Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

誰得のタイ国鉄レッドライン開業情報

2021-07-31 22:41:00 | 交通
バンコク近郊の国鉄レッドライン(ライト/ダークの両線)は5月から試運転を続けてきましたが、8月2日にプレオープンします。11月の正式開業までは無料での運行で、報道によると北本線をトレースするダークレッドラインは6連、南本線をトレースするライトレッドラインは4連での運転。どちらも日立笠戸製の車両です。

プレオープンの段階では朝夕15分ヘッド、日中30分ヘッドで、夜間外出禁止令に対応して6時頃~19時半頃までの運行となる予定。夜間外出禁止令などの一連の規制は8月2日に明けるという話ですが、これは延長するという前提ですね(苦笑)

これまで短距離利用は普通、快速が思い出したように不規則に走っていたので(日中など数時間空きもある)、30分ヘッドとはいえ「読める」のは大きいです。現在国内線は運休中ですが、ドンムアン空港そばのドンムアン駅も通るので、アクセスにも使えそうです。ただ正式オープン後は快速の非冷房2等車とどちらが高いか、というレベルになりそうで(快速は3等車で20バーツ、普通は6バーツ、並行するバスは冷房で最大25バーツ、非冷房で8バーツか10バーツ)、政府内でも運賃設定で紛糾しているようです。

ダークレッドライン(北本線)は都バスの終点エリアでもあるランシットまでというのはまあ妥当ですが(もう1駅、タマサート大学まで行けば十分)、ライトレッドライン(南本線)はトンブリからの旧本線と合流するタリンチャンまでというのは何とも中途半端で、都バスが頻発してマヒドン大学もあるサーラーヤーまで伸ばせなかったのか。通勤用の区間運転もある区間ですし。

なおダークレッドラインは国鉄在来線の走行を想定した複々線構造ですが、レッドライン側も急行運転も想定しているはずですが、プレオープンの段階では設定はなさそうです。



誰得のタイ国鉄Covid19対応情報

2021-07-30 22:57:00 | 交通
タイ国内、特にバンコク都などバンコク首都圏での感染拡大が爆発的になって医療崩壊の一途を辿るなか、地方出身の感染者を帰郷させて余力のある地方で入院させる取り組みが進んでいます。まさかの「大下放」ですが、27日にそうした感染者を輸送する特別列車が東北本線(ウボンラチャタニー方面)で運行されています。

ファランメ[ンには入れず、昨冬のレッドライン対応での移設で施設的に余裕があり、2面4線化したランシット始発で設定された特別列車(特別971列車)は、Covid19の影響による運休で運用が無くなった中国中車製の新型特急車両を使い、軽症、中等症の130人あまりが乗車したと報道されています。夜行用車両ですが、午前中にランシットを出て、終点ウボンラチャタニーに夕方着となっています。メディアから「Covid Express」とひどい名前を付けられた列車は東北地方に入ってナコンラチャシーマ(コラート)から終点ウボンラチャタニーまで5駅に停車しますが、一部主要駅に停車せずに近隣の小駅に停車するあたりはその時点で隔離されている感じがありありです。

一方で遊休車両を使った「病院列車」も30日からスタート予定と報じられています。
バンスー新ターミナル脇のレッドライン用の車両基地に据え付けて患者を収容する計画で、運用を外れた非冷房2等寝台車15両を使い、1両あたり16人を収容し、編成全体で240人の収容。
非冷房2等寝台車は1両の定員が32人なので、下段で日中、上段で就寝という感じでしょうか。ただ車両基地は屋内とはいえ空調は「作業環境を最低限守る程度」のはずで、車内はかなりの温度になりそうです。

実際、「病院列車」としての特別装備に空調は無く(通路部の天井に扇風機があるのみ)、蚊除けに網戸が設置されるとあるので逆に空気が澱みそうです。水道と電気は地上側から供給され、バスルーム(とあるがシャワーでしょうね)は車外に設置。開放式とはいえ寝台車なので仕切りがあり、野戦病院よりはプライバシーは守られそうですが、非冷房は辛いですね。列車としての運用中は走ることで風が通るので耐えられたようなものですから。



誰得のタイ国鉄運行削減情報

2021-07-30 22:55:00 | 交通
夜間外出禁止令とさらなる規制強化に伴い、7月23日から8月2日までタイ国鉄の運行がさらに減少しており、長距離列車は上下8本、普通列車が上下70本の合計78本となっています。(通常時は236本)

運転する長距離列車は以下の通り各線上下2本ずつ(1往復)です。夜間外出禁止令に対応して昼行での運行かつ規制時間帯の回避となるため列車によっては大幅な時刻変更が発生しています。(距離の長い南本線は途中止めになる) 東北本線の両系統各1往復ずつは所定通りです。

【北本線】
快速109列車:ファランメ[ン630→チェンマイ1930
快速102列車:チェンマイ630→バンスー1935
※上り102列車はバンスー止め
※通常よりも1時間以上速いので気動車での運行か?(既に4月から昼行化している109列車:ファランメ[ン700→チェンマイ2110、通常の102列車:チェンマイ630→バンスー2042)
※特急13列車/14列車が運休。国鉄全線から特急列車全滅

【東北本線・ウボンラチャタニー方面】
快速135列車:ファランメ[ン640→ウボンラチャタニー1800
快速136列車:ウボンラチャタニー700→ファランメ[ン1840
※急行67列車/68列車が運休

【東北本線・ノンカイ方面】
急行75D:ファランメ[ン820→ノンカイ1730
急行76D:ノンカイ745→ファランメ[ン1710
※快速133列車/134列車が運休。昼行の急行が復活。国鉄全線で唯一の急行に。

【南本線】
快速171列車:ファランメ[ン600→トゥンソン1930(スンガイコーロック行きを短縮)
快速172列車:トゥンソン500→バンスー1920(スンガイコーロック発を短縮)
※上り172列車はバンスー止め
※所要時間的にトゥンソンから先への運行は困難(下りはダークレッドゾーンのソンクラー県に入るまでは夜間外出禁止令対象外だが、上りは夜間外出禁止令バンコク着が固定されるので未明の発車となりあまり実用性がない)
※下り171列車は既に4月から時刻変更している時刻から約5時間、上り172列車は同じく約15時間繰り上げ
※急行85列車/86列車、快速167列車/168列車が運休

普通列車を含めて、北本線系統はサワンカローク支線、南本線系統はヤラー<Xンガイコーロック間、スパンブリー支線、カンタン支線、キーリーラッタニコム支線、メークロン線の西線区間(バーンレム<=[クロン)の運行が無くなっています。

第一波の時のように、定期の快速以上を全部運休扱いとして、4方向に臨時急行を1往復ずつ設定した(南本線は沿線県の規制で3日で運休に追い込まれた)ことを考えると、まだ定期列車をベースにしているだけに、同じ各方向に1往復でもマシと言えます。

なお北本線と南本線の上り列車はバンスー止めですが、バンスーで接続する地下鉄(MRT)も夜間外出禁止令対応の運転時間短縮で区間や方向によっては19時台後半に最終が出るので、遅延したらまず間違いなく足が無くなり、まごまごしているうちに夜間外出禁止令にひっかかります。(21時から4時)



わずか2日で暗転

2021-07-30 22:53:00 | 時事
日本大使館が在留邦人のワクチン接種に関して専用受付の設置をする、と27日午後の説明会で発表して期待が高まったのですが、2日も持たずに期待がしぼみました。

29日に発表された仔細を見て愕然とした人も少なくないでしょう。
指定の病院で60歳以上か基礎疾患持ちか妊婦から登録して予約、って既に5月頃からやっていた内容とどこが違うのか。タイ政府の方針(優先順位)があるとはいえ、既に日本でいう所の職域接種で年齢や持病に関係なく接種が始まっているわけで、そうした情報を正確に把握する情報力、タイ政府と交渉する交渉力が無い、と言っているに等しい結果です。外交官に問われるのはキャバクラでのコミュニケーション力ではなく、邦人保護への熱意と使命感、現地政府との交渉力ですよ。それが分かってないのであればいるだけ無駄です。

だいたい指定病院では既に個別に上記の属性対象の接種予約は続々実施中で、確かに予約は1ヶ月近く先になってしまうことも多いとのことですが、英語が分かれば(読めれば)予約できるような状況での「日本大使館スキーム」、今更感どころじゃありません。内容を見ての率直な感想は「既視感」「デジャブ」です。

タイの状況が深刻で混迷を増しているわけです。私立病院スキームのモデルナにしても契約はしても世界的な供給遅れで第4四半期に実施するという当初予定がズレ込むと病院側が公式に発表していますから。
ある意味これを待っている、という一般向けのmRNAが遅れる、感染拡大は激化の一途、という最悪に向かいつつある環境を踏まえたら、デジャブのような施策ではなく、実効性、スピード感のある施策が必要です。

その意味では最低6週間強の「戦線離脱」が必要な一時帰国スキームに、今までの登録は何だったんだという日本大使館スキームでは絶望しかありません。
日タイとも同一種類のワクチン2回でしか接種証明を出さないと明言しており、足元はアストラゼネカ2回が最善で、モデルナ2回は年明けまでかかりそうという状況では、一時帰国スキームをしぶしぶ使うしかなく、業務に相当な影響が出ることを覚悟して一時帰国の人繰りを始めた企業も出てきているようです。

これでまさかとは思いますが。40歳以上の臨時接種が容認されたアストラゼネカを、海外では使っているからと一時帰国スキームに回す可能性が無いとは言えないこと。おそらく政府の本音は現地で接種できるのに帰ってくるな、というところでしょうし。でないとあれほど使えないスキームにはしないでしょう。

それにしても、大使アゲの皆様、速攻ではしごを外されるとは思わなかったようで、日本大使館スキームへの言及すらしなくなったのは哀れみすら感じます。




急拡大期の行く末

2021-07-29 21:29:00 | 時事
今週に入り吹っ切れたように感染「爆発」状態になっているわけですが、4連休明けで検査が集中している(実際東京都の検査数は26日以降1万5千人を超えている)という特殊要因があるとはいえ、逆に検査数が少ない連休中の検査結果でも1000人台中盤をキープしているのはどう説明するのか。連休による検査数のアヤなどではなく、検査数が少なくても発覚する、すなわち発症している感染者が激増しているという最悪の状況です。

分科会会長も警鐘を鳴らすのはいいんですが、同じことの繰り返しではただでさえ緩みまくっている国民に届くはずもなく、逆ギレした国民が食って鰍ゥる末期状態です。
まあ「軽症および無症状」を大半が無症状と都合よく解釈したり、無症状が感染力最大ということを無視して無症状者が大半だから放っておいて大丈夫とか、勝手解釈で規制を否定する国民の剣翌ヘ相変わらずで、そうした油断と隙に付け入ってきたのが各国でのデルタ株(インド株)なんですが、日本も後を追うのでしょうか。

重症者は増えていない、死者は極小化している、と言われていますが、感染拡大期に重症者や死者の数は遅れて増加するわけで、これからの話です。さらにデルタ株への置き換わりが進行中なので、感染者数の急増と重篤化も進行するわけです。

そもそも重症者ガー、という手合いに見えていないのが、中等症レベル、いや、状況次第では軽症レベルであっても入院が必要だということ。中等症以下に適切な治療が行われなければ、これまでなら回復していたはずの患者が重症化するわけで、我が国の基準では重症者は「死の淵」と言ってよく(東京都の独自基準はさらにそれが鮮明)、中等症以下に入院という選択肢が与えられなくなったら、第四波当時の大阪のように入院待ち→急変して死亡、という最悪の事態が続出しかねません。

感染爆発状態が浮「のは、インド、インドネシアにおける入院待ちどころか酸素を奪い合うような状況ですが、タイがまたその道を歩みかけています。急激な感染爆発に病床が足りず、発熱外来にかかるだけで日本円で500万円超の支払いを求められたという話も聞くわけです。体育館などに段ボールベッドを並べた野戦病院ですら満杯で、「隔離施設」と名称を変えたのもその一環でしょう。ホテルを活用したホスピテルはまだ恵まれた方で、自宅待機がメインです。簡単な対症療法の医薬品が提供されたらあとは放ったらかしという話ですし。

こうなったのも途上国だから、と切って捨てる人もいるでしょうが、本来別枠であるはずの富裕層向けの病院ですら上記のような常軌を逸した支払いを求められ、しかもそれがオークション状態で競り負けた人には「残念ながら」となるわけです。金があっても助からない状態に近づいています。

これは結局連日全国では15000人超、バンコク都内だけでも3000人前後の感染者が計上されるに至って病床があっという間に埋まったことが原因です。(バンコク都内の医療リソースに依存する面が大きい首都圏3県を含めると感染者数が5000人超)
日本では病床確保が出来ていないというのが専らの評価ですが、だったら余計に急激な感染爆発で病床が不足するでしょう。無症状は実際には全体の2割程度と多くは無いのですから、決して軽くない軽症者から中等症まで自宅療養が当然となった時、特に中等症で自宅待機を強いられるようになった時、それは東南アジアで見てきた「破局」の再現です。