Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

誰得のタイ国鉄運行・営業情報

2021-08-30 21:42:00 | 交通
9月1日からの規制緩和で「必要不可欠な場合に限る」とはいえダークレッドゾーンからの県境またぎの移動が解禁されたことで、エアライン、長距離バスの運行が復活するとアナウンスされている中でどうなるか微妙ですが、タイ国鉄が長距離列車の運休に対応して小荷物専用列車の運行を始めました。
各方面の長距離列車のうち南本線は距離が長く、夜間外出禁止令への対応としての日着ができないため、途中のトゥンソン(カンタン支線の分岐駅)までの運行になっているため、旅客のほか荷物輸送にも支障が出ています。

このため8月26日から南本線の終点スンガイコーロックまでの臨時荷物列車の運転を始めています。

運行時刻は、
985レ ファランメ[ン1200→スンガイコーロック1210(翌日)
986レ スンガイコーロック1140→ファランメ[ン1300(翌日)

運転日は、
985レ、8/26,28,30,9/1から29の奇数日
986レ、8/28,30, 9/1から29の奇数日、10/1

となっており、1昼夜かけての運行で、隔日運転。ファランメ[ンを出た編成は翌日にスンガイコーロックに到着し、翌々日にファランメ[ンに向けて出発し、3日後にファランメ[ンに戻ります。そして4日後の運用に就くものと思われます。車両は通勤対応というか、荷物車代用に使われることが多いロングシート改造車が使われる模様です。

ところが運行開始早々、上りの初便となった8月28日発の986レが、スンガイコーロックのあるタイ最南端ナラティワート県内、スンガイコーロックから40㎞程の地点でテロの標的になりました。線路で仕鰍ッ爆弾が爆発し、さらに乗務員が添乗している車両が銃撃されたそうで、腰板に弾痕が残る写真が報道されています。

そのため当面はハジャイースンガイコーロック間の主要都市であるヤラー折り返しでの運行になるようで、それだとヤラー到着後折り返しで986レのスジに乗ることが可能ですが、遅延もあるので単純にヤラーースンガイコーロック間を運休するようです。
上記のようにバンコク首都圏や深南部4県などダークレッドゾーンからの県境またぎの移動規制も緩和されることで、スンガイコーロックなど深南部への旅客列車が復活すればこの臨時荷物列車もお役御免になりそうで、だとすれば986レは全区間運転がないままに終了しそうです。



暗い話題だけでは何なので、明るい?話題も。
ファランメ[ン駅に自動券売機が設置されたそうです。ファランメ[ンを起点に、北本線がロッブリー、東北本線がサラブリの先のケンコーイ、南本線が支線に入ってスパンブリ、東本線がこれも支線側のバンプルタールアンまでと、距離に応じているようでもなく、普通列車の運行区間とも微妙に一致していません。

コインとお札、カード類を受け付け、お釣りはコインだけの模様。1000バーツ札を受け付けますが、5バーツのきっぷを購入したらどうなるのか?



あと、画面に地図が出るのは高架鉄道(BTS)、地下鉄(MRT)、エアメ[トリンクと一緒ですが、北本線、東北本線、南本線の位置関係が実際と逆なのは戸惑いますね。(東北本線が北本線から左分岐、南本線が右分岐の図)



なお現行は普通列車でも列車指定の乗車券が発行されますが、券売機はどうなのか。列車指定が勝手にされてしまうと面唐ナすが。

ちなみに足元は感染防止対策で出札前に必要事項の様式への記入が必要ですが、移動目的が問われるのが難物です。ただ、特派員くんによると、「Visit」で大丈夫だったそうで(まあドンムアンまでの購入でバンコク都内でしたが)、さすがマイペンライの国です。


 



誰得のタイ国鉄レッドライン情報(続々報)

2021-08-30 21:14:00 | 交通
10月末に予定されているバンスー新駅の正式開業と同時にファランメ[ン駅が廃駅になるとアナウンスされていますが、単純に運転区間が短縮される北本線、東北本線、南本線と違い、東本線はどうなるのか。
ファランメ[ンを出た東本線の列車はヨマラート(踏切手前)を経て北本線などから分岐して東本線に入りますが、ファランメ[ンが廃止になったらどこから発着するのか、という単純明快な問題が生じます。

実はこの分岐は北本線北側への分岐がある三角線になっていますが、それを使ってバンスー新駅発着になるのか。しかしそうだとすると北本線が交差する踏切の解消にはならないわけですが、それ以外のやり方もなさそうです。

ところが先週末特派員くんが見てきてくれたんですが、北本線からバンスー新駅に向かうルートがまだできていません。複線の北本線を抱き込むように複線電化のバンスー新駅からの高架線2本、地上に降りて来て合流、となるはずですが、高架線は地上近くまで降りてきたところで途絶えており、地上へのアプローチがつながっていませんし、あと2ヶ月で完成できるのかも怪しいです。全く着手の気配すらないそうですから。


(相変わらず途中で途切れたスロープ)


(そこからバンスー新駅への立派なアプローチ)

実質複々線が合流してくるのはファランメ[ンが存続する前提だったのでしょうが、ここと東本線分岐までの容量輻輳が気になるところで(ヨマラート<tァランメ[ンは一部を除き3線区間)、さらに工事が進捗していな状況だと東本線の列車がどうなるのか。まさかのバンスー旧駅発着でしょうか。

前にも指摘しましたが、この三角線経由で東本線から南本線、北本線方面への貨物列車の設定があります。
バンスー以北のレッドライン化された北本線、南本線へバンスー旧駅からは事実上入れません。北本線はダークレッドラインチャトチャック駅の先で車両基地から合流する線がありますが、南本線はなく、まさか貨物は旧線に残すなんてことはないでしょうから、バンスー新駅経由しかありえませんが、バンスー南側のアプローチ分岐が未完成ですからどうするのか。
客車の入れ替え、機関車の付け替えは、バンスー新駅から北側に地平に下りる渡り線の先で操車場と機関区からの線路が合流するようで、ここで仕立てるのでしょう。


(東本線から北本線に来た貨物列車。宮廷駅付近)


(南本線から北本線に合流してバンスー駅方面に向かう貨物列車)


さてライトレッドライン方面を見て来たそうで、駅番号RW03、RW04 が空白の謎については、新設するとしたらこの辺りかな、というャCントはあるけど、準備工事などは一切見つけられなかったそうです。
そして在来線と共用するバンバムル駅を見たそうですが、在来線が本線で島式ホームを持ち、ライトレッドラインはその両脇に副本線としてホームがあるという、島式ホームの本線を抱え込む相対式ホームの副本線という、東海道線袋井、安城のような構造になっています。


(スロープ併設の階段が見えるバンバムル駅在来線ホーム)

運賃体系が違うので、レッドライン側の改札からの地下通路はレッドラインのホームにしか行けず、在来線側のホームは別途地下通路があり、さらに一部は荷物扱い用にスロープになっているとのこと。
10連対応のレッドラインホームと違い、20連くらいは停車できそうなホームだそうです。

なおバンバムル駅はロッキード事件でお馴染みのトライスターの機体がドーンと据えられているチャンチューイナイトマーケットが近いです。これまで訪問するにはタクシーか路線バスくらいしかなかったのが、ライトレッドラインでのアクセスが可能になったとのこと。ただ足元のソフトロックダウンで営業は限定的ですが。

隣のバンソン駅は在来線上に普通列車が停車するホームがあり、2往復の普通列車が停車しますが、ライトレッドラインの線路に移行後はどうなるのか。ダークレッドラインのバンケン、ラクシの両駅もそうですが、レッドラインのホームに停車した場合、運賃体系が異なる国鉄在来線の乗客を改札でどう通すのか、という問題も出てきます。


(都市部の鉄道らしいバンソン駅)


(隣には在来線の駅も)

有人改札で確認すればいいとはいえ、バンバムルなど在来線列車が停車する前提の駅では在来線とレッドラインでは出札も別だし、改札はレッドラインのみ、と完全に分離しています。


(白丸になっている駅しか在来線(LD=長距離列車)は停車しないという案内)



収束なき経済優先の社会実験

2021-08-29 22:13:00 | 時事
Covid19に関して「ウィズコロナ」「経済ガー」「5類にぃ」という現実逃避の声が根強い日本ですが、それも裸足で逃げそうな対応にタイが舵を切りました。

現在夜間外出禁止令に加え、県境越え移動の制限(禁止ではないが県境での検問、航空、鉄道、バスの運休)、飲食店は店頭でのウォークイン注文を含めて営業停止(デリバリーか電話注文のみ)、小売は路面店で雑貨系が一部容認されている他は、食品スーパーと薬局のみというソフトロックダウンが8月31日まで実施されていますが、9月1日から大幅に解禁されることが正式に決定、公布されました。(政府、バンコク都の通達)

猖獗を極めた「第三波」が収束したから、と思うでしょうが、実は全然違います。
ピーク時には全国で23000人を超え、バンコク都も5000人を超えた新規感染者数ですが、足下は全国で連日減少傾向とはいえ29日の発表で全国は約16500人、バンコク都も4000人台をようやく割ったとはいえ3800人強と依然高水準です。ワクチン接種も全国で1回接種でようやく3割を超える程度ですが、バンコク都が9割近くに達しているのが後押ししているのか。ただアストラゼネカが主力なため、2回目接種が本格化するのは9月下旬以降であり、またシノバックが15%ほどいるのも懸念材料です。

ワクチン接種者は重症化しないとはいえ、足下は病床不足が顕在化しているわけで、野戦病院でも足りず、自宅療養にシフトしているわけです。日本のような「放置」ではなく、回復期の感染者を早期に退院させて自宅療養に移行して病床を空けるという対策で病床を確保するようになってようやく一時のような医療崩壊の懸念は遠のきましたが、最初から自宅隔離(HI:Home Isolation)が選択肢に入っているなど、日本同様の事態が懸念される状況です。死者が新規感染者のピークに遅れて増加するとはいえ、全国で200人台後半から300人台、バンコク都も100人超えと日本よりも厳しい環境です。

この状態で発表された緩和は、まず店内飲食の解禁。引き続き店内飲酒は禁止ですが、空調付きの飲食店は定員の50%、空調無しや屋台は換気がされているという推定で75%に限定して解禁です。ただこの指標は過去にも緩和期に示されていましたがなし崩しになっていただけに、実効性が疑問です。

またデパートやショッピングモールの小売店舗の解禁。食品スーパーと薬局に限定されていたものが、娯楽施設や映画館、フィットネスなど引き続き禁止対象を除き解禁です。
公園や屋外の運動施設も解禁で、これにはゴルフ場も含むため、駐在員諸氏は早速予約に走る人もいれば、接待などでいやいや付き合っていた人はがっかりしています。

タイと言えばのマッサージ店もフットマッサージに限り解禁。美容院、理髪店も解禁。そして学校も各自治体判断と言いながらもい原則は復活していいという内容です。

県境またぎの移動も、「必要不可欠なもの」に限り解禁。これによりダークレッドゾーン発着の全便を欠航していた国内線が復活します。また長距離バスも復活を発表。国鉄もおそらく続くでしょう。


あとは娯楽施設、店内飲酒、「夜の街」ですが、この状況で大胆に解禁したという感じです。
飲食店を中心に経済が持たないという声が溢れており、政府もこれ以上抑えきれないと判断して見切り発車した格好ですが、これがどう出るか。飲食店は従業員、客ともに接種証明や陰性証明を要求するという案があり、実際国内航空はこれに等しい対応を要求しますが、飲食店に関しては1ヶ月以内に導入を検討するという条件で見切り発車します。

日本でも感染拡大でも重症者ガー、死者ガー、と矮小化を図り、経済ガー、と自粛の解除を主張する人が少なくないですが、タイの今回の緩和はおあつらえ向きの「社会実験」といえます。
ちなみに今回のソフトロックダウンは7月に完成していますが、5月から6月の段階で飲食店の規制をいったん緩和しているんですよね。それとの因果関係は明確ではないですが、感染拡大が一気に進み(それでも当時は全国3000人台から1万人に向かって急増したという、今から見たらまだ低い水準だった)、夜間外出禁止令などのソフトロックダウンに転じた前例を考えると、懸念の方が強いです。

なお、今回の緩和、経済問題もありますが、首相が10月から「開国」すると公約していることへの対応という説もありますね。万人レベルの感染者は受容してでも「正常化」して開国する。英国がタイからの入国を自国民などの帰国を除き8月30日から全面禁止したような状況で誰が来るのか、という疑念もありますし、首相肝煎りのプーケットのサンドボックスにしても、タイ国内からの入境を禁止した状況でプーケット県の感染者数が遂に200人を超えるなどかなり厳しい状況ですから。







高校野球で「紙芝居」

2021-08-29 15:08:00 | ノンジャンル
悪天候で順延続き、さらにCovid19で途中での出場辞退と、非常識な強行開催にふさわしいドタバタだった夏の甲子園もようやく決勝戦までこぎつけました。
しかし全国大会と言いながら8強の段階で近畿勢が5校と、レベル差は確かにあるものの、順延続きの中で地元で調整できる「地の利」が結構作用したはずで、まあ根強い関西の高校野球ファンにとっては堪えられない展開だったのかもしれませんが、関西のセミプロ勢が4強独占の段階で全国的には興覚めともいえる事態です。決勝にしても隣県同士の系列校同士の対決ですし。

さて特派員くんから、高校野球の中継などに関して不可解な事例があったという報告です。
最後はパラリンピックと被りましたが、NHKワールドの放送で、オリパラは放映権の関係で「紙芝居」になるのですが、高校野球はプロ野球同様きちんと動画が流れます。それどころか準決勝と決勝は中継が流れ、全世界に放映されています。

あれっと思ったのは土曜日だそうで、準決勝の中継は日本同様日本時間の正午から12時半まで中断してニュースなどを流しますが(NHKワールドでは連ドラ(1週間分のダイジェスト)だったそうで)、準決勝を報じるニュース番組で、なぜか「紙芝居」だったのです。

中継を放送できるのにニュースでは動画が流せずに「紙芝居」とはこれいかに。放映権は中継を流している時点で問題がないはずで、しかも自社中継の画像を自社のニュースで流せない理由は何なのか。
まさかスメ[ツの中継画像だから総て「紙芝居」と勘違いしたのではないでしょうし、「紙芝居」が用意されていた時点で流さない気マンマンだったわけです。

そもそも編成自体が奇怪で、オリパラ特別編成で日本時間の0時にニュース7が入ります。19時からもニュース7を流しており、なんとも雑な編成です。5時間遅れの情報ですから。しかも0時半から5分間ニュースが入り、これは総合日本時間0時からの5分間ニュースのようで、ニュースの連チャンです。ちなみに高校野球が「紙芝居」だったのはこの日本時間0時からのニュース7でした。






早逃げで失敗したミッション

2021-08-29 14:37:00 | 時事
アフガンの邦人とアフガン人職員の退避は文字通りの「大山鳴動して・・・」で日本人1人の退避に終わりそうです。
実際には自爆テロがあったまさにその時間帯に空港に突入しようとバスで向かっていたとのことで、運が無かったという面もありますが、それ以降の対応を考えてもやはり現地での「責任者」不在が祟っています。

欧米に続き、韓国もアフガン人職員300名以上の退避に成功しているわけで、やはり「有事」体制にある国は違うとしか言いようがないですが、退避に成功している国に共通しているのはきちんとタリバンと話をつけている、現場でもきちんと交渉できている、ということでしょう。それが可能なのは大使館あるいは派遣軍といったその国の「代表」を名乗れる組織が生きていること。実際に現場ではタリバンが護衛していたとか、それなりの配慮があったようですから。

日本は日本人の大使館員が速攻で逃げてしまったので現場の指揮者不在という最悪の状況です。バスが手配できていたのは誰の手柄か。大使館員が手配して退避していたのであればまだ救われますが、アフガン人職員やJICAだったら最悪です。外務省は在留邦人で退避を希望する人はごくわずか」と逃げ口上に必死ですが、刻一刻と変化する情勢にやはり退避するしかない、と考えを変える人もいるはずで、そうした変化をどう把握、対応するのか。早々に安全なイスタンブールに臨時大使館を構えるような姿勢では無理もいいところです。

一部報道ではアフガン人職員とその家族が退避を希望する場合、一時避難先となるパキスタンのビザを取得することが条件、としていたと報じています。この状況でそれは不可能ですし、出国までは支援するがパキスタンに置き去りだからな、という姿勢であったわけです。まさに「命のビザ」の真逆ですが、「命のビザ」も当時の本省は発給不可というスタンスで、戦後通過ビザを発給した領事代行を解職した「前科」があるわけで、それを思えば今回も「またか」です。

ちなみに退避に成功した国は救援部隊の情報などに関する報道管制を徹底していました。
一方で日本は入間から美保への移動も含めて提灯を付けて報じていました。自民党外交部会の「隊長」も、日本人大使館員の退避の情報は伏せていました、という以前の問題として、救援部隊の派遣につき手の内を見せまくっていたことの方を指弾すべきでしょう。