Straphangers’ Room2022

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何故に今更ロッキード

2016-07-27 22:31:00 | ノンジャンル
NHKが放映した「ロッキード事件」は久々にあの事件を思い出してある意味懐かしかったのですが、前宣伝や前評判に比して、目新しさがあったかというと微妙であり、40年目という節目ではありますが、なぜこのタイミングで、と邪推したくもあります。

まあ穏やかでないのは古傷を穿り返された企業でしょう。ご丁寧にグラマン・ダグラス事件まで穿り返されたので、全日空に丸紅、日商岩井(双日)と今やピカピカの金看板の会社が40年前は、という話になっているわけで、何かしらのイメージダウンを招く話です。特に航空政策では国交省お気に入りのANAが舞台の事件ということですが、政治への配慮がとやかく言われているにしては、ここまでやれるということは、政治の圧力っていうのは報ステの元キャスターが自白したように、左派系メディアの「演出」に過ぎないのでしょう。

逆に気になるのは、圧力ではなく政治への影響を狙った「為にする」番組ということ。
現在も与党である政党が政権時代の歴史的な、しかし法令が緩かった当時のスキャンダルを流すことで、現代ではそんなダーティーなことはない状態でありながらダーティーな印象を与えるのではないか。そして都知事選の真っ最中というのも気になります。

また、米ソ冷戦時代という背景はさらっと説明していたとはいえ、「本丸」は防衛産業をめぐる話と強調することで、装備品調達に関する「いかがわしさ」を強調していないか。舞台となった機種選定は、哨戒機であり、今現在の我が国においても重要な装備ですが、P3Cに代わる新哨戒機P1が本格導入されはじめたこのタイミングというのもどうでしょうか。大々的な侵攻が考えにくい現代、哨戒機の重みは高まっているのですが。

ところで、ロッキード事件は、対米従属・軽武装でいくのか、独立路線・重武装でいくのか、という国策の根幹に係る問題が米国の意向に基づいたリークにより表面化した、ともいえるわけです。民主党政権が続いていたら、「最低でも県外」が拗れて対米問題が深刻化していたでしょうから、「謀略」で政権が吹き飛ぶようなことがあったかもしれませんし、あるいは冷戦当時だから日本の「価値」があり、スキャンダルを暴露までしてでも意向に沿うようにさせたけど、冷戦終結後で「脅威」も一定のシンパがいる中国であれば、ご自由に、と突き放されていたかもしれません。そうなれば必然的に重武装路線を取るしかないわけですし、あるいは今以上に露骨に領土領海を脅かされていたでしょう。