資本主義経済は利益を追求する企業の論理を優先して、事業経営の成功事例を作り出して、全体の生活水準を引き上げていく仕組みだ。
それゆえに、企業がより一層の利益を追求するインセンティブを与える制度が、資本主義の成果として評価される。
しかし、今回の日産自動車の経済犯罪は、企業の成功は合理的な経済論理だけを優先した経営者の品性を疑う事態である。
つまり、企業経営の成功が一人の豪腕な経営者の手腕に依存するとの、【アメリカ流の論理】を、日本に持ち込もうとした悪影響による。
ゴーン氏は、日産の復活を自身の経営手腕による成果だとして、年間で20億円を超える成功報酬として、手前味噌で配分した。
成功報酬が高すぎるとの批判をかわすために、2011年からの報酬を10
億円以下におさめて、その上に載せる10億円分を裏操作で隠蔽した。
このように、一人に経営者の手腕に頼るような経営の評価は、アメリカ流の個人主義社会には許容されるかもしれない。
しかし現代の企業経営は、経営者をリーダーとする総合力の成果であり、チーム全員の協調活動によって、初めて達成されるのである。
外国人の流儀で日本企業の業績達成は不可能であり、企業の総合力での成果だと認識すれば、利益の公正な配分が、最も重要な施策である。
日本にふさわしい経済発展には、公正な利益配分を最優先すべきだ。