買いは、これが潜在的な国家の金準備になり得る、という見地からポジティブ、と解釈できると思われます。

 ところで、現在の国際金融・通貨システムのもとで金準備を増強することの最大の意義は、基軸通貨である米ドルそして米国債のリスクヘッジになります。そのあたりは、すでにあちこちで論じられていることだし、本ブログでも何度も指摘しているので詳細は省きますが、いま、その必要性が急速に高まってきました。それは、これまた既述になりますが、アメリカの実質マイナス金利没入のため、になります。つまり・・・すでにドルはもちろん米国債の利回りは、アメリカで売られている「紙おむつ」の利回り、すなわちインフレ率に及ばないところ、ドル&米国債ホルダーは、一刻も早くそれらの価値を他のもっと値持ちのよい資産に移転させないと(その価値はどんどん劣化してしまう)・・・ということです。そこで選択されるべき資産は、とりわけ中国では、(ドル建て「紙おむつ」もいいけれど?)上記の事情等から、やはり金、ということになるのでしょう。

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