Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

傍若無人の客対応の横行はやりたい放題の不均衡と理不尽

2024-04-28 13:14:04 | 交通
JR東日本がカスハラを許容しないという宣言をしましたが、さっそくやんやの絶賛の大合唱です。
もちろんカスハラなどのハラスメントを肯定するわけではないですが、その典型ともいえるセクハラですら「被害者」の胸先三寸で犯罪になったり好ましい行為になったりと刑事罰で絶対に許されないはずの主観基準が正当化されているなど、だから「冤罪」がでてくるわけです。「ハラスメント」の中にはそれの強制は「礼儀」だろうと「なんでもハラスメント」が逆に指弾されるケースもあるわけですし、ハラスメントを受けた、とされる側に問題は無かったのかを厳密に問うことなく「ハラスメント」とするのはどうなのか。

今回のJR東日本はまさにその典型で、社員に対する暴力は許しません、という暴力はいかなる場合でも許されない、という常識の主張ですら、乗客をそこまで怒らせている責任はどうなのか、と反論したくなるような事態もあるわけです。依然見かけた最悪のケースは、酔客とはいえ乗客を怒らせた挙句に(最初は冷静な主張だったんですけどね)、前面に出てきた警備員が取り付く島がない塩対応であしらい続けた結果、遂に手を出した途端に「確保!」と叫んで取り押さえたシーンを見ています。
そもそも警備員が取り押さえなどの「暴行」をできるのか。私人逮捕とは言いますが、その要件は厳格であり、一方当事者の主観、主張で容認されるものではありません。まあこれを警官がやっているのがいわゆる「転び公妨」の類ですが、さすが元親方日の丸らしい対応です。

なおこの会社が暴力に厳格化というとそうでもないわけで、乗客が一方的に他の乗客に殴りつけられて被害者が流血しており、見かねた周囲の乗客が殴りつけていた乗客を取り押さえて駅員に引き渡そうとしたら、「犯人」を解放しようとしたという犯人逃走幇助のケースもあるわけです。これは刑事犯罪ですが、自分が被害者でなければこんなもんです。
なおこの時は駅員がこれでは、と取り押さえた側の乗客が警察を呼んだわけですが、犯人を「逃がそう」とした駅員はさっさと事務所に逃げ込んでいました。乗客間のトラブルとでもいうつもりなんでしょうかね。乗客は駅員の対応も問題として警察に一部始終を証言すると言ってました。

これらは最悪のケースですが、乗客を怒らせる、という点では日常茶飯事なわけで、この会社が「ハラスメント」と主張する事態の大半は、ロクでもない対応で乗客を怒らせたのでは、としか思えません。デタラメな案内、規則に則った安いきっぷの発券拒否、指摘すれば枚数にいとまはありません。その都度乗客は身体的、経済的不利益を被っている「被害者」なんですが、今後は「カスハラですぅ」と言えば何でも通ると言い出しそうです。

そうそう、客を客と思わないのは、京葉線問題でも明白ですからね。
県知事を怒らせてもカエルの面になんとやらですから、名もなき一乗客なんか気にも留めないんでしょう。みどりの窓口問題も然りです。乗り遅れて怒りだしたら「暴力ダー」「ハラスメントダー」で逮捕されるから、何をされても「はいはい仰せの通り」とするしかないようです。



唯一無二の退場

2024-04-26 18:13:52 | 交通
広島のスカイレールが4月30日限りで運行を終了します。
芸陽バスによるEVバスに置き換わりますが、こまめに停留所を設置し、「頂上」ではさらに奥を巡回するというルートになるので、最初からそっちにしてくれれば、と思う住民も少なくないでしょう。ちなみにスカイレールはみどり口(瀬野駅北口)からみどり中央まで5分の所要ですが、バスは上り便(山登り側)が5分、下り便が大回りするので11分とこれも大差がなく、スカイレールにとってはいいところがない状況です。直登する車道がないのでSカーブを描くように迂回しての数字ですから。

スーパーの前を通り、住宅街の中に分け入るし、瀬野駅北口とそこからのルートは通過交通から独立しているので定時性も高いでしょうから、住民にとっては歓迎でしょうね。住宅が建ち、空き家らしい家も見当たらないので、成功している部類になるニュータウンですが、さらなる利便性向上は街にとってもプラスです。

急勾配に強く、鉄軌道なので強風にも強いというメリットも、実は同等以上の収容力をスロープカーで提供できてしまうので、徒花に終わった格好です。
ただ横浜の桜木町のような都市型ロープウェイのジャンルがスカイレールの活路だったんでしょうが、メニューとしての継続はないようで、終焉を迎えます。

なお中途半端なイイトコドリ、という評価のようですが、現地で思ったのは意外とロープが発する音が大きいということ。通常の鉄軌道は車両が通過する際だけ騒音が発生しますが、スカイレールは車両(ゴンドラ)が動いているときはロープが回り続けるので、沿線全部で音が出ます。これ、夜間はけっこう響いていたはずで、利用が多いはずの深夜帯はジャンボタクシーで対応しているのも、需要もさることながら騒音問題があるんでしょうね。上下同時運転でも5分間動き続けますから、15分ヘッドでも15分に5分、つまり1時間に20分騒音が発生します。


なんちゃらペイではなく国家が進めるべき事業

2024-04-26 18:12:07 | ノンジャンル
モバイルにケチをつけておいて何を言うかと言われそうですが、支払手段としてのモバイルの活用は進めるべきでしょう。
ただし現在の私企業がてんでバラバラにサービスを提供していることは問題であり、統一した制度設計が必要です。すなわち、通貨と交換された「クーポン」の一種のはずの「電子マネー」が事実上の通貨になっているうえに、私企業が付与するポイントとの境界線が曖昧なため、マネーサプライが把握し難くなっています。あるいは通貨当局が意図しないマネーサプライの拡大が実施されているわけで、国家の専権事項でもある通貨供給が私企業により歪められています。

さすがに電子マネーの保護は引当金や銀行保証などでカバーされていますが、もし電子マネーの世界がクラッシュしたら誰がどう救済するのか。通貨であればその発生は国家の崩壊を置いて他にない事態ですが、私企業のクーポンに過ぎない電子マネーはそうではないです。発行済みの電子マネーと同額が積み立てられていない限り、また、ユーザーが手元資金と見做している「ポイント」の部分は救済されない限り、信用不安は払拭できません。特にポイントの部分は、払出は電子マネー本体から先に払い出されて残高は実はポイント、という整理だったりすると、ポイントは私企業が勝手に付与したものとして保護対象外となれば、あるはずの残高が吹っ飛びます。

結局は一私企業に任せない制度設計にすることが必須です。
その手段としては、小口の支払手段だけに着目したタイのプロンプトペイか、通貨全体の電子化を視野に入れた中国のデジタル人民元が実用化されている、あるいは実用に向けたテスト中というメニューとなります。

キャッシュレス決済が普及しているなかでの導入であれば、プロンプトペイを導入してしまうというのがいちばん簡単でしょう。日本でいうと全銀協と金融庁が音頭を取っている感じで、セッティングは各銀行ですが、どこで作っても「プロンプトペイ」になります。銀行口座との紐付けは携帯電話の番号(1ユーザー1個)か国民IDで、国民IDがきちんと整備されている国ですから、1つのIDで2口は作れない制度になっています。ちなみに国の給付金はプロンプトペイを活用してプッシュ型の給付が可能になっているため、迅速に給付されています。また還付金もプロンプトペイで実施されるため、特殊詐欺が入り込む余地も無くなります。

タイ名物の屋台でも軒先にQRコードがぶら下がっていて、それを読み取って支払えます。またいかにもタイらしいシーンとしては、お寺の「お賽銭」もQRコード対応になっています。基本は小口支払システムなので、IDあるいは携帯番号を使った送金となり、それは瞬時対応なので、屋台の人が自分のスマホを操作して着金しているのを確認するのもよくあるシーンです。こうした小口利用で気になるのは手数料ですが、公的規格ということもあり低廉に抑えており、特に小額送金の中でもさらに小額だと手数料ゼロとなります。

一方これはQRコード決済にも対応しています。そして公的規格であることも後押しして、クロスボーダー取引(送金)でも解禁されています。
確かシンガポールと日本からスタートしているはずですが、小口送金だけでなく、QRコード決済もスタートしています。中国のアリペイなどが有名ですが、日本でもプロンプトペイ対応のお店が徐々に増えています。プロンプトペイの加入者がほぼ国民の総数となっているため、タイ国内の携帯を所持している(ビジネスビザなど在留可能なビザを持ち、所定のIDなど手続きをクリアしている)外国人が保有しているケースを除いても、「国民がほとんど保有」という状態です。

その意味ではせっかく始まったマイナンバーカードを使えば、プロンプトペイに極めて近いシステムが構築できます。
足元日本では銀行口座を多数作れて、名寄せも出来ていませんが、マイナンバーカードでは口座紐付けを大半のユーザーがしているので、マイナンバーカードを軸に展開が可能です。マイナンバーカードのナンバーを使う格好になりますが、それは「表紙」であり、マイナンバーそのものは見えないので大丈夫でしょう。
その意味ではブレイクスルーが見えているんですが、なぜか進みません。「なんちゃらペイ」の乱発は不要ですし、退場すべき存在という認識が必要です。

さらにいうと、スマホがベースとなっていることをどうサポートするか。中国メーカーをバックドアだ、と言って排斥していましたが、米国はいいのか。スマホにしてもPCにしても勝手に案内が組み込まれたりと、バックドアどころかウイルス蒔き散らしに近い状態です。そういうスマホに公的なツールを実装させていいのか。それこそ情報が抜かれないのか。それでもいいという人は構いませんが、そうでない人、また高い本体価格を負担できない人もいるわけで、それをどうクリアするか。
公共がプロンプトペイ用の端末を配布するしかないのですが、それが非現実的というのであれば、こうしたキャッシュレスは事業として展開することは妨げないが、通貨を排除してはいけない、として現金利用を排斥しないことを強制する必要があるでしょう。

なおインターナショナルブランドのクレカが使えないケースが大半だった中国は、アリペイとウィーチャット(微信)ペイの2大勢力が昨夏からインターナショナルブランドと連携しており、QRコード決済がアリペイまたはウィーチャット経由で手持ちのインターナショナルブランドのクレカで決済できるようになっています。
実は交通系も1回乗車から企画券までQRコード決済が主流で、それがアリペイなどが窓口になっているため、一気に中国全土で「使える」ようになっています。
日本で言えば、なんちゃらペイが窓口になって交通事業者でのQRコード決済に対応する格好ですが、これをプロンプトペイにすれば、少額決済の分野では事実上の通貨になりますね。ただし中国は自国のスマホがあり、ローエンドからハイエンドまで揃っているのに対し、日本は外国に依存しているのがネックですが。

情報ガー、という批判はあるでしょうが、基本的なトラフィックは決済情報ですから、バックドアだなんだというよりも不正利用のリスクの方が桁違いに(比較にならぬほど)高いので、積極的に送信してほしい情報です。ただ交通系が入ると少額決済の奔流に本当に見ておくべき情報が埋もれてしまいますが。



券売機がダメならモバイルが、という悪あがき

2024-04-26 18:10:34 | 交通
みどりの窓口の閉鎖と大行列の問題がようやく人口に膾炙するようになってきましたね。
ネットメディアでも取り上げられることが多くなっていますが、一方で一方的な削減によるコストダウンを享受しようとしていた事業者もこの「逆風」に焦っているようです。

おりしも新年度ということで定期券の新規購入や更新が集中する時期でもあることから、余計にみどりの窓口が混み合っています。事業者お得意の「指定席券売機をご利用ください」という決まり文句も、その券売機ですら混んでいるという詰んでいる状態です。駅によっては対話式券売機しかないことで、オペレーター操作が必要な客がその駅を含むエリア内にいると、誰も待っていないのに待たされてしまい、いきおいオペレーター操作を必要としない購入まで詰まってしまうという悪循環があちこちで多発しています。

対話式は必ず非対話式とセットで設置しないとこうなることくらい容易に想像がつくはずなのにそれすらできていないというのは想像力が欠如しているか、やる気がないかのどちらかでしょう。独占企業にありがちな絵に描いたような殿様商売です。百歩譲っても受取機を設置すればだいぶ捌けるんですが、それをしている駅も少ないです。JR西日本の場合、受取機はクレカでの購入、発券が可能ですから。

常套手段が使えないという構造的な問題に気付いたのか、こんどはモバイルでの購入を進めるように誘導を始めていますね。
忖度記事が多いネットメディアが早速あちこちで「定期はモバイルで買える」という「紹介記事」というか普段なら「PR」マークを付けないといけないような記事を掲載しています。確かにモバイルで購入できます。またアプリでのチケットレス限定商品も多いことから、モバイルへのシフトはやむを得ないとは思いますが、モバイルにはメリットもあればデメリットもあるわけで、さらにいえばスマホを持つということが前提になっているだけに、モバイルでなければ常軌を逸するレベルの時間がかかるというのは公共交通の対応としては論外であり、原因がみどりの窓口の一方的な削減にあるわけですから、監督官庁が厳しく指導すべき事案です。

ちなみにネットで購入と言いながらJR九州のようにチケットレス非対応で券売機での発券が必要となるとその瞬間に詰むわけで、電車に乗るのにきっぷ購入(受取)で1時間は見ておかないと、というと移動に使えません。北陸新幹線敦賀開業での時短効果の少なさ(福井だと3分)が話題になっていますが、きっぷを買うために駅で1時間待たされるようになりました(当日でも前売でも同じ)、となっては、特急が廃止になりました、というくらいの時間の無駄になります。

一方でモバイルだとできないこともあるわけで、現金チャージが出来る場所が極めて限られるとか、セキュリティ的な要請で小額の都度決裁ながら「ちりつも」になる近距離交通利用ではチャージから支払いたい需要を無視している面があります。以前も指摘しましたが、物理カードと違ってモバイルは紐付けというひと手間が必要なため、いまどちらで支払っているかの確認が必要です。これが一回設定したらバッテリー切れなどで一回再起動しても固定されるのかどうかという話で、JR西日本が最近多用している定価でいったん払って上限額超過分は後からポイントで返金、という商品なんかは紐付けが間違っていたら大惨事です。何かの拍子にデフォルト設定に戻るという「あるある」はモバイルでは絶対に発生しないのか。紐付けではないですが、JR四国のアプリ商品を利用中にログイン保存が解除されてて降車時にログインからやり直し、となって時間を食った経験があるだけに、信頼性がいま一つです。だいたい、各社ばらばらという時点で不便極まります。交通系共通、最悪でもJR6社では共通化すべきです。それが出来ないのであれば、物理カードの提供を絶やしてはいけません。利用者のリスクヘッジを封じているのですから。



この本数で商売にならないというのは

2024-04-25 21:59:50 | 交通
いわゆる「2024年問題」を奇貨に地方路線バスの撤退、縮小が加速しています。
JRバスもJR西日本管内で、西日本JRバスの園福線、中国JRバスの光線がこの3月末で廃止となりましたが、それなりに本数がある区間を一気に廃止というやり方はかなり荒っぽく、乗務員不足で大変、という理由が知れ渡っているうちに撤退してしまえ、という意図すら感じます。

それでも普段が空気輸送であればまだしも、それなりに乗っていたとしか言えない運行頻度だったわけで、それが消えるとなると代替便の確保も大変です。
乗務員不足で、というのであれば他社も同様であり、確保できるかは分からないけどあとはよろしく、では些か無責任すぎます。

光線に至っては平日は30往復以上あったわけで、鉄道とは並行しない区間、市街地の続き、ということで本数があったのが全滅です。
防長交通が一部引き受けましたが本数の維持は出来ず、結局既存の防長の路線も入れて4割程度(6割減)に抑えるのが精一杯でした。
この区間、山陽線が光-柳井で山側の田布施などを経由するのに対し、海側に岩国-周南の幹線道路であるR188(R2は岩徳線に沿ってさらに山側)が走り、室積、平生をカバーするバスが走っていましたが、普通便として光-室積を頻発してた中国JRバスと、柳井まで通す快速便の防長というラインナップが、都市型で採算が高い方の中国JRバスが撤退という事態でした。

JR系以外でも、大都市圏でもこうした大規模な廃止が問題になっていますが、広域で見たら他の交通機関がある、という説明で事実上撤退するケースが今のトレンドでしょうか。それでも路線権は維持したい、というスケベ根性があるのか、数本は残しているのも嫌らしいですね。地元や利用者に多大な迷惑をかけながら権利だけは握り込む、というのは許してはいけないでしょう。路線廃止、免許返上とすべきです。

もちろん公共交通が漫然と並行しているのは無駄もいいところですから、省けるところは省くべきです。その意味では無駄に駅間が長い鉄道は積極的に新駅を設置してバスはフィーダーとなる路線の維持に努めることがお互いwin-winになります。ただそうなると所要時間増や、場合によっては利用者増にもなるので、増発や優等列車新設といった対応が必要になります。そこは消極的に、新駅設置もしないで「並行しているから」では無責任です。

それにしても、JR駅から国道に沿って市役所や市内最大の事業所を経て市内近郊の集落までという路線で、毎時2本見当が確保されている路線が維持できないというのも運転手不足があるとはいえおかしな話です、
よほど経営、運営がおかしいというほうが腑に落ちる感じです。