Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

すり替えの蠢動

2014-09-27 12:13:00 | 時事
「ダブル吉田」と池上彰氏のコラム掲載問題と、満身創痍の感もある朝日ですが、総本山が謝罪したこともあり、「シンパ」もしばらく沈黙を保っていましたが、ここに来て「ストーリー」を決めたようで、あちこちで蠢動しています。

その「ストーリー」は、確かに「吉田証言」「吉田調書の解釈」には問題があったが、いわゆる慰安婦の問題、原発事故の問題はあるのだから、大筋では記事は間違いではない、誤報でないのだから謝る必要は無い、批判する勢力が間違っている、というものであり、さらにトンデモ度合いが増すと、集団的自衛権や原発再稼動を推進する政府の陰謀、というレベルになっています。

論評する気も起こらないような「すり替え」であり、都合が悪くなると論点をスライドされて誤魔化すいつもの手段なんですが、「メディアに詳しい」とかもっともらしい肩書きをつけたアカデミズムや法曹、そして評論家が、「朝日は間違っていないんですよ」と垂れ流すことで世論を形成しようとしている動きが見え見えです。

そもそも誰も「慰安婦」「原発事故」まで否定はしていないのです。そこで「強制連行」「人さらい」とか、「逃げた」というような虚偽を流布させたことが問題なのに、土台があっているから、というのは詭弁以前の問題です。

今回の謝罪、記事取消しで問題になったのは、「ウソをついてまで」持論を押し通そうとしたことです。
そして「シンパ」も含めた主張の根拠が、その「ウソ」しかないに等しい状況であれば、最早詰んでいるのですが、それを誰も否定していない議論の土俵の話にすり替えれば、土台自体は誰も否定できなくなるわけで、あたかも「ちょっとした間違い」程度に矮小化して、持論も維持できる、という戦法でしょう。

ラウンドアバウトの意義を問う

2014-09-25 23:41:00 | 交通
些か旧聞に属しますが、9月1日からラウンドアバウト交差点の運用が本格的に始まりました。
事故防止、渋滞防止に有効、という呼び声も高いですが、はたしてそうなのか。

まず言えることは、我が国においてもともと「ロータリー交差点」というものが少なからずあったにもかかわらず、それが普及するどころか通常の交差点に改造されるなどして廃れていたこと。ロータリーとラウンドアバウトは違う、というのでしょうが、原理原則は一緒であり、それで何かあらゆる問題点が解決するような持ち上げ方をすることには違和感を感じます。

そもそもラウンドアバウトが有効に機能するのは(ラウンドアバウトをわざわざ導入する意義があるのは)、交通量が多くもなく少なくもなく、という非常に中途半端な状態を想定しています。
交通量が少なければ信号のない十字路などで十分であり、多ければ後述するような問題が発生するため、信号交差点の導入が不可欠であり、ラウンドアバウトが機能するジャンルは実は狭いです。そういう意味では交通モード選択におけるLRTの存在と似ていますが、支持者に重なりが見られるのは気のせいでしょうか。

ラウンドアバウトの定義として、信号による制御が無い、ということがあるようですが、災害時の停電に対応できる、というレアケースを持ち出して日常の問題を無視できません。
信号が無いことにより、歩行者はどう横断するのか。五月雨式に現れる歩行者に常に譲っていては道路交通は成り立ちませんし、逆に五月雨式に現れるクルマを待っていたらいつまで経っても横断できません。
だいたい、歩行者はラウンドアバウトをどう通過するのか。直進側に通り抜けるのに外周を迂回するのか、それとも交差点中心のアイランドを経由するため環状部の「本線」を2度横断するのか。前者だと、上下方向にプラスαの移動を強いたことで「クルマ優先」の不評を買った歩道橋と相似形であり、後者だとどうやって本線を安全に横断するのか、という課題が出てきます。

自動車交通だけに限定しても問題はあるわけで、環状部走行が優先、というルールは、進入車優先だと各枝線から進入するクルマに頭を抑えられて身動きが取れなくなることへの対応ですが、ラウンドアバウトを通過する流動が一定の方向に集中する場合、マイナーな流動は交差点に入れなくなります。

実際に外国で経験した例ですが、高速道路の出口がラウンドアバウト交差点に接続しているケースで、交差方向の流動が卓越しているため高速道路からのクルマが交差点に入れず、出口渋滞が本線に伸びることが日常化しており、勝手知ったるドライバーはその出口を敬遠していました。たまたま不案内な運転手のタクシーに乗ってしまい、その出口に突入してしまったのですが、5分以上交差点に入れずに身動きの取れないクルマが塞栓になるなど、結局通過に20分ほどかかるという惨状を実際に経験すると、一定以上の交通量が発生するケースでは強制的に信号機で制御しないと無理という結論になります。

ラウンドアバウトを賞賛する人は、ヨーロッパあたりの「美しい旧市街」に憧れているのかもしれませんが、適材適所で考えて欲しいものですし、そもそも「適所」があるのかをまず考えたいものです。


さらに奥が深い新路線

2014-09-25 23:38:00 | 交通
神姫バスの新路線、東急イン前の停留所に「10月1日開業」の貼り紙とともに案内が出ていました。
掲出された情報を見ると、さらに複雑なことが判明したわけで、高丘と水谷の2系統に大別、と思っていたら、三宮発の日中の1本のみ、水谷経由高丘、と言うルートになっています。神戸学院大経由高丘行きは伊川谷ICで復帰しますが、水谷経由便は玉津ICからの復帰でしょう。
完全制覇を狙うには、特急、快速(高丘、水谷経由高丘)の3系統を少なくとも乗らないといけないようです。

ちなみにこの新設バス停、「三宮」とありますが、神姫バスターミナルは「三ノ宮」表示なので微妙に違います。
メ[アイのMOLなどへのそごう前発着路線も「三ノ宮」と表示しているのに、神姫は「三ノ宮」と言う原則を貫かないのでしょうか。もっとも、USJ・南港線は「神戸三宮」表示とこれも分からない状態で、発着は神姫三ノ宮なのに、公式サイトの時刻表も「神姫神戸三宮」となってます。(しかもターミナル案内は「神姫三ノ宮」と訳ワカメ状態...)


神姫バスの新しい近距離高速路線

2014-09-19 00:45:00 | 交通
今日の神戸新聞(明石面)に、明石駅南ロータリーの移転に伴うバス乗り場の変更とならんで、「高丘から三宮直行バス」と言う記事が掲載されていました。


(明石駅南口の再開発)

10月1日から明石市大久保町高丘から三宮への高速バスが出るとあり、従来の神戸学院大の有瀬キャンパスとメ[アイキャンパスを結ぶ直行バスが延伸、三宮経由化されるそうです。

特急と快速の2種類がある、というのも目を惹き、神姫バスのサイトを見ると、意外と複雑な印象です。
9月12日にすでに発表されていたようですが、大きく分けて高丘と白水の2系統になり、神戸側は三宮とメ[アイキャンパスの発着です。

平日は三宮方面行き23本、三宮方面発24本の47便ですが、神戸新聞だと38便とあり、キャンパス間の直行便9便(メ[アイ行き5本、メ[アイ発4本)は三宮を経由しないのでカウントしていないようです。

さて、高丘と言ってもピンとこないでしょうが、第二神明大久保IC付近の住宅街です。
高丘地区で集客して大久保ICから第二神明に入り、特急便はそのまま阪神高速に向かいますが、快速は伊川谷ICで降りて、ここで白水方面からの系統と合流し、神戸学院大を経て、大蔵谷ICから再び第二神明に入ります。

大久保、明石付近は神姫バスのエリアですが、神鉄沿線のように三宮へのダイレクトアクセスを開拓していませんでした。逆に山陽バスが垂水、舞子地区で開拓していたわけで、今回神姫バスが第二神明沿線で近距離高速に乗り出した格好です。

今回の新設系統、三宮での取り回しが特徴的で、神姫三ノ宮バスターミナルに入らず、路上停留所で対応します。もともと三宮からのメ[アイキャンパスなどへの路線がそごう前のバス停から出ていましたが、メ[アイ行きはここで客扱いします。

そして復路が新味で、東急インの前に新設されたバス停を使います。しかもここは三宮止のバスも使うのです。つまり、高丘方面発の便は、メ[アイ行きと三宮止めで三宮のバス停が異なります。


(はくろの深夜特急のバス停とほぼ同位置)

この新設バス停、今月初めに三宮で見つけています。
「神姫バスのりば」と堂々と書かれ、「三宮(東急イン前)」とあるバス停に時刻等の掲示はなく、一体どんな系統がここに入るのか、と思っていたのがようやく判明と言うところですが、新しいバス停を確保したことから、もう少しこの手の路線が増えるのかもしれません。

ちなみに試乗を考えていますが、朝ラッシュ時を見ようとすると、大久保駅を6時半ごろに出るバスに乗って少し歩くという塩梅で、難易度が高いです。もちろん単純に試乗するのであれば、日中便で十分ですが。




国道6号線の規制解除

2014-09-15 00:00:00 | 交通
震災から、そして原発事故から3年半。永らく一般車両の通行を阻んできたR6の通行規制が9月15日0時を以って解除されました。
最後まで残った区間である富岡町富岡消防署北交差点から、双葉、浪江町境までの区間が開通したことで、相双地区といわき市、そして東京方面との行き来もR349などを迂回する必要が無くなりました。


(富岡消防署北交差点。2013年6月)

2月22日に常磐富岡ICまでの全線で常磐道も復旧しており、幹線交通に関しては震災前の状況にようやく戻ったのです。


(双葉、浪江町境。2013年6月)

ただ、今回の開通は除染を徹底したことでようやく実現したのが現実であり、バイク、自転車、歩行者の通行は禁止のまま、と言う規制を見ると、除染に加えて、クルマと言う「シェルター」でないと厳しい、という現実が重くのしかかって来ます。

それでも年内には常磐道の山元IC-相馬IC、南相馬IC-浪江ICの開通が予定されており、来春には常磐富岡IC-浪江ICの開通で常磐道の全通と、震災がなければすでに実現していたはずの高速交通の整備がようやく追い付きますし、今回のR6の復活と合わせて、復興への弾みになってほしいものです。


(夜ノ森駅西側のr36。2013年6月)
(【訂正】r36はこの直進側ではなく、ここを左折して線路沿いに進んでから右折して常磐線を超えてR6に向かいます)

ちなみに今回の規制解除は、R6のほかr36の富岡町夜ノ森地内も含まれており、常磐線夜ノ森駅の西側からR6まで敷かれた帰還困難区域の通行が可能になったことで、常磐富岡ICへのアクセスも震災前のように行きやすくなっています。(解除前もR6には出られた)