Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

103系にクローズアップ

2023-01-27 23:12:13 | 交通
東急8500系が遂に全車退役しました。永遠に残りそうな感じでしたが、本当に消えました。まあ大御所東武8000系がいますから、とはいえ、1975年から半世紀近く、よくぞ残っていました。その意味では大量生産の本家本元?103系もまだ残っていますが、いつの間にかJRWとJRQだけになり、約50両となりました。ちなみにJRQの103系は1500番台なので趣が違い、201系レベルのアコモを抵抗制御で新製した(筑肥線は本数の関係で回生車が入らない)ものであり、真の103系はJRWに残るものだけです。

そのJRWでも大多数が播但線と加古川線用に改造されたグループであり、貫通扉をつけた加古川線は103系とは思えない姿になっていますが、播但線は比較的オリジナルに近いです。その意味では和田岬線用の6連1編成が「最後の103系」というにふさわしいですが、そもそも検査時には207系が3+3の6連を組んで代走するわけで、いつでも置き換えが可能と言えば可能です。

さてNHKの関西ローカル「ウィークエンド関西」に鉄道での小旅行をテーマにした「ノッていこう」というコーナーがあるんですが、21日の放送では和田岬線を取り上げていました。いかにショートコーナーとはいえ和田岬線で話題が持つのか、という感じでしたが、兵庫駅の「乗る前に集札」の改札機に始まり、旋回橋に、引き込み線が昔はいっぱいあったという話題まで何とかつなぎました。川車にもつながっている部分、デビュー前の新人が走るという表現は言い得て妙でした。まあ日中は列車がありません、休日は2往復だけです、と言っても地下鉄海岸線で行けますから、ということには触れず仕舞いでしたが。103系に焦点が当たり、座席の大半が撤去されたキハ35やオハ64の時代は触れず仕舞いで、おそらく唯一「土曜ダイヤ」がある路線というのも触れませんでした。

結局このコーナーで「主役」となったのが103系でした。鉄っちゃん向けのコーナーとはいえ、ここまで103系をクローズアップするとは思いませんでしたね。
低運転台豚鼻ライトの関西でお馴染みの顔ですが(大半が京阪神緩行線に投入)、ライトを見てキャー、ドアの音を聞いてキャー、とここまで感心してもらえたら103系も本望でしょう。ただ「走る化石」「シーラカンス」とかひどい言われようでしたね。
もっとも乗客には見えない乗務員室の扇風機に未だ「JNRマーク」が残っているのはトリビアでしたが。1963年の山手線デビューの頃の映像も流れた後、京都や大宮などの博物館にいます、と走る化石ぶりを強調していましたが、博物館が弁天町時代にはトップナンバー車の模型が館内にあり、高架線を環状線で現役としてトップナンバー車の現物が走っている、というまさかの事態はさすがに出てきませんでしたが。



第三次大戦か第二次冷戦か

2023-01-27 23:11:18 | 時事
結局ドイツは最新鋭戦車のウクライナへの提供を自国及び運用中の各国に認めました。それを受けて米国も最新鋭戦車の供与を決めており、いよいよ「代理戦争」の様相を強めています。要は兵站を欧米が担っているわけで、兵站は参戦にあらずという理屈など通用しないでしょう。そうなれば欧米対ロシアの戦争ですからね。事実上の第三次世界大戦です。ちなみに開戦時に「じゃあこれ世界大戦ね」とは誰も言ってはおらず、あとから名づけるわけですから。

「世界大戦」となるとそこかしこが戦場という印象ですが、実際には「いま戦争なの?」というような空白も発生します。第二次大戦でも開戦発端となった1939年のドイツによるポーランド侵攻とそれに呼応したソ連によるポーランド東部の占領のあと、独ソ間は不可侵条約が発効しており、宣戦しているのは
英仏と独の間でしたが(ゆえに冬戦争は「別枠」になっていた)、実際には1940年の中立国ベルギーを経由した独軍のフランス侵攻まで宣戦した当事国間での陸戦はありませんでした。(海戦や通商破壊戦はあった)

いわゆる「奇妙な戦争」ですが、フランス降伏から独ソ戦開始、日米の参戦と一気にエスカレートしてもスタートは1939年9月のポーランド侵攻と見做されており、今回のウクライナ戦争も「終わってみれば」の話になるのでしょう。
我が国は欧米に追随しているわけで、森元首相がロシアとの関係を断つのはいかがなものか、と批判したら総すかんですが、今のところは後方支援すらしていないとはいえ、「世界大戦」の枠組みにどんどん組み込まれています。現代の「奇妙な戦争」が本当の戦争になるタイミングは来るのか。そしてその時我が国はどうなるのか。

第一次、第二次とも二正面作戦となったドイツと違い、現状は一つの正面しかないロシアはその国土の広さと資源もあり、「百年戦争」を覚悟するかもしれません。エネルギーというアキレス腱を擁する欧州がどこまでやせ我慢できるかでもあり、しかしながら石炭火力や原子力を容認すればロシア依存は劇的に下がると考えたら、とっとと方針変更に走るかもしれません。そもそも経済で目の上のたんこぶである日米の足を引っ張るためのロジックですから、お家大事の局面だと簡単に撤回するでしょう。

あるいは戦火がどこまで拡大するのか。ウクライナとクリミアだけで留まるのか。クリミア奪還を主張するウクライナを除き、休戦に至る条件を示せないだけに。最悪は欧米による兵站を問題視して戦争が拡大することでしょうね。ただ露軍はそこまでの積極攻勢をイメージしていないでしょうし、プーチン大統領もそこまでは考えていないはずです。しかしソ連が崩壊して資本主義国として、そして一応民主主義国家としての新生ロシアになっても欧米諸国の仮想敵国のままであったことを考えると、単純な休戦ではじり貧ですから、戦火を拡大しての焦土からのガラガラポンを狙うリスクはあります。あるいは同様に米国が仮想敵国視を隠さない中国と組んでの「百年冷戦」を覚悟するかもしれません。中国も「明日は我が身」と悟ったら単独で抗うよりも「同志」がいるうちに行動するでしょうし。

その時アジアはどうなるのか。中国の影響を考えたら、我が国が孤立する、という可能性もありますね。経済面で尻尾を振るしかない東南アジアはもちろん、既に折に触れて中国寄りの姿勢を隠さない韓国も怪しいですし。台湾も政権次第でしょうね。侵攻を受けるリスクが高いとはいえ、「冷戦」段階での断絶で国家が特に経済面で持続できるかがカギです。そうなると逆に米国との関係第一の我が国は必然的に孤立しますし、軍事的な「最前線」としての義務を果たすことになります。ロシアと中国にとって太平洋への「栓」ですから。


疑惑の融雪装置と論外の運用

2023-01-26 22:37:20 | 交通
JRWのトラブルによる長時間運休、やっぱり必死の擁護が溢れかえってますね。
判断を誤らせるほどの大雪、対応が間に合わないレベルの大雪、ということでJRW無罪、とするのがトレンドのようですが、まず大前提として24日の予報では夕方から大阪でも雪で積雪が予想されていました。もちろん気象庁の「煽り」の面もあるとはいえ、直近の予報で「ウソ」は言えませんから、当日の午後の段階では夕方からの降雪、積雪は周知されていました。実際私の職場でも午後は会社や外部での面着が必須で無ければ帰宅して在宅勤務に切り替えるように指示を出しましたし、夕方前からは天気が急変して気温の急降下と降雪が見られました。

まあその対応のおかげで帰宅困難者は最小限にとどまっています。(JR神戸線沿線で山陽電車の駅からは遠いという播州民) それでも翌日は出勤不能などが相次いで業務に多大な影響が出ているわけで、ネット界隈に溢れる「動かさない勇気」とかいう手合いは、よほどの間抜けかニートかヒキコモリかです。家でぬくぬくとしていられる、あるいは仕事と言っても成果物を問われない「動かないナントカ」の類、ありがちな属性とネットでの声の大きさは親和性が高いでしょうね。

確かに降雪、積雪は急で1時間に7cmという「大雪」で、京都の積雪深は歴代5位の15cmでしたが、実は歴代2~4位は2015年と1993年に記録しており、歴史の彼方という出来事ではないだけに、それで「想定外」というのは擁護にも無理がある話です。しかもその時にこんなザマになってましたか、という話です。ちなみに1時間7cmのレベルで20時間麻痺でも致し方なし、ということに理解を示すのであれば、南岸低気圧による降雪、積雪で首都圏、特に都心が大混乱という時に「それくらいの雪で」とか二度とほざくなとしかいいようがないですね。首都圏、都心での南岸低気圧による大雪はせいぜい3時間程度の間ですからね。先日も札幌で12時間で12センチの積雪がニュースになってましたが、南岸低気圧による降雪、積雪はその比ではないのです。
それと京都での雪は珍しくもありません。琵琶湖線沿線であれば尚更です。それで備えが無いとは言わせません。

現在の融雪装置は昔のようにポイントマシンの下にカンテラを入れて直火で熱する、というものではなく、電熱での加熱になっています。カンテラを挿入して点火する、長期化する時には給油する、といった手作業が不要で、遠隔操作が基本なので、まさに「スイッチ一つ」です。それがなんでこうなったのか。
点火基準とした降雪、積雪ではなかったので、と言い訳していますが、じゃあ本降りになって急遽点火、とはいかなかったのか。雪が積もった段階で作動させても溶けないのか。そんな間抜けな装置なのか。雪国の鉄道のように線路は何処?という感じで埋もれているのであればまだしも、降りたての積雪ですからね。

26日にも装置が作動しているのに雪が詰まって不転轍という事故が山科で起きていますが(外側線からのホーム側への転線が出来ず通過扱いに)、京都も大津も降雪を観測していない状況ですよ。前日の積雪や列車からの落雪は十分想定内なのに融雪不能というのは装置それ自体の欠陥でしょう。であれば欠陥部分が解消しない限り、旧型のカンテラでの対応に戻すしかありません。と思っていたら斜め上の事態でしたね。26日の社長会見で電熱式は雪の多い湖西線などで、山科、京都は旧型のカンテラ式だと言っています。そうなると話は全然違います。どんなに凍り付いても直火で溶けないなんてありえませんよ。京都の気温は25日の明け方でマイナス4度近くまで下がりましたが、氷の温度は下がってもそこまで。液状部分があれば0度です。それが直火で溶けないことはあり得ませんよ。

26日のトラブルも山科ならカンテラ式ということになりますが、氷が溶けない直火っていったい何なのか。説明になっていません。カンテラを最後まで作動させていなかったのでしょう。電熱方式も含めて。作動させていれば遅くとも21時には収束してましたね。必死の護も見事に梯子を社長おん自らに蹴倒された格好です。あるいはカンテラ式と言いながらカンテラの用意が無かった。基準値に達して装置の使用が想定されるまでは別の場所にあり、現場での対応が出来なかった。輸送手段が無くてカンテラを焚くことも出来なかった。あるいはカンテラはあるが油が無いとか。まさかとは思いますが、このレベルの話に見えてきました。26日もそうでしょう。前日はバーナー作業で済ませたし降雪はもう無いだろうとカンテラのセットをしなかった。そういう話では。

JRWの弁明ではバーナーを持ち込んで作業をしたが、ということですが、それで20時間もかかるのか。分厚い氷を溶かすんでもそんな時間はかかりません。全部の支障(故障)箇所を解凍して作動を確認して、という迂遠なやり方で完了確認としていなかったか。あるいは現場の作業員が確保できずに朝になって私鉄各線で出勤してからの対応になったとか。それとも作業員が1組しかいなくて21ヶ所の対応を1組でやったとか。そうでないと20時間もかかる理由が見えませんし、いよいよもって人災、会社原因の災害です。

それこそカンテラを駅に1組用意して駅ごとに対応させれば1時間もかかりませんよ。結局バーナーで溶かすんであれば、やかんで湯を沸かして持って行っても溶けますよ。溶ければ電熱で対応できるのであればそれで十分です。必要なコストは麦茶を作るような大きなやかんが一つです。あるいはガスボンベ式の卓上コンロも用意していれば現場で雪をやかんに詰めて沸かせばいい話です。コストというレベルではありません。IKEAでお馴染みの大きな袋に入れれば1人で十分持ち運びできます。

そして「缶詰」の問題。確かに夜間の積雪という状況で、電気は生きていて空調も効くという環境であれば、再開を待つという選択肢はあります。一方でざせき定員を超過している列車においてはその先何時間も深夜帯に立たせるのか。足元が悪いというリスクだけ考えて、「拷問」的な環境に置くというリスクを全く考慮していません。駅間抑止の問題は大雪だけでなく大雨や人身事故その他のトラブルなど結構な頻度で発生していることを考えたら、対応のマニュアル化、必要資材の準備などは当然していなければいけません。BCPとかいう以前の問題ですよ。

並行私鉄があるという特性があるんですから、例えば並行私鉄に乗り換えさせることが出来るタイミングとしてのカットオフタイムを22時として、そこまでに収束できるかを判断する、というシミュレーションが出来ていないといけないわけです。立客がいる場合には収束が見えていても線路に降ろして並行私鉄の最寄り駅に誘導するといった対応が必要でしょう。逆に全員が着席している場合には安全上の理由で車内待機を要請するという選択肢もあります。駅に降ろしてもその先が進めないのであれば意味がないですし、今回京都駅では結局留置していた「はるか」を列車ホテルにして誘導したわけで、だったら車内待機と大差がありません。

そして車内待機する場合のフォローも必須です。飲食物の配給、簡易トイレや携帯カイロの配布といった対応です。
各編成にそんな準備は出来ませんが、拠点駅に備蓄しておく、理想は各駅に備蓄するということです。これは災害対応にもなりますから。
どうやって駅間抑止の列車に届けるのか、という逆ギレも出てくるでしょうが、それを準備、運ぶのも仕事です。クルマで運搬は難しいというのであれば各駅に備蓄するということになりますよね。何度も言いますが駅間抑止は残念ながらレアケースではないのです。想定外といって免責されません。

ちなみに高速道路、国道などでの立ち往生発生時にドライバーに飲食物の差し入れがあったというニュースをよく聞きますよね。それは誰がどうやって運んでいるのか。異常事態に陥ったユーザー(顧客)への対応ですからね。コストガー、マンパワーガー、という「ぼくのだいすきなじぇいあーる」レベルの戯言が介在できる余地はありません。勘違いする人もいるでしょうから言っておきますが、今回の事象は「会社原因」ですからね。十分想定できる事態への対応を怠った結果であり、免責できるものではありません。

おそらくJRWは対応をとるのが面倒、コストがかさむと考えて、身勝手運休の強化に走るのでしょう。カンテラ一つ用意もしない不作為を正当化するつもりでしょうね。冬場は南岸低気圧(爆弾低気圧)に寒波と降雪、積雪が予想されたらすぐに止めるんでしょう。公共インフラの矜持のかけらもない安直な手段に走るのは目に見えています。交通機関の身勝手運休が結局社会活動全般を止めてしまい、それどころか避難計画すら歪めますからね。昨年も台風襲来時に心酔リスクのある地域の避難指示を出そうとして、交通機関がすでに身勝手運休に入っていて無理だったということがありましたが、行政との調整もなく、一企業の勝手判断で社会活動どころか「国民保護」にも重大な影響を及ぼしています。行政は今後出てくるJRWの再発防止策を厳しくチェックし、安直な身勝手運休を否定しないといけません。

なお1998年に首都圏であった大雪による大規模な駅間抑止(夜間に湿雪のせいでパンタグラフが落下したり架線溶断を起こし立ち往生が多発し、数千人が深夜まで缶詰めになった挙句に線路上を駅まで移動した)のあと、JREは再発防止策として降雪、積雪が予想されるときの間引き運転を行うようになりましたが、現在に至るまで身勝手運休のようないきなりのシャットダウンではありません。首都圏では他社も含めて、また台風などの時でも、比較的スムーズに、そして納得のいくレベルで間引きから運休に入っています。ただJREは回復時、特に翌朝の対応が酷く、運転再開の準備をしないでいるようで、天気が完全に回復しているのに間引きで大混乱、というケースが目立ちます。

そうそう、公共インフラがその維持を放棄するような状況、また利用者をリスクに晒すことを厭わない状況であれば、国民に対して公共交通の利用促進を要請(強制)することなど微塵も認められません。モビリティマネジメントとかTDMとか電車ごっこがお好きな向きがハアハアして金科玉条のように崇め奉っている施策も、我々をリスクに晒す、そこまではいかずとも生活に重大な影響を受ける可能性が高い、いわんや生活レベルの低下が必至という結果が見えているのであれば、「誰得」であり、国民の生活向上という本来の目標と真逆の結果になる施策の実施は許されないと知るべきでしょう。おりしもCovid19の流行で公共交通利用における感染症感染リスクが顕在化しているなかで5類化など感染拡大を厭わない方向への政策変換もありますし。
それで環境ガー、持続可能ガー、というつもりでしょうが、「命あっての物種」ですからね。国民は自己犠牲で地球を守らないといけない、というのであれば、それが正しいのか、受け入れるのかの信を問うべきです。



毎度の立ち往生だが

2023-01-26 22:33:16 | 交通
降雪、凍結時の定番となってしまった主にトラックによる立ち往生ですが、今回の「最強寒波」でも発生しました。
山陽道、中国道が通行止で関西と中国地方を結ぶ流動が殺到したR2の船坂峠で立ち往生、というド迷惑なケースがありましたが、スケール的には新名神の鈴鹿越えで発生した物でしょうか。

まあこれだけ毎冬に発生して原因も対策も分かっているのに繰り返されるというのは、プロにあるまじきというか返上しろと言いたくなるような低レベルな運転手ですが、確かに勾配は結構急とはいえかなり余裕を持った設計のはずである新名神での立往生はどうしたことか。「最強寒波」と言われているなかで、積載は多い、足回りはノーマル、というような無謀なトラックでしょうか。
あるいはスタッドレスの過信もあるでしょうね。基本に立ち返ってチェーン装着を義務化するしかないでしょう。実際にはチェーンを巻いても滑る、というケースもあるのですが、高速道路や幹線国道ではチェーン装着でも走れないような状況にはしない、すなわち除雪の徹底、場合によっては勾配緩和など線形改良も必要です。

走る側も大型トレーラーなどチェーン装着でも走行不能になるリスクが想定される車両は降雪、積雪予報の中では運行しない、という対応も必須です。
スペックでだいたい想像が可能なはずですから、道路管理者側が一定のレベルで警戒情報をだしたら、全車種チェーン装着が義務となり、さらにこの車種は走行が禁止される、という規制の導入も必要でしょう。今回の新名神の立ち往生にしても、原因は1台ですよ。あるいはそれを排除しても同じようにスタックする車両が出てくるとしても全部が全部じゃなく、少数派のはずです。それでこれだけの社会の麻痺を招くのですから、責任は重大です。

そしてメーカーも一般的な運用でスタックするようなスペックを売り続けることを再考すべきでしょう。PL的な考え方では相当斜め上の使用法まで想定しているはずですが、雪道での走行、チェーン装着であればスタックはまずしないというのであれば、チェーンを装着しない運転手が絶対的に悪いとなるだけですが、チェーンを装着してもスタックする、というのであれば、設計の問題であり、それが不可避であれば雪道(となることが想定される時点で)での運用を禁止するしかないです。

ただそもそもは東名、名神はチェーン規制も行わず、除雪を徹底して常に走れるというコンディションを維持することがあったはずなのに、新たなメインルートになった新名神で除雪が徹底していないというのが今の道路の問題でしょう。高速道路も鉄道に負けじと公共インフラとしての矜持を捨ててしまってますから。このあたりはスタッドレス前提で除雪の度合いを軽くしているようで、スタッドレスなら走れる、というレベルで良しとしているから、ノーマルで踏み込むのがどう考えても悪いとはいえ、太平洋側の大幹線を南岸低気圧で太平洋側をメインに雪、という気象条件でもないのに圧雪までは良しとするレベルというのも寂しい話です。

これもコストダウン効果を生むはずですが、じゃあそのコストダウン効果はどうなっているのか。値下げは出来なくとも、コストアップへの抵抗原資になっているはずですが、どうなのか。別に、というのであれば、リスク直結のコストダウンなどしないで、交通、流動の維持を唯一絶対の目標として継続してほしいものです。



覚悟を決めるか、ワクチンに頼るか

2023-01-26 22:29:14 | 時事
中国の感染爆発が峠を越えたようです。ゼロコロナから舵を切ったら堰を切ったように感染者が爆増したわけですが、億人単位の感染者数を計上することで一気に集団免疫を獲得した格好です。おそらくゼロコロナ政策転換のきっかけとなった学生がここに来て検挙拘束されているというのも関連するのでしょうね。政府が絶妙のタイミングで政策を大転換して一気に集団免疫による収束に持ち込んだ、というストーリーが公式版となり、きっかけとなった学生は反政府運動の咎で検挙拘束と。もしこの転換で発生した感染爆発が半端でない死者を招くなどの看過できない結果を招いたら、学生たちはCovid19への責任を問う格好での罪人候補として温存していたが、「賭け」に勝った政府当局はその温存が不要になった瞬間に「本来の罪」を問うた格好です。

中国の状況を見て日本の対応をここぞと反マスクが批判していますが、中国の対応を見ても半信半疑だったわけです。どうやら最小限の犠牲で集団免疫の獲得が見えて来た、ということで各種の数字も比較的本当に近い数字を出してきたのもそれが原因でしょうし、最初から見えていなかっただけに、一歩間違ったら大惨事になるという政策は日本には無理でしょう。中国ですら恐る恐るだったんですから。

おそらく最良のタイミングだったのでしょう。同じように集団免疫を獲得したと推測されるインドの場合はデルタ株時代にそれを招いたため、死者の数も半端でなく、在留邦人の避難問題もありました。一方で弱毒化したオーマイクロンのステージで感染爆発を経験すれば最小限の犠牲で集団免疫を獲得できる、悪運が強いのでしょうね。最初からこのシナリオを確信していたとは到底思えませんし、ある種の結果オーライでもありました。

じゃあ日本はどうするのか。5月8日から5類に格下げしてもウィルスとの関係は何も変わりません。じゃあどうするのか。確かにオーマイクロンのうちに集団免疫を獲得できるレベルの感染爆発を経験できればベストです。
一方で中国の様子を見れば解るように、感染者が発熱等で「戦線離脱」を余儀なくされる一定の期間、社会が止まるのです。5類だろうが2類だろうがそこは変わりません。そして死者も死亡率が季節性インフルエンザ並みとは言いながら、母数が大きいことで半端でない数が計上されます。あと5000万人感染するとして、高齢者を中心に全体の死亡率が0.1%だとして5万人が死にます。それを多いとみるか少ないと見るか。延べ1億回以上の接種で2000人弱の死者が出るワクチン接種とのリスク(ワクチンを接種したうえで感染、死亡する確率の約1/50)の比較ですよね。もちろんワクチン接種者が多い中での0.1%という見積であり、ワクチン接種をしたうえで感染爆発に臨むというハイブリッド型の対応がベストという結論になります。その意味では反ワクチンは出る幕がありません。

集団免疫で早く日常を取り戻そう、という反マスクを中心とした主張を実現するには5万人の犠牲を厭わない必要があります。
しかも社会の機能不全を極小化するのであれば、短期間に感染を積み上げる必要があり、その結果の死者も短期間に発生します。
日本はそれを受け容れるコンセンサスを得られるのか。反ワクチンという思想で大騒ぎしている面はあるものの、10万人あたり2人といったレベルの死者を大惨事発生のように取り上げてことが受容されて、あまつさえ接種を躊躇う人が出ている社会で、「5万人の死者」を覚悟して集団免疫に突き進めるのか。

あるいは感染しても高齢者であっても死なない、という流れを作るか。そのために必須なのは治療薬ですし、ワクチンの定期的な接種でしょう。季節性インフルエンザと同等になった、というのが5類への格下げの根拠となっているようですが、季節性インフルエンザに対する一般的な対策を前提にした数値をベンチマークにするのであれば、それと同様の対応もまた必須でしょう。反ワクチンの連中は受け容れられないと発狂するでしょうが。
この手法のメリットは集団免疫のようにいつかは効力が薄れる、というリスクを排除できること。オーマイクロンの変異株が今後も続くとしても、免疫が落ちたところで一定の死者を覚悟して集団免疫を獲得するための感染爆発を故意に発生させるのか。さすがにそのコンセンサスは無理でしょう。

そして季節性インフルエンザ並み、という謳い文句は、Covid19という季節性インフルエンザと同等の「被害」が見積もられている病気が通年発生するというリスクを意味するわけです。冬場の季節性インフルエンザの流行期、また春には花粉症と、これまで我が国ではマスク着用をする人が少なからずいたわけですが、当然季節性インフルエンザ並みで、しかも通年ということであれば、年中マスクを着用する人が相当数出てきます。

反マスクとそれに寄り添うメディアが調子に乗ってマスクのデメリットを論っており、マスク着用やそれを主張する人を悪、という風潮を作ろうとしていますが、これまで誰も季節性インフルエンザ対策や花粉症対策でのマスク着用を咎める人がいなかったのに、Covid19に関してはマスク着用を悪とするが如き流れにあるのは行き過ぎというか、それこそマスクを外すというリスク行動を強制させられる、という話になります。しかもマスク着用であれば安全側への強制であるのに対し、マスクを外すとなると危険側への強制になります。強制ではない、というでしょうが、マスク着用に対する批判がブーメランになるわけで、マスクを外せという同調圧力が発生しますからね。反マスクやメディアのマスクdisがマスクを外す理由になるのであれば。