Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

九州場所総括

2011-11-30 01:15:00 | ノンジャンル
一年納めの九州場所が終わりました。
稀勢の里の大関取りは、予定調和というか何と言うか、内規の33勝に達しなかったのにOKという、出来レースと言うかそれこそ八百長というかの結果ではファンも呆然です。

10勝4敗で迎えた千秋楽、昇進にはこの1番の勝利が必要で、相手は新大関琴奨菊というお膳立ては、まさに大関としての資格があるかという最終関門ともいえるものであり、取りこぼしもあった稀勢の里としては新大関を唐オてこそ堂々の昇進といえました。

それが取り組み前に審判部が昇進を口にしてはドッチラケです。
いや、10勝5敗、3場所32勝での昇進は私自身は有りと思っていますが、事前に言ってはいけません。案の定取り組みは気合いの抜けたものであり、あの相撲内容では見送りではと思わせてしまうものですし、この内容では見送るべきだと思います。

内容が濃い取り組みで敗れたのならともかく、あんな取り組みでは評価も落ちます。32勝の内容も、先場所が12番ですが、今場所と名古屋が10番では物足りません。2場所連続11番のほうがまだ大関としての安定感が期待できますし、昇進直前が先場所より落ちて10番では景気も上がりません。これまでの昇進は概ね直前場所の成績が11番以上ではなかったでしょうか。

そういう意味では、直近の白鵬との戦績と相撲内容が評価されての話だっただけに、千秋楽の相撲内容がその前提をぶち壊したのであり、これで理事会招集はまさに「勇み足」でしょう。

場所自体は大関陣が相変わらず不甲斐なく、白鵬の独走を許したのはいけません。
琴奨菊も終盤の4連敗が場所の興味を失わせましたが、ただこのあたりは「どんぐりの背比べ」ゆえの似たり寄ったりの星ともいえるわけで、次を狙う器量も無い「吹き溜まり」を如実に表していますし、琴奨菊も抜け出す期待がしぼみました。

白鵬はするすると抜け出したかと思うと把瑠都に足下をすくわれたわけですが、相手が磐石の横綱であれば、下は奇襲、変化を考えてもいいわけです。そういう意味では格下がまともに行き過ぎるのも白鵬の独走につながっているのでしょう。

三役陣は稀勢の里ですら10番ということで星が上がりません。外国人中堅層が軒並み大崩れしたこともあり、無風の中順当勝ちという感じの白鵬の優勝であり、次を狙う層が薄すぎる現状は問題です。



TPP賛成派の化けの皮

2011-11-30 01:08:00 | 時事
TPPにおける反対派の懸念に対する賛成派の説明がいまひとつ具体論に欠け、「バラ色の未来」で総て解決と言う定性的な説明に終始していることがまた疑念を呼ぶわけですが、首相が参加表明をして、カナダ、メキシコが参加表明をしたことで、「やはりバスに乗ったほうが良かった」という流れになっています。

冷静に考えれば、カナダ、メキシコがなぜおっとり刀で参加表明をしたかはすぐ分かるわけで、米国との3国でNAFTAを構成しているのに、対日本では「甘い汁」を吸えないのでは困る、というところでしょう。メキシコなんかは対米では苦汁を舐めていますが、対日本では比較優位を保てますから。

そう考えれば、参加国数が増えたことを単純に喜ぶことは愚かしいことであり、丸々太った豚が無防備で門前に立つと知った近所の人が大勢詰め鰍ッているの図かもしれないのです。

さて、TPPに参加しても国益を守ると大見得を切った政府であり、今後の交渉次第だと懸念を和らげてきた賛成派ですが、政府として参加表明をしてしまえば綸言汗の如しでもう撤回できないと安心したのか、舌の根も乾かぬうちに「前言撤回」に走っています。

その際たるものが朝日で、「教えて!TPP」なる解説記事で懇切丁寧に説明します、とドヤ顔で安心を振りまこうとしましたが、早速ぼろを出したと言うか、これまでの2国間協定その他では容認されていた農業などの関税が原則ゼロになります。といきなりちゃぶ台をひっくり返しました。

例外容認にはハードネゴが、というわけで、事実上無理だよ、と言っているに等しい「解説」を見ると、「最初っからそれが狙いか!」と言いたくなりますし、出来もしない例外設定をさも出来るように言いふらしてきた賛成派の二枚舌を引っこ抜きたくなります。

また、国産牛肉の生産が自由化前後で微減だから国産も競争力がある、と農業問題について安心をふりまいていますが、これも論点外しです。
生産農家の数が約16万戸の減少、率にして実にわずか1/3になるという生産の集中で、一部の勝ち組と多くの転廃業という負け組の二極分化になったわけで、「産業」「雇用」という意味ではまさに死屍累々です。

国内産業の問題というのは、就業も重要な要素というのがわかっていない、いや、分かっていてとぼけるようなメディアが旗を振って来たことは忘れるべきではありません。


行くぜ、東北。

2011-11-29 00:57:00 | 交通
JR東日本の東北応援キャンペーンが最近目に付きます。E5系の緑、赤、灰の3色を基調にした「行くぜ、東北。」キャンペーンですが、ぱっと見では何とも押しが強く、くどいんだ、とネガティブイメージすら感じました。



しかし「今行かなくて、いつ行くんだ」というダメ押しのキャッチコピーを見ているうちに、未曾有の大災害からの復興を軌道に乗せるには、それくらい強引に引きずり込まなければ、という気持ちになってきたのも事実であり、そう考えたら押しの強さも元気の表れとャWティブに見えてきます。

こうしてみると、この元気なキャンペーンこそ、「JR東日本パス」のような破壊力のある企画商品で突っ走って欲しいものですが、「東北応援パス」はそういう意味では力不足です。
山手線などの車内モニターでの宣伝では東北各地の観光名所と「東北応援パス」が前面に出ていますが、やはりパンチに欠けます。



皮肉なことに、1ヶ月前の指定券発売への対応と言うアヤもあり、早くも年末年始の企画商品の宣伝が始まりましたが、2009年以降定番となった「お正月は列車でふるさとへ」キャンペーンもまたJR東日本が力を入れているだけに目に付き、エリアがほとんど被るだけに何とも勿体無い「競演」になっています。

こちらの目玉商品は早くも定番商品になった感のある「ふるさと行きの乗車券」ですが、初年度の単純往復型から昨年度大きく進化したスタイルが踏襲されています。
要は往復で途中下車ができない、優等列車の料金券が別売りの「ミニ周遊券」であり、ここまで来ると使い勝手もお得感もかなりのものになっています。

エリアごとに細分化され、往復ルートは限定されていて途中下車も出来ないのに「東北応援パス」より高いケースもありますが、何と言っても7日間有効という懐の深さが大きく、青森・秋田エリアや宮城・山形エリアのように現地フリーエリアが広いものは帰省後の使い勝手もまた楽しみです。

子供料金が北東北3500円、南東北・信越が3000円均一というのもお値打ちで、これなら「東北応援パス」なんて中途半端な商品を出すよりも、「ふるさと行きの乗車券」を12月から出すほうがよほどパンチ力があったのではないでしょうか。



余談ですが、「行くぜ、東北。」キャンペーン、東北6県を対象としているのですが、やはり「被災地」とのズレが気になりますね。
「福島」ならまずはいわき市を前面に出してあげるべきなのに、常磐線の広野以北が不通ということもあり、磐越東線はありますが一種の袋小路状態とあって、なんか忘れられた格好です。

いわんや「東北」に入らない被災地である茨城、千葉のことも少しは思い出してください、という状態では、失礼な物言いを省みずにいえば、「お相伴」に与るような山形庄内や秋田の宣伝を見ると、やりきれなさすら感じます。




そんなにスパコンが嫌い?

2011-11-29 00:55:00 | 時事
処理速度世界一を防衛した神戸のスパコン「京」ですが、「世界一」の看板と早速の活用に、「二位じゃダメなんですか」の御仁のピエロ振りがますます際立っています。おりしもまたぞろ「仕分け」をやってますが、行革担当相として前面に立たざるを得ないだけに、「二位じゃ...」がキャッチコピーのようになってしまっています。

それにしてもこの手の分野で「二位じゃ...」が自明の理というか、意味が無いと言うことは言わずもがなであり、「京」の運用開始はまさにその自明の話を再確認したとばかり思っていました。
ところがどうしても「京」を否定したい人が多いようで、国会の仕分けで懲りもせずに仕分け対象となるや諸手を上げて賛意を示しています。

特に朝日の報道はまさに手を変え品を変えで、「京」のプラス記事には必ずネガティブ記事をつけるような徹底振りです。先日も同じ日本発で世界5位となった汎用品ベースのスパコンを持ち上げて、やれ費用対効果が悪いだのと貶しまくっています。

とにかく根本が判っていないんでしょう。世界一のスパコンが必要な局面で、世界5位のスピードはお呼びじゃ無いことを。特許その他の要因から、1位の総取りであり、2位には何のメリットも無いのです。朝日あたりは愚かにも銀メダルでももらえるとでも勘違いしているんでしょうね。

TPPへの賛成もそうでしたが、要は日本の産業や国力をいかにして削ぐか、という発想が見て取れます。「二位じゃ...」「5位のほうが...」という愚かな論を垂れ流し、世論をミスリードしているわけです。


合理的な存続案?

2011-11-28 23:18:00 | 交通
「日本海」の廃止で残る寝台特急は乗車自体を楽しむ列車を除けば「あけぼの」「サンライズ」のみになります。一方で「カシオペア」「北斗星」「トワイライト」の3列車は当面安泰のようですが、これとて青函トンネルの新幹線化によってどうなるかはわかりません。

一方でJR九州がクルージングトレインを打ち出すなど、移動手段ではなく乗車すること自体を楽しむ形態としての方向性は今後も存続するようですが、「公共交通」として高速交通に恵まれない地域での効率的な交通手段としての寝台列車を「安楽死」させることとの両立がどうしても納得できません。

そう考えた時、以前から不思議に思っていたのが、ダイヤの組み方次第でクルージング需要と日常利用ニーズを両立させることが出来るのになぜしないのか、ということです。

東京発のブルトレがまだ複数本あり、関西発の九州特急が絶滅寸前のとき、東京を夕刻に出た列車が京阪神地区を23時から0時頃に通過していたわけですが、このダイヤを活かせば東京から九州へのクルージングと、京阪神から北九州への都市間輸送を1個列車で両立できたわけです。

「北斗星」もかつては上りは青森で利用できるダイヤがあったわけで、北海道へのクルージングと、青森、函館エリアへの都市間輸送が両立可能でした。
そして今回の「日本海」にしても、極端な話、これを「トワイライト」としてそのまま札幌に延伸してもよかったわけです。下りの札幌到着が極端に遅くなりますが、豪華列車で1日ゆったり、というほうが、終点の札幌ですら朝10時前に「チェックアウト」、というせわしない現行ダイヤよりよほど「クルーズ」ですし。

お金をかけるどころか合理化すら出来るこうした対応もしないというあたり、もう何を言っても無駄という姿勢を痛感するのですが...