木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

傑作『嵐が丘』(エミリ・ブロンテ)

2020年06月15日 | Weblog

『嵐が丘』への見方
もう新刊本はよほどでないと買わない。家にある古い本を読んでいる。
『小説の再発見』山本健吉著。山本健吉って誰?というところだが、私も名前だけはかすかに知っている文芸評論家。
文藝春秋新社昭和38年発行のハードカバー製本。『嵐が丘』について詳しく解説している。
昭和30年代の女学生の愛読書と言えば『風と共に去りぬ』、ブロンテ姉妹の『ジェイン・エア』、『嵐が丘』ははずせないだろう。
今人種差別問題で「風と共にー」は槍玉にあがっているが、これを言い出したらきりがない。
女学生時代は姉のシャーロットのストーリーテラー性に惹かれ、妹エミリの「嵐が丘」は取っつきにくい印象だったが、山本氏に言わせれば「嵐が丘」の方がはるかに深く世界3大小説のうちの一つという評価だ。
イギリスの荒涼とした地方の牧師館の娘がこれほどの人物造形をしたことに驚嘆している。
たった一作傑作をものする、そういうものなのだろう。渾身の作品はそう幾冊も書けるものではない。
時間があったらもういちど「嵐が丘」を読もうと思う。

コメント
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