Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

えっ、AKO?(ネタバレ)

2012-01-29 18:24:00 | ノンジャンル
けったくそ悪い話が続いたので、肩の凝らない話をしましょう。

今年も東奔西走がスタートし、毎度の全日空寄席を聞く日々になったわけですが(爆)、1月のプログラムは正月らしく肩の凝らない馬鹿話、といったら失礼かもしれませんが、楽しめました。

特に笑ったのが月亭八方師匠。落語家が本業だったんだ、という「オチ」はさておき、機内でマジに噴き出しました。

ネタバレで恐縮ですが、新説赤穂義士伝、というと堅苦しいですが、主タイトルが「AKO47(エーケーオーフォーティセブン)」と来ました。赤穂四十七士が「AKO47」とはぶっ飛びますが、AKBネタと上手に組み合わせて笑わせてくれました。
ちなみに神戸新聞によると、八方師匠と縁のある落語脚本を書く三木市の教師の方に師匠が持ちかけて作り、八方師匠がアレンジしたそうです。

ネタの散りばめ方はかなり苦心していますが、寄席に来るような客層だとAKBが分からない人が多いのか、せっかくの笑わせどころで誰も気がつかずに滑る事もしばしば、というのはご愛嬌でしょうか。

しかし、上手ですね。吉良上野介を謀るために「AKO47」と名乗ることになったという設定で、浪士を率いるのが「センター」と来ました。で、「センター」を決めるのに「総選挙」だそうで、「じゃんけんで決めればいいのに」という突っ込みもネタなんですが、ここで滑りました(苦笑)

浪士ファンがセンターを決めるには、赤穂の塩を1貫目買うとついてくる投票用紙で、という話に、大石内蔵助が考えたのか、といわれて、塩問屋の「秋元屋康兵衛」の発案と笑わせましたが、つい最近まで可愛い猫をそろえていたのに、というネタがまた滑ってました。

一方で忠臣蔵の名シーンをそうするか、というアレンジでも滑っているのが微妙で、大石主税をセンターにするために塩を買い占めて、という密談で、例の天野屋利兵衛が出てくるのですが、それを請け負うシーンで「天野屋利兵衛は男でござる」という名セリフを使って笑わせようとしたのが滑りました。
まあこのセリフ、落語では使いやすいようで、何かの話で、内蔵助か誰か、男色よろしく迫られた時に、「天野屋利兵衛は男でござる」と逃げるシーンがありました。

で、討ち入りで吉良上野介を捕らえたとき、大石主税が上野介の前に出て「吉良様、会いたかった」となんか意味深なシーンだな、と見るや、「会いたかった」と繰り返してャcリ、「イエス」

ここまで笑わせてくれるとオチが難しいのですが、こちらは無難でしたね。勝ち鬨が「エイエイオー」ではなく「エイケイオー」というもの。

ちなみにマクラもひねっていて、外国人に知られた日本の都市、というネタを振って、まずは東京と来て、八方師匠ですから「次は大阪やろな、と思ったら」と振っておいて「次は広島」とはぐらかしながら進み、何番手かに「赤穂」を持ち出したのです。

ここで「赤穂ぅ?」と思いっきり首をひねって笑いを誘うのですが、持ち出したのが山陽新幹線と赤穂線。新幹線の駅を新大阪から岡山まで並べて、赤穂は横に行く線ですよ、赤穂線。相生から2つか3駅の線ですよ、と赤穂の人が聞いたら怒りそうなマクラでした。


続・リビジョナリズムの罠

2012-01-29 18:14:00 | 震災・災害
「プロメテウスの罠」ですが、1月29日の内容を見ると、いよいよもって「真実」を消して「正史」を書き上げると言う姿勢がありありですね。

震災の時、東電社長が夫人同伴で奈良にいた、と毎日新聞の報道と逃げを打ちながら書いていますが、夫人同伴で観光込みの仕事だって企業トップ、特に業界トップならあるわけで、震災発生が事前に分からない状態でそのこと自体をここで当てこするように書く必要はあるのか。

そういう実は因果関係もない事象をネガキャン的に書く反面、震災発生後に本社に戻るべく手を尽くし、一時は名古屋空港(小牧基地)から空自輸送機に便乗したのに、防衛相が途中で引き返させたということはきっちり「隠蔽」されています。

東名、中央道ともに不通というのに官房長官(現経産相)が「クルマを飛ばせばいい」と言い放ったように、未曾有の災害で原発が深刻な事態になりつつある状況で、総司令官、総責任者である社長の帰着を全力で阻害した官邸の不可解な行動を伏せる意図は何なのか。

都合の悪い真実は書き換えて、都合のいい正史を残すというお先棒をメディアが担いでいるのですし。




リビジョナリズムの罠

2012-01-28 20:29:00 | 震災・災害
前に朝日の連載「プロメテウスの罠」を評価しましたが、最近の同連載はどうも迷走気味です。
後からあの日々を正確に説き起こすと言うスタンスなのですが、真実を発掘すると言うよりもリビジョナリズムを疑うような内容になっているのです。

具体的には「官邸の5日間」のシリーズですが、事故直後から批判されている菅首相(当時)以下の政府の行動を再検証している内容がどうも気になるのです。

足元の内容はベントを巡る緊迫したやり取りですが、当時菅首相があれこれ介入した結果ベントが遅れたという批判が強かったのに対し、菅首相は短気を起こしながらもまともな対応をしていた、という趣獅フ内容なのです。

確かにそうなのかもしれませんし、真相はいまだ藪の中ですが、年末からの流れを見るとどうも額面通りに受け止めにくいのです。

その「予兆」となったのが12月25日にTBS系で報道された「報道の日2011」の「首相官邸で何が」のコーナーでした。これまで9ヶ月余り叩かれ続けた官邸と菅首相の行動を「再検証」した内容でしたが、「何か」官邸側の行動を「持ち上げた」というか、正当化している気配を感じたのです。

そして年明けの「プロメテウスの罠」が決定的です。
いやいや、事実がこうなんだからようやく明るみになっただけだ、というかもしれませんが、年末からの流れで見ると、なぜ約9ヶ月経って急に出てくるのか、という不自然さがあります。

このあたり、このタイミングで当事者間で「正史」がまとまって、近しいメディアを使ってお披露目したのでは、というのはうがち過ぎでしょうか。
おりしも原子力災害対策本部が議事録を取っていなかったことが批判されていますが、当時の議事録が全くないという事実と、あとから出てきた「当時の真相」というのは実によく親和します。

いくらなんでも、と思いたいところですが、強引に事実を曲げる、無かったことにするという体質は、食言が日常茶飯事の民主党政権の特徴であり、そうした体質を踏まえれば、当時の事実を手段を選ばず書きかえる、ということもあり得ない話ではないのです。





戦略も理念もない制裁

2012-01-28 13:12:00 | 時事
イラン情勢が緊迫していますが、イラン原油の禁輸要請が我が国にも重くのしかかってきています。

普天間問題で米国を決定的に怒らせた民主党政権は直立不動でアメリカの要請を受け入れるしかない状態ですが、エネルギー調達源の縮小は、高騰する市場の影響も相まって、日本経済への致命的なダメージになる危険性があります。

対米追随路線を社是とする産経あたりは、イランからの輸入をしていること自体を批判していますが、本来エネルギー安全保障の観点から言えば、特定の国や連合体に調達源を集中させることが間違いであり、バランス良く調達先を配分することが正解です。

そういう意味では、親米路線の湾岸諸国の依存度を高めるよりも、独自路線をとるイランに一定のシェアを割り振る方が万が一の事態になった場合のリスクヘッジになります。
もちろん我が国がアメリカや湾岸諸国に尻尾を振り続けるどころか尻の穴まで舐め続けるのであれば、産経の言うような対米追随一辺唐ナもリスクはありませんが、アメリカの利益のために尻の毛まで抜かれるような状態を未来永劫続けるということも意味します。

1979年のイラン革命以降、アメリカとイランの対立が続いていますが、日本はその後のイライラ戦争の時も含めて、反イラン、親イラクのアメリカの路線とは一線を画することで独自の外交を展開していました。
産油国の動向が我が国経済に与える影響が大きい中で、巨大な産油国であるイランに独自ルートを持つ意義は大きく、マーケットとしても上手に食い込んでいるなどメリットもあったわけです。

それが湾岸戦争以降、対米追随路線の強化により、独自外交が崩壊した格好になっています。
イラクのフセイン政権崩壊に手を貸し、今回のイラン制裁への追随で、我が国のエネルギー確保はアメリカの顔色次第という状態が強化されています。

もともと中近東においては親日色の強いトルコもあり、イランとの独自外交とあわせて、外交ベタの日本にしてはかなり上手に渡り合える地域だったのが、この20年ほどで壊滅した格好です。
このあたりはウラン利権を確保して産油国依存を脱しようとして原油メジャーを怒らせ、ロッキード事件の罠にかかったという陰謀論がささやかれる田中角栄の挑戦と対比すると、長いものに巻かれることに汲々とする日本外交の小粒化にため息が出ます。

ちなみに今回の緊張ですが、中間選挙で大敗し、国内に見るべき政策がなく旗色の悪いオバマ政権が再選を果たすためには、「得意」の力任せのジャイアン外交しかないわけで、フセインを叩き潰したように、俺はイランで、という意図が見え見えですし、そのため選挙までは緊張を引っ張るでしょう。

大義名分がなくても「正義」の看板で主権国家を転覆することが黙認されるようになったことで、今度はイランも、ということでしょう。しかし大量破壊兵器という分かりやすいイランへの大義名分に対し、核開発はどうでしょうか。核開発自体は平和利用も目的になりますから、イラクの時以上に大義名分が必要です。

我が国はどうせアメリカの尻馬に乗るしかないとはいえ、それが「嬉々として」なのか、「不承不承」なのかは立ち位置をはっきりさせたいものです。もちろん政府がそういうわけにはいきませんが、少なくともメディアや識者は、なぜ賛成するのか、ときちんと整理しないといけません。

難癖をつけて主権国家を転覆する、という行動を是認することが「正義」なのか。
日本国憲法はハーグ陸戦法規43条の「国の権力が事実上占領者の手に移りたる上は、占領者は、絶対的の支障なき限、占領地の現行法律を尊重して、成るべく公共の秩序及生活を回復確保する為施し得べき一切の手段を尽すべし」の条項に違反しているという「押しつけ憲法」論がありますが、体制を転覆し、新しい体制(≠占領地の現行法律)を造り上げているイランでの行動はどうなのか。

ことあるたびに「押しつけ憲法論」を擁護する産経ですが、ここでも日本とその他でのダブルスタンダードが光ります。
今回、どういう論理でイラン制裁を肯定するのか。対米追随路線を是認すればするほど我が国の過去の否定になることになりますが、その「泥沼」に自ら嬉々として入って行く姿にはため息が出ます。



大臣による火事場泥棒

2012-01-28 12:35:00 | 時事
前に警戒区域内の採石場で算出した砕石による放射性物質が検出された問題で、経産相が不自然なまでの早さで東電に賠償するように要求したことを批判しましたが、経産相の東電に対する対応にはこのほかにもあまりにも不自然なものが見られます。

「東電ケシカラン」の流れに乗ったャsュリズムと単純に言える範囲を超えており、世論の正義感を悪用して何かを仕鰍ッているとしか見えないのです。

要は発送電分離など電力の自由化を、この事故での東電の発言力低下、国の統制下入りを機に実現しようしているわけです。それでもそれが国民の利益につながるのであれば歓迎ですが、過去これまで「自由化」「新規参入」の甘言で実現してきた「改革」が国民に利益になったのかを考えると、甚だ疑問です。

特に小泉改革、直近では郵政民営化という「改革」で何が起きたか。かんぽの宿の払い下げを巡る問題に代表されるように、既得権益を批判、破壊する代わりに、「改革派」という名の新しい利益集団がとってかわるだけでしょう。

そう、既存業者がメリットを十二分に享受している分野において、「改革」の錦の御旗を掲げて割り込んで、本来享受することが出来なかったメリットを享受出来るということが「改革」の事。にも見えるのです。
今回の電力を巡る経産相の行動を見ても、東電というガリバーを唐キことで見えてくる道筋は、政府による差配と新規参入に収斂出来ます。

通信や鉄道と違い、戦時統合はありましたがもともと民間資本でやってきた電力などエネルギー事業は、基本的に純民間企業であり、国は公益性を理由にした規制、統制をするのが限界でした。
それが今回の事故を機に国が堂々と差配できる、企業も巨大マーケットが急に門戸を開いたというわけです。

本来、こうしたまさに文字通りの「火事場泥棒」は厳しく監視していかなければならないのですが、「東電ケシカラン」の正義感に凝り固まるとそれが見えないようです。