Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

年末のご挨拶

2023-12-31 17:51:14 | おしらせ
というわけでいろいろあった2023年も終わろうとしています。
今年は滞在中のエリア特有かもしれませんが、30日の夜半から天候がいまいちで、大晦日も時折風雨が強まるという生憎の天候。さらに気温が急降下しており、元日も冴えない天気の予報になっています。


交通の世界では堰を切ったというか歯止めがかからないというか、公共交通としての維持を断念するケースが続出しており、社会問題化しています。そして新線開業の話題も多く、これは2024年にもつながって行きます。
交通がどのような様相を見せるのか。2024年はいきなり正念場になるかもしれません。


一方で値上げに減便と、公共交通を利用することを楽しむという局面がさらに減るであろうことも懸念されますね。
もちろんそんな趣味を返上すればいいだけですが、忸怩たるものが払拭できません。というか、通勤からレジャーまで「あって当たり前」だった需要が消えつつあるという未曽有の事態もまた気になるところで、金づる目当ての集中が更なるシュリンクを呼ぶという負のスパイラルも懸念されます。


せいぜい交通事業者お仕着せの旅行を楽しむしかない、という時代なんでしょうね。そう考えると、来る年はいよいよ従来型の旅行をせいぜい楽しまないとという思いが強いです。

まだ時間がある早いタイミングで、あまり明るくないご挨拶になりましたが、今年も1年ありがとうございました。来る年もよろしくお願いします。




2023年12月31日
Straphangers’ Room/習志野原の掲示板 管理人
エル・アルコン拝


東奔西走年内編

2023-12-31 17:36:26 | 交通
年末は東奔西走でバタバタしており書き込みも出来ない状態でした。
年内編のキーワードとしてはインバウンドと全車指定席というところですが、国内有数のインバウンドに人気の観光都市はまた近隣の人気スポットへの交通拠点でもあるのに、バスの券売機が日本人であっても初見殺しの仕様で、インバウンドにはお手上げ状態でした。2枚買いたいときにあとから個数ボタンを押すと「2行」で出てくる謎仕様とか、クレカ一括払いでLump sumと聞いたことがない単語が出て来るとか(一般的に従量ではない定額払を指す単語。海外のクレカ決済ではまず見ない)、インターナショナルブランドのデビットが使えないとか、これは厳しいです。ターミナル内に発車時刻表がなく、乗りたいバスがどこから何時とその後は何時に出るのか、という情報が分からず、ちょうど前で苦戦していたインバウンドの2人連れに買い方指南をしたんですが、発車案内がどこにもなくて参りましたね。彼らはスマホの翻訳で日本語で「XXに行くバスはどこですか」と聞いてきてくれているのに。

そして20年ぶりの全車指定席となった「のぞみ」を利用しましたが、乗客数が段違いとはいえ、超繁忙期の空港と比較してもカオスに過ぎるわけで、駅弁屋は寿司詰め状態で(押し寿司を買ったら悪い冗談・・・)、キヨスクレベルの店まで入場制限とは驚きです。荷物を持って買い回るという前提に対応できていないのも厳しいです。
乗り場では乗車口ごとにプラカードを持った係員が誘導しており、立席は1両の片側でしか乗せないようにしています。ただ昼過ぎの「のぞみ」でしたが結局立客はいるかどうかというレベルで、座席定員こそ岡山までは満席状態だったとはいえ、こうなると体のいい値上げに過ぎなかったのか、あるいは微妙に利用客を減らしたのか。「こだま」自由席で割り切る人も少なかったようでしたし。

ネットではお馴染みの自由席特急券でちゃっかり、とか譲れ攻撃の手合いは見ませんでしたが、同じ子連れでも航空機とは雲泥の差としか言いようがない客層でしたね。御多分に漏れず隣席は家族連れで、幼児を夫婦の間に座らせて2席で3人のパターンでしたが、自由席だと3席占有していたのかもしれませんね。そこかしこで「2席で3人」をみましたから。まあ新大阪まで子供が金切り声を上げ続けていたり、親はいきなり靴だけでなく靴下まで脱ぐとかお察しのマナーでした。
車内放送でも「空席があっても座れません」と初手から「あわよくば」を排除していたのは有効ですね。どうせなら「自由席のきっぷは値段が違います」と「あわよくば」や「譲れ攻撃」が払うべき料金を払っていない、ということを明示してほしいものです。

そして目的地の駅に着いた際、ここでこんなに降りるというのを見たことがないくらいの降車客に呆然としましたね。
「こだま」乗り継ぎも少なからずいましたが、コンコースに下りるESの列が両側立ちなのに(だからこそ)全く進まず、「こだま」が到着してしまい、さらなるカオスを生んでいました。乗り換え改札から外への改札も列をなしていましたが、ここでピンポン鳴らす人が多いのも困ったものです。


タイミングの悪い提灯記事

2023-12-27 22:02:44 | 交通
ネットの記事ではあからさまなステマが目立つのも鼻白みますが、事業者の改悪に対する反感を抑えようとして取り上げているのでしょうか、なまじ取り上げて直後に値上げというと印象最悪なんですが、書いたライターとサイトが「痛い」ことになってしまいます。

普通列車のグリーン車での小旅行を取り上げて、しきりに現行料金体系が前提で高崎や宇都宮とか100㎞超の利用を推していますが、3月改正で極悪な値上げがあるゾーンですからね。冬場に出かけて次に出かけるときにびっくりとか、春になって行こうとして全然安くないじゃんとかなるのがオチです。

と思ったらそんなお遊びにうつつを抜かしている場合かとしか言いようがない内容の記事も出てましたね。
線路トラブルで脱線事故を起こしたうえに、さらに線路状態に深刻な異常が見つかり、2ヶ月程度の全線運転休止という、安全運行が担保できていないという最悪の状態に陥った弘南鉄道で、お遊び電車のお披露目、という記事が平気で出ているわけです。
いやしくもニュースというのであれば、まずそこを問うべきですが、それもしないでお遊び電車の宣伝にこれ務めているのであれば、事業者の広報請け負います、というレベルに過ぎません。

災害でもないのに運転休止に追い込まれるというのは、正面衝突連発で停止命令が出た京福(福井)以来聞いたことがありません。脱線事故を契機に保線状態に疑義がありダイヤ変更を強いられた銚子電鉄や神戸電鉄だって運転休止にはなっていませんから。それくらい異常事態に追い込まれた鉄道がお遊びですか、と問うのは極めて自然ですが。



願わくば「ネタニマジレスカコワルイ」と批判されたい

2023-12-25 22:23:44 | 交通
「美味しんぼ」で海原雄山が調理人の喫煙を咎めて「この洗いを作ったのは誰だぁ!」と怒号を上げて器ごと叩きつけるシーンがありましたが、それを使った伝説のAAの一類型に「この糞ダイヤを作ったのは誰だぁ!」と叩きつけようとする器に「千葉支社」の文字があるというものがありました。

それで見た人が笑うくらいにくらいにJR東日本千葉支社の斜め上っぷりは半端なく、国鐵廣島と恐れられたJR西日本広島支社と双璧であり、千葉県民が千葉支社を褒めることはまず無かったわけです。両支社とも国鉄時代の鉄道管理局当時は新車も入り冷房率も高いとハイレベルだっただけに、ここだけは少なくとも「国鉄時代はよかった」と胸を張って言えました。千葉支社に至っては国鉄時代の新車を引きはがして10年以上古くなる高年式車にするとか、火を噴いて乗客が負傷するまで置き換えを渋るとか、常軌を逸したレベルでしたから。国鉄が末期の経営破綻寸前の時期ですら、一部コストダウンしたグレードダウン車とは言え新車で201系を投入したのに比べると最低の支社です。

そういう状況をリアルタイムで見て、いや、体験してきただけに、千葉県がJRを軽視という視点は全く持ち得ませんし、歴史修正主義も極まれりとしか言いようがありません。煽りとかネタであれと祈るしかないコメントを目にして当惑すらしています。

SA線についての理解もそう。成田輸送ではらわたが煮えくり返るのは京成の方ですからね。自社企画で空港線を建設しながらターミナル乗り入れを拒まれ今の東成田からバス輸送という冷遇に遭い、開業が遅れに遅れて設備投資が何年も死んでしまい挙句の果てには極左暴力団にスカイライナーが焼き討ちされるとか散々でしたから。京成の経営危機の一因には成田輸送に振り回されたことがあります。

そのくせ新幹線は出来ないし、国鉄時代には目と鼻の先の土屋まで完成した路盤を活用せずに成田駅からバス連絡、しかも荷物のことを全く考えていないツーステップの2扉路線車とまったくやる気がなく、だったら京成に任せろという声が出るのは当然でしょう。それを踏まえてのいわゆる「Bルート」でありそれが今のSA線であり、それはかつてはターミナルに入るのを拒んだ国が選択した現実的な回答です。

そしてターミナルへの乗り入れが具体化してくるとJRが割り込んできたわけです。この成田輸送も京葉線の通快と大きく関係していますが、ネットの記事もコメントも全く触れていませんね。それくらい浅薄な認識で記事にしているわけです。
JRが成田輸送を本格化させるためには、屈指の重通勤路線である総武快速線の線路容量が足りないわけです。国鉄後期ですら黒字を確保して、黒字の絶対額では新幹線、山手線に次ぐレベルでしたから。特急が毎時3本(ピークは4本)占有していたわけで、快速は成田快速を延伸すれば済むとして、特急はどうにもならなかったため、京葉線に外房、内房特急を全振りしたわけです。

房総は京葉線、という習慣づけもあって、京葉線経由の速達化は実現しています。もちろん外房快速、内房快速の枠を空けるという目的もあります。そうして誕生したNEXが千葉県にとってどれだけ迷惑な存在だったかは言うまでもない話で、じゃあ快速はというとそれが千葉や佐倉、成田でNEX退避と散々でした。毎時3本の本線特急(当時は成田まで通過運転)を確保した京成に流れるの至極当然です。そして連日満員だった朝の上りライナーもNEXになりましたが、スモークのかかったガラス越しにも空席が目立ったNEXに、着席通勤を奪われた恨みは募りましたからね。

それこそ33年経った来春ですよ。普通の特急料金になって千葉からでも活用できるようになるのは。なまじ突っ走るから東京駅時点で10分前までは市川か津田沼で退避が必要で、それもあって運転間隔が夕ラッシュ時でも10分程度空く、という迷惑は相変わらずで、しかも東京駅での分割併合でホームを塞ぐからこれも間隔が空く原因です。

これは指摘がぽつぽつ出ていますが、京葉線経由のアドバンテージがなくなれば総武快速線への再シフトがあるという見立てもありますからね。NEXに荒らされたままで利用だけ徒に増えるとなったら総武快速線ユーザーとしては最悪です。
ちなみにネットの記事では京葉線沿線の住宅が開業で整備された、としているものがありますが、少なくとも検見川浜、稲毛海岸の駅勢は京葉線が西船橋開業で産声を上げた1986年のさらに前から成立していましたから。海浜バスが新検見川や稲毛に通勤客を輸送していましたし、その流動を妨げないようにR14をオーバーパスするルートが確保されていました。

なお、「70㎞60分通勤圏」は30年経ったからご破算ではなく、定着したんですよ。それこそ昔は通勤圏じゃなかったわけですが、それを知る人は世代が変わっていなくなり、遠めの通勤圏として認識されているわけです。あるいはそうして購入した現役世代もまだいるわけで、大迷惑です。これ、関西で言えば新快速を40年近く前のように日中運転に戻します、とかいうようなものですね。姫路や東播、また滋賀県下は大阪へ新快速で通勤する前提の人が少なくないですが、第一陣がリタイアしたからもう終わり、なんて言われたら暴動ですよ。

そして千葉支社の言い訳も噴飯どころじゃないわけで、快速通過駅の利便性が向上、とはとんだご挨拶です。
重要性の判断も出来ない、という無能を示したのでないのであれば、千葉県や自治体、県民を馬鹿にしているとしか言いようがないわけで、あるいは越中島、潮見や二俣新町といった快速通過駅の利用者で利益を享受する人と、海浜幕張から先、外房線、内房線沿線に至るまでの損害を被る人の比較という小学生でもできる勘定が出来ないのか。そうでなければ浦安市民以外の千葉県民に対する嫌がらせ以外の何物でもありません。

余談ですが、房総直通が原則普通という状況、1972年の総武線複々線化(総武快速線開業)以前に戻る格好ですね。日中の黄色い快速(半分は千葉以遠各停)のほかは、房総ローカルの普通の一部がそのまま緩行として中野や三鷹に直通していました。まさに半世紀以上の時を経ての先祖返りです。それくらいの逆コースですからね。



ガラパゴスのスマホアプリ対応こそムダ

2023-12-25 22:19:31 | 交通
あとから精算型のフリーきっぷが増えていますが、これが各社のICカードあるいはモバイル紐付けというガラパゴス仕様になっていることへの批判を過去にしました。モバイルだとアプリ立ち上げが面倒かつエラーが多々あるという指摘もしましたが、それは当然想定されるものとしてJR西日本が、「改札通るたび、アプリは開かないとダメ?」という問いかけにゴルゴ13が「ムダなことはするな。そのままタッチだ」と渋く語る中吊りが出ています。「知れば一択。モバイルでICOCA」とゴルゴ13の特徴ある字体で迫り、アンドロイドとiPhoneの設定も書いており、なるほど、これで大丈夫、と思いそうですが、ここに落とし穴が。

問題が発生するのは異なるエリアでの利用時です。メインカードの設定は当然普段使いのエリアになるわけです。各社もポイントで囲い込んでいるわけですから。あるいはたまに上京した際にG車に乗るのでSuica使い、という関西在住者も少なくないでしょうが、こういうケースで最近流行りのICOCAベースのあとから精算型は困るわけです。

物理的なICカードであればまあいいんですが、半導体不足を理由に、というかもうそれがインチキであることはクレカを見ればバレバレというのに、モバイル全振りのために発行しないという強硬策に出ていることで、モバイルで登録するしかありません。
で、Suica用のスマホ、ICOCA用のスマホ、というわけにはいきませんから、同じスマホで切り替えが必要です。

この切り替え、当然ながら自動ではないわけです。そりゃそうです。全国共通交通系ICという触れ込みですから、G車乗車時を除いてはどちらのカードでも乗れますから、切り替える必要がありません。ところが切り替えなくても乗れるからとんだリスクがあるわけです。それこそアプリを立ち上げる必要はない、タッチするだけだ」とタッチしていたらJR西日本の商品なのにSuicaで乗っていたでござる、という悲劇が発生し得るのです。しかも3000円だ5000円だというそれなりの商品です。元を取るにはそれ以上の利用をするわけで、それが単純に個札乗車で決済されただけだと悲し過ぎます。

各社のアプリ経由でダウンロードしました、紐付けしました、で商品は決済されますが、メインカードの設定が違っていたら、商品は購入したけど一向に使われない、という二重払いどころでない事態が起こります。アプリ立ち上げとQRコードの読み取りであればそうしたリスクは起こりません。

百歩譲ってもメインカード切り替えは絶対的に固定されるのか。当初設定(初期設定)に戻るといった落とし穴はないのか。IT関係あるあるとして、そういうエラーの発生を無視して本番稼働させることをよく見ていますからね。交通事業者のほか、通信事業者、ハードメーカーが絡むので、無責任体制が出来上がってそうですし。

現在インバウンド対応を前提にQRコード対応各社で急速に進んでいます。特に関西私鉄はスルKAN協議会を中心に導入を進めています。各社連携で発行されているフリー系のアプリ化がQRコード方式で進むことも予想されます。
フリー系はもともと提示で対応していたケースも多く、改札機は有効判定のみ行っていたわけですから、使用開始登録で(払い戻し不可)で十分ともいえます。

ちなみに青春18も同様で、JR線全線有効ですから、使用開始登録さえ出来ていれば実害はないと言えます。
使用開始登録は利用者が行なえるようにして、改札機を通過可能とすれば、これまでの問題点の多くは解消されますね。改札機も簡易機はタッチ不要とすればQRコード読み取り機の設置は不要ですし。アプリ化すれば個人への帰属が極めて強いスマホ内に格納されることで、転売や使い回しのリスクも自然と減るでしょうし。その意味ではアプリとの親和性がかなり高い商品です。高齢者を中心としたスマホを使いこなせない人への対応としては、紙券を残すが特にフルバージョンの改札機が一般的な大都市圏における不利益があることを周知し、かつ料金に差をつけていいでしょう。

こうしてみると、企画券はQRコード対応が望ましいです。ICカードで対応するにはクレカのような後払いしかないわけで、実際、ETCの企画商品、NY地下鉄・バスの乗り放題券はポストペイの請求時に調整しています。それをプリペイドで対応させようとするから、あとから精算という厄介な手法となるわけです。現金で戻せないんでしょうね、ポイントで戻すというのも実は不便ですし。