Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

年末のご挨拶

2020-12-31 22:30:00 | おしらせ
激動の2020年が間もなく終わろうとしています。
激動というよりもなかったことにしたい1年というのが率直なところで、私自身も大きく振り回された1年でしたし、まだその影響は当面続くことが確定しています。

交通の世界は明るい話題というよりも、Covid19の影響による輸送人員の激減にとどまらず、早朝深夜のサービス停止もまだ序の口で、通勤という概念の大きな変化による通勤輸送というサービス自体の変化という構造的な大変革が見えてきたという大変な1年であり、2021年はそれがどう確定していくのか、極めて厳しい1年になるかと思います。

このような事態になると思っていた人は世界中探しても1人もいなかったでしょう。
出来得るのであれば逃げ出したい、無かったことにしたい1年でしたが、これが現実であり、直面して正視するしかないのです。

来たる2021年も厳しい年になるかとは思いますが、やるべきことをやるしかありません。

暗い挨拶になってしまいましたが、皆様、せめてよいお年を。


2020年12月31日
Straphangers Room/習志野原の掲示板 管理人
エル・アルコン拝


暗い話題は避けて誰得のタイ国鉄新線切替情報

2020-12-31 21:51:00 | 交通
年末あれこれあって書き込みが途絶えていましたが、最後に、とCovid19では暗くなるので、ちょうど特派員くんから届いた蔵出し画像を(苦笑)


タイ国鉄のバンコク近郊がレッドライン(ダークレッド、ライトレッド)という近郊電車線となって来春開業するのですが、それに伴う線路変更や駅の移転が発生したそうです。


(16日に廃止されたての旧駅)


(新線側を堂々横断)

ダークレッドライン(北本線)の北端となるランシット駅がその舞台。バンコク都からわずかにパトゥーンタニ県に出たエリアですが、都バスの車庫もあり、大規模なショッピングモールもある拠点です。

それまでの駅が特急以下全列車停車という「格」の割に貧相に過ぎたともいえるんですが、こんな感じの駅でした。


(私が長期出張中に訪問した際の写真。旧駅進入)


(出発シーン。鐘が発車予告で、旗で合図)


(タイ国鉄の標準的な構内横断)

それが廃駅となり、北側に移転しました。
レッドラインは高架、国鉄の従来線は地平という微妙な併存ですが、それが本設のようです。バンコク側の駅は従来線も高架に上がるようですが。


(旧線ホーム端部から見るとこんな感じだそうです)


(旧線を横断するところのやっつけ仕事。まあ旧線はそのうち撤去のはずですが)

どこからでも入り放題だったタイ国鉄の標準装備の中間駅でしたが、コンコースは2階に上がっていますね。
レッドライン側は改札が出来ると思われますが、今のところはCovid19対応の係員が監視している状態です。


(きっぷ売り場とCovid19対応の監視員)


(2階コンコース。3階にレッドライン、1階に従来線) 

従来線側のホームが供用開始されたわけですが、下りてみると、新幹線品川的な雰囲気と言ったらほめ過ぎでしょうか。


(なかなかの雰囲気。相対式2面2線から2面4線に)

ところがタイ国鉄ですからこれが来るわけです。


(東北本線、ウボンラチャタニー行き快速が堂々の到着)

10系客車の設計のままという3等座席車を連ねた普通や快速の違和感は相当なものに見えますね。


(違和感以前ですよ・・・)

客車はステップ付きですが、高床ホームの対応として、片側のデッキに折り畳み式のステップを埋める板がある車両もありますが、基本は人力でのタラップ装着です。客車側の折り畳み式板も係員の人力でしょうね。なんか東武浅草を大規模にした感じです。本数は東武のほうが圧涛Iでしょうが。


(タラップ装着中)


(完成系)

まあ、中央駅たるファランメ[ンですらのこの光景がタイ国鉄であり、ランシットが例外なんですが、レッドラインのせいで都心側はこうなるんでしょうね。


(ファランメ[ンに到着した北本線快速)


(新鋭中国製寝台特急ですらこの段差。南本線ハジャイ行き寝台特急発車シーン。駅員と車掌が緑旗で合図の交換)





変位種に見る検疫の不備

2020-12-26 14:57:00 | 時事
変位種が大騒ぎになっていますが、インフルエンザのようにA型、B型といったパターン化できるようになるのか。ワクチンが汎用的に効かなければ、毎年流行をにらんで生産を傾斜しないといけませんね。製薬会社側も6週間あれば生産可能といってますが、裏を返せばオーダーメードが必要ということですから。

ただ今回の変位種を巡る報道と検疫制度の変更を見てアッと思ったのが、変更時にも思ったとはいえ、結局日本の検疫体制がザルということ。

入国時の隔離検疫がそもそも他国と違い「自主待機要請」という時点でザルなんですが、7日以内の短期出張者特例で、相手国出国72時間以内あるいは帰国時の空港での検査で陰性と、14日間の公共交通非使用と行動計画提出(出張命令を出した企業が責任者になる)を条件に自主待機が免除されていますが、その対象が全世界なんですよね。低リスク国に限定ではなく、入国拒否対象国も対象になっています。英国と南アは慌てて対象外にしましたが、オランダや豪州など英国由来の変位種が確認されている国は未だ対象です。

百歩譲って自主待機としても、14日間の緩和対象は日本よりリスクが低い国限定でしょう。
計画書を提出したら、帰国後すぐに出社できるわけで、会社では個室で必要最小限の関係者のみと接触を、ということは、万が一の際には「濃厚接触者」が続出することを前提にしているわけで、欧米を対象としている時点で脇が甘い以前のノーガードです。

そんな大甘は低リスク国では容認されない、と自覚しているのか、7日以内の滞在の定義として、現地での隔離検疫期間を除くとあるわけで、14日間(例えばタイだと到着日を0日目として丸14日間を隔離期間とするので、到着日から15泊した入国から16日目の朝に「釈放」)の隔離検疫を前提にした制度です。

実際にタイでは搭乗時に相手国での検査証明がないと搭乗できないのに、隔離検疫中に2回ある検査で発見される例が日本で検査した人を含めてちょこちょこあるわけで、日本は入国時とその隔離検疫中の検査省略で低リスク国でない日本よりさらにハイリスクの国への出張者の入国規制を緩和しているのですから、これはダメです。

ネットのメ[タルのコメントでは入国規制緩和が原因と騒いでいますが、こうした手合いは中国を念頭に置いて批判したいだけなんですが、実態は欧米のハイリスク国への出張者がザルになっている、ということがあるわけです。それこそ現地で14日間の隔離検疫があるとして、そこから7日以内の滞在で帰国していたら、11月1日の緩和ですから、12月に入って急激に増加している一因と残念ながら言えるでしょう。

その意味では、入国者原因という指摘は、多くの人の意図している事象とは全く違う形で当たらずとも遠からずなのかもしれません。




勝手判断に拠る正当化

2020-12-23 21:19:00 | 時事
医療関係者の警鐘に対して反発する向きもあるわけですが、結局は医療関係者も含めた国民一人一人の自覚ということは間違いありません。医療関係者にしても疲弊する一方で軽率に会食に出席して感染するというケースもあるわけですから。

その意味では自発的な対応を前提にして、たまさかうまくいった「第一波」を自賛して「日本スゴイ」というのが常にそうであればよかったんですが、「第二波」以降は不適切、軽率な行動で収束どころか拡大の一途をたどる結果になっています。

一定の強制力が担保されている国でもそこは悩ましいところで、結局は最初から包括的、全面的な規制を敷く中国型でもない限り即効性は無いわけです。さすがにそこまでできない、というのが民主主義、自由主義国家ですが、だったら一定の「守れない」人が発生する前提で規制の手を打つというタイのような手法があるわけです。

日本の不可思議なところは移動と飲食が原因と専門家がほぼ結論付けていながらなお規制できないところであり、それどころか移動と飲食を促進する政策を進めていたわけです。これでは真逆であり、収束どころか拡散の一途というのは必然です。

さらに悩ましいのは専門家の指摘であっても無視する、否定する、勝手解釈で自分は大丈夫と思い込む、という「素人判断」の横行です。昨今の報道への不信がその傾向に拍車をかけていることは否めないわけで、「マスコミが悪い」と言えば何でも通るという風潮が否定できないなか、感染者数の報道などは「煽っているだけ」「実際には大したことがない」という一種の「逃避」とその正当化という最悪のコラボで「素人判断」になっています。

さらに「見られ」を理解できない人も少なくなく、「勝手判断」で「私は大丈夫」というのが客観性を持つと勘違いしているわけです。検査は不要、無意味、という信念はご自由に、ですが、日本以外では検査結果がまずありき、という国が大半です。自分の、そして日本国民の証明が出来ない状態で「大丈夫」と言っても誰も信じないわけで、「標準」に弱い日本人のマイナスが最悪の時期に顕在化しています。

こうした勢力に共通するのが「マスコミガー」「マスゴミ」といったメディア批判ですが、その安住を得るために都合のいい意見を援用、というかつまみ食いする傾向にあります。「マスコミガー」という理由付けに、重症者や死者は少ないんだから、というのは定番ですが、無症状者は患者に非ず、という主張を援用しているわけです。しかし感染力という意味では症状が重篤になるのと比例することはなく、それどころか無症状の末期から発症直後が最大という確立したデータがあるわけで、無症状が多い、というのは感染力が多い患者が捕捉されているという極めてリスキーな事態を示しているという評価に背を向けているわけです。

重症者や死者の数が大事、といいながら、じゃあ東京都が厚労省の基準よりも狭く重症者の範囲を捉えているのは無視しているわけです。人工呼吸器やECMO装着という生死の境を彷徨うレベルにならないと「重症者」にならない基準で「少ない」という判断がどれだけおかしいか。そのくせ他国(特に中国や韓国)の発表数はおかしい、とハナから疑ってかかるわけで、死者という一番誤魔化しにくい数字(一時大量に発生する事故と違い、同時多発的なので隠蔽するのは難しい)の採否を都合よく使い分けています。

そして先般和歌山県が厳しいデータを発表した後遺症の問題。軽症者も含めて半分近くが何らかの後遺症を訴えているわけですが、これも信じたくない人からすると「気持ちの問題」と否定する人が少なからずいるわけです。こんな人が上司だと「倦怠感?甘えたこと言ってるんじゃない」と散々な目に遭いかねませんが、現実は後遺症を事実上否定する傾向が見て取れるわけで、これも都合よく勝手判断していくうえでの必須の作業なんでしょう。

それでも感染収束を目指して対応をする、というのであればまだしも、これが「だから自粛(規制)する必要はない」と自分の「お楽しみ」を正当化する方向に動くからタチが悪いのです。
これに「経済ガー」を加えると盤石の理由付けであり、原因とされる行動を控えるどころか積極的に実施していて感染拡大が止まらないわけがありません。

法令上強制が出来ない、あくまで「自主性」「自発」に任せている、という状況はまさに性善説の世界ですが、第一波の時は性善説を信じてよかった、という結果になりましたが、その後は性善説の欠点が顕在化している格好です。

じゃあどうすればいいのか。限界的な事例になりますが規制に踏み込んでも欧米のような権利を振りかざした抗議、反対活動にまでは至らないでしょうが、まずその強制力を持った規制の成立が困難です。立法府たる国会の意見はまとまらないでしょう。もちろん時間もかかります。

そうなると打つ手なし、八方塞がりなんですが、一つだけ手段はあります。
これを私が推奨するのは本当に嫌だし、第一波の頃はこうした行動を口を極めて批判していたのですが、足元の状況ではそれしかないというしかないのです。

そう、「自粛警察」です。最後の手段は。
同調圧力が強く、それに弱い国民性に付け込んだ手段が最後の拠り所という最低の選択ですが、そうでもない限り勝手判断の連中を減らせないでしょう。それでもの確信犯は排除できませんが、確実に数は減りますから効果は出てくるはずです。


愚かな行動を促す評論家ども

2020-12-22 22:12:00 | 時事
医療緊急事態宣言を医療関係の各団体が連名で発したわけですが、独自の基準で低く見せている東京都の重症者数も病床占有率からみると9割とかもう限界なわけで、搦手から見たら誤魔化しが利きません。問題なのは通常の診療に影響が出まくっていることで、Covid19でない著名人の訃報を目にしますが、こうしたCovid19以外の病気で本来は助かる命も助からないとなったら、大きな問題でしょう。

医療資源の逼迫は「第一波」の時から言われていたのにはっきり言って何をいまさらの感もありますが、いま目の前にある危機からは逃げられないわけで、まずは真正面から向き合う、取り組むことが必要です。

ところがいよいよ危機的状況になった現状に対し、今朝のCX系のニュースショーで、以前「集団免疫」にご執心だった国際政治学者の女史が、国民に責任転嫁している、医療崩壊はCovid19の患者を受け入れている公的医療機関だけで、民間医療機関の多くは経営が悪化するからと患者を断っている、と独自の見解を振りかざしていました。

「貴重なご意見ありがとうございます」レベルというか、チラシの裏にもならないレベルですが、集団免疫がいよいよ幻想と分かってのこの身のこなしはお見事というか、日頃批判している勢力の変わり身もかくやという感じです。

確かに民間の医療機関が十分に受け入れているかというとそうでない面もありますが、そうした医療機関がCovid19以外の患者の受け皿になっているという事実は否定できません。それを対Covid19の戦力としてカウントしたら、いよいよ医療崩壊ですよ。

国民に責任転嫁、というよりも医療関係者がはっきり言いたいのは、国民の野放図な行動が原因ということでしょう。この期に及んでもなおGo To トラベルが原因という因果関係は無い、とか、飲食店で「三密」上等の行動をしたり、とか、あまりにも自覚がない行動が原因であり、国民一人一人の行動の集大成が今のザマになっているのです。

そしてそういう行動を後押ししてきたのが、この手の評論家ですよ。Covid19の影響を矮小化して、経済第一の論陣を張り、あまつさえ検査の有効性は否定する、ひどい手合いになるとマスクの有効性まで否定していましたからね。その手の特異な理論が出てくると針小棒大に取り上げる。で、真に受けて感染拡大が止まらない、と。CX系は医療経営が専門の学者による「新仮説」をこれでもかと取り上げていましたよね。「コロナは風邪」と。ミスリードの典型です。

よく高齢者がマスクをしないといった対策無視を咎められて逆ギレ、という事件が世間をにぎわしていますが、結局これは高齢者が情報源とする地上波放送がトンデモを垂れ流す弊害の一つです。
テレビでナントカさんが言ってたから、と信じ込むんですよ。こういう人たちは。あるいは平日午前中のラジオ番組なんかもそう。リテラシーがない人が信じ込みやすい媒体です。