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Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

朝まで続いた津波を軽く見てはいけない

2025-07-31 22:18:46 | 震災・災害
まさかの津波警報に翻弄された一両日でした。千島からカムチャッカは海溝地震の巣ですが、M7級のあとにM8級と、後発地震が警告される震源域での「本震」となっています。我が国への影響が大きい南海トラフが注目されていますが、三陸以北のほうが多いわけです。遠地地震というよりも一連の海溝地震の発生とみていいでしょう。

津波自体は大半が1m以内で済んでいますが、あくまでそれは結果論で、50㎝の津波であれば簡単に流されます。というかここまではっきりと津波が広範囲に襲来したのは「3.11」以来でしょう。
また遠地地震ということで最大波高が第二波以降になり、発生からほぼ一昼夜経っての最大波高観測というケースもあり、これは今後の教訓でしょう。夜の間に津波注意報を解除することは無い、と気象庁が断言していましたが、深夜や朝方になってもまだ最大波高となると、警報解除も早すぎたのでは、という感じです。

ネット界隈では過剰な反応という声とそれは結果論に過ぎないという声の対立がお約束ですが、今回に関して言えば慎重に勝るものはなかったわけで、普段あれだけわずかな可能性でも騒ぎ立てるのに過剰というのは、結局ネットあるあるの自分に降りかかると途端に文句、なんでしょうね。

津波に関しては「3.11」の前年にチリ地震による津波で大津波警報が出ましたが、東京湾内湾に津波警報が発令されていながら東京マラソンを強行していますが、マラソン優先で安全だ、東京湾で津波はない、とか散々でしたね。翌年の「3.11」では東京湾内でも津波の観測どころか被害が出ていますが、当初は被害も報じられず、東京都やそれに阿った学者に忖度したかのような状況でした。(木更津で2.8m、船橋で2.4mの津波を観測し、船橋では浸水被害が出ています)







実は二種類あるのに識別できない気象庁公式

2025-07-09 20:52:08 | 震災・災害
トカラ近海の群発地震ですが、悪石島付近と諏訪之瀬島付近の2種類があるようです。後者は火山絡みということですが、気象庁の地震情報ではどちらも「トカラ列島近海」となってしまっています。

公式サイト改悪前は地震情報の詳細は震源地情報として緯度経度が記載されていたので、今回のような複数の震源域の違いがはっきりしますが、今はそれがわかりません。深さは書かれていますが、「ごく浅く」から「30㎞」と幅が広く、実は2種類だからそれなりに分かれるのですが、現状では判別できないので、深さがまちまちの妙な群発地震になっています。

しかし気象庁公式の改悪以降、必要な情報が出てこない仕様は本当に困りますね。待機中のアニメーションなんか不要ですし、「あなたの街の」とか言い出してごく狭い情報しか返してこないとか、使えないの一言です。回避するためにわざわざ「防災情報」から各項目を選ばないと全国レベルの情報を取得できないのですから。正確で的確な情報を提供しないといけない官庁がこんないい加減な仕事をしているようでは話になりません。



PDCAと程遠いスタンス

2025-05-12 21:13:50 | 震災・災害
いわゆる「軍ヲタ」を批判する評論家の記事に対する反発が強いですが、まあ批判自体はヲタを巡っては「あるある」で、交通関係でもしょっちゅうある話なので、一般論としては「やっぱりね」と納得のいく話です。
まあ交通関係における「事業者無謬」のようなポジショントーク的な存在ではないだけマシですけどね。

まあ共通しているのが現状に対する強い肯定であり、問題点の指摘を嫌うということ。あるいはスペックの絶対視で、ユーザーフレンドリーな評価からほど遠いことでしょう。軍事に関してはユーザーフレンドリーという概念は無いですが、「国防」というジャンルとして国民とその防衛に資するものかという論点になります。

最近のそれは戦車を巡る話ですが、戦車不要論を主張する評論家と戦車ヲタの対立という感じです。
世界中須らく戦車など不要とは誰も言っていないわけで、我が国における戦車の必要性の議論のはずですが、どうも他国の事情を持ち出すあたりがアレですが、74式戦車以降、在来線での貨車輸送に対応していないという現実は、戦車はあるが輸送を考えていないという旧軍さながらの輜重軽視という論点も含めて、我が国における戦車の必要性に影を差します。
なおウクライナ紛争を戦車が必要な理由に挙げる人が多いですが、国土(地理的要因)が違いますからね。それこそウクライナ、ロシア国境付近は第二次大戦で史上最大の戦車戦となったクルスク会戦の舞台でしたし。

なんでそんなことを、というと、東日本大震災の時の松島基地の津波被害を批判したら、軍ヲタから「懇切丁寧な」批判を頂戴したのを思い出したからです。まさにできない理由のオンパレードで、どうすれば回避できたかという視点が全くありませんでした。できなかったという現実に対し、どうすればよかったのか、という批判なのに、現状を固定化して一歩も進まなかったわけです。これは現実社会でもあるあるで、「社内ヒョーロンカ」が往々にして披露する手口ですからね。どうすればいいのか、ということを考える場で出来ない理由だけ「ボクって物知り」という感じで主張する連中と一緒です。

要は地震発災から津波到来までの間に空へ逃げられなかったのか、という当然の批判に対する反論ですが、第一線の戦闘機部隊ではないとはいえ、「有事」の際の即応能力がなかったわけです。あるいは滑走路の損壊ガーという話ですが、じゃあ滑走路を破壊するまでもなく石でも撒いたら機能停止か、という話になってしまい、中世の砲丸を発射する大砲、いや、古代の投石器で十分か、という事態になってしまいます。要は津波に対する想像力の欠如であり、原発もそうですが、施設によって求められるリスク想定の不足(ギャップ)が露呈したという検証(反省)すらできないことを示しています。その対応が正しければ、実施されたかさ上げなどの対応は不要という結論になりますからね。(陸自の霞目駐屯地はかさ上げしてましたから浸水は免れました)

本当の意味での「不可抗力」というのは極めてまれですからね。そして組織体によって不可抗力とか想定外を主張し得る範囲も変わってきます。原発もそうですよね。想定があった東海第二は綱渡り的状態とはいえ過酷事故を免れています。
軍隊なんかさらに厳しい想定が必要ですよね。仮想敵国はヲタが思いつくような「作戦」など取るわけがないですし。そう考えれば、「仕方がなかった」など口が裂けても言えないはずですし、逆に批判してこそヲタの本懐でしょう。



バンコクも深刻な被害

2025-03-30 12:50:28 | 震災・災害
ミャンマーの大地震で被害が出たタイ国内ですが、倒壊したの建設中の国家監査局の庁舎だそうです。
チャトチャック市場の西側、クルンテープアピワット駅と操車場エリアとの間で、チャトチャックが「ウィークエンドマーケット」だからよかったものの、土休日だったら大パニックになっていたでしょうね。迷路のような市場の中でパニックが起きたら大惨事になりかねません。「中国製」だからという声が上がっていますが、中国国鉄系とイタルタイの合弁ですから、バンコク都心部でも案件が多いイタルタイのほうの施工品質を確認すべきでしょう。

地震発生直後に高層ビルから何やら落ちてくる映像を目にしましたが。聞くとあの手のタワマンなどコンドミニアムやホテルは最上階にプールを置くのがお約束だそうで、長周期振動で大きく波打ってあふれたそうです。柏崎刈羽原発で中越沖地震の際に燃料貯蔵プールの水があふれたのと同じメカニズムのようです。

まあ水とはいっても高層階から降り注ぐとなると相当な「圧」になるわけで、直撃したら命にかかわります。
ステータス自慢もあって猫も杓子も屋上プールがあるので、思わぬリスクですね。そうそう、特派員くんが住居を選ぶ際に不動産屋と内見で回った際、どのコンドもプールとジムをウリにしていたそうです。

あとは意外な被害が今後発覚するでしょうね。そして上記の監査局のビル倒壊の陰に隠れていますが、日本人駐在員も多いエリアでもかなりの被害が出ています。日本人が多く住むスクンビット通りのエリアでも、トンローあたりは特に多く、トンロー通りやエカマイ通りに入ってさらにわき道にあるコンドやサービスアパートに住むケースが多いです。
その中の一つ。トンローとエカマイを結ぶ通り(ソイ)にあるコンドというか日本でいうところのタワマンですが、複数の棟を高層部の渡り廊下で結ぶ構造が話題だったところ、今回の地震で損傷して一部部材が落下したそうです。
ようは「落橋」であり、連結が外れたことによる構造面での問題もあるようで、全面立ち入り禁止になっているそうです。

地震発生のリスクはタイ以上に低いというかほとんどないシンガポールでは、3棟を屋上で結んでそこにプールとかがあるマリーナベイサンズが有名ですが、まあタイにこういう建設物があったら、今回の地震で連結部が外れて一部落下し、屋上プールの水が降り注ぐ、という事態が発生したようなものでしょう。





「遠い」だけが遅れの原因ではないというしかない

2025-03-30 12:25:43 | 震災・災害
先日半年ぶりに奥能登に行ってきたんですが、能登半島は奥深いだけあって時間も費用もかかりますね。
ただ昨今割引が渋くなる一方のなかで能登関係はさらにお得になる傾向にあり、4月からは金沢以北の鉄道と穴水以遠の路線バス(北鉄能登バスのうち旧北鉄奥能登バスの路線)が2日間フリーとなるデジタルパスが復活します。これは七尾以北限定だった奥能登まるごとフリーと同額で七尾線まで拡大という破格のきっぷです。

そして京阪神から金沢方面も早割チケットレスが大幅に割引拡大となります。交通系ICとの紐づけが必要で、別途敦賀以南の在来線区間の運賃はICから引き落としというのが面倒なのか簡単なのか微妙ですが、7日前までの購入で定価の2/3は破格です。これまで最安値の「おとなび」の早割よりも1000円以上安く、関西から北陸の流動がかなり厳しいのでしょうね。

現地で交通事業者の方と話をする機会が少なからずありましたが、関西から来たというと「敦賀乗り換えってどうよ」と決まって問われましたが、おそらく現地でも「あれがガン」という認識なんでしょうね。小浜ルートや米原ルートといった将来の話ではなく、「サンダーバード」が昔通り走って欲しいという声ばかりだったのも特徴的でした。

で、回ってみて思ったというか身に染みたのが、能登半島地震前の段階で公共交通利用がほとんど考慮されていない状態ということ。観光入り込みはもちろん、地元の利用にしても、結局はのと里山海道経由のクルマでどうぞ、というしかない状態です。能登半島は奥深いからとか言われますが、必要以上に遠く感じる結果になっていますよね。鉄道は七尾の接続が冗漫ですし、かつては10往復程度急行が設定されていたというのに今は特急5往復のみ。特急バスも田鶴浜付近で高速を降りてあとは延々と一般道。実際各駅停車ののと鉄道と無停車の特急バスが延々と並走しますから、速達性も何もあったもんじゃない状態です。ロードサイド集積もある穴水此ノ木もただの路上停留所が交差点を挟んで3ヶ所に別れており、他所の同種のシチュエーションであれば大規模なP&R拠点となるバスターミナルが必ずある立地というのに、資源を無駄にしています。

特急バスの状況から、中途半端に存続しているのと鉄道の存在意義が高くなっているわけで、特に和倉、七尾に出るには鉄道しかない状況です。ここで問題なのが能登空港とのアクセスで、鉄道とバスを穴水で乗り継ぐしかなく、能登空港で和倉、穴水へのアクセスの案内もはっきりしていません。乗り合いタクシーがメインなんでしょうが、他所者にはわかりづらいです。また対金沢でも特急バスと各駅停車の鉄道の所要時間がほぼ一緒と、ここまでバスにやる気がないのであれば、設備を所有するJRが穴水まで電化して一気に集客したほうが皆ハッピーなんですが、そもそもJRが設備を保有し続けていることがこの地域の交通の歪みの元凶でもあるわけです。

それにしても能登半島地震から1年3ヶ月が経とうとしていますが、「復興」どころか「復旧」も遅々として進んでいません。東日本大震災、またその後の豪雨被害を踏まえると西日本豪雨の対応と比較しても「遅い」としか言いようがないですね。半島特有の地形等の問題を言い訳にしていますが、のと里山海道、能越道、珠洲道路という幹線軸は早期に復旧しており、そこからの「くしの歯作戦」による啓開もできていませんから。半年ほど前に訪問してから、冬場のハンデはあるものの、家屋の解体、倒壊家屋の撤去とかも全然であり、いわんや損壊家屋の復旧など全く手がついていない感じにも見えます。東日本大震災の際の警戒区域内が解除された直後と大差ありません。

あと気になったのは「仮設住宅」の濃淡。定番のプレハブはあまり目立たず、トレーラーハウスがあったり、逆に本設かと見まごうような瓦屋根の長屋とか、レベル差もさることながら、スピード感はどうだったのかを疑いたくなるような光景です。瓦屋根の長屋タイプは公営住宅に転用するようですが、今どき長屋タイプの公営住宅はさすがに無いわけで、こうしたところも「復旧」の遅れを象徴するものでしょう。

ロードサイドで事足りる、ということなのかもしれませんが、市街地の商業の再開があまり見えてこないのも気になりますね。有名な輪島の朝市も一面の焼け野が原のままで、これまでの被災地であれば仮設商店街とかが立ち上がって頑張っているのですが、どうしたことか。そして内外の観光客で大賑わいの金沢を見るとやるせなくなりますね。東日本大震災の時は、三陸の被災地もさすがに1年以上経つと復旧もかなり進んでいましたし、一方で仙台市は被災の規模では金沢どころじゃないものがあったとはいえ、被災地と無縁の賑わい、ということもなかったわけで、その格差も気になりますね。