「タクシー運転手~約束は海を越えて~」(NHKBS)を見た。
2017年の韓国映画。1980年5月18日からの光州事件をソウルからタクシーでドイツ人記者を送ったタクシー運転手の視点から描いた作品。
タクシー代をもらうことだけを考えていた運転手が次第に当事者になっていく。
私は「光州事件」を描いたドラマや映画を何作か見ている。
一番最初は軍事独裁政権下の3人の若者のの生き方を描いた伝説のドラマ「砂時計」、そして後に後パク・チョンヒ大統領の後継として軍事独裁政権を率いたチョン・ドファンがいかに新軍部を掌握していったかを描いた「第5共和国」。
映画では「光州5・18」、そして今回の「約束は海を超えて」。
二つともタクシー運転手が主たる登場人物として出て来る。
「約束は海を越えて」では軍隊が投入される前にいわゆる「保安部」、日本でいう「公安警察」がデモをしたり抗議したりする彼等からすると不穏分子を取り締まる場面が目を引いた。韓国では長くこの「密告社会」が続いたのだ。北朝鮮=共産主義と戦うというのが大義名分として使われた。
ようやくそうした社会体制から民主主義社会に移行し始めたのは90年代。
そして今ムン・ジェイン政権が目指すのは北朝鮮との融和と政治の透明性である。
そして今日本はと言うと政治の不透明。国民に諮ることなく税金を仲間内で私物化。電通などという怪しい会社は元々公安を担う謀略組織からはじまっている。今腐臭はこのあたりから広がっている。