安倍政権の国際感覚は、日本の平和志向とはまったく正反対の方向を向いて、外交政策を実施している。
北朝鮮が国際秩序を無視して、とにかく現在の政権体制を維持しようとしているのは容認できないが、国を征伐するのは避けるべきだ。
そのためには、核武装による自衛権の行使を宣伝する北朝鮮の言い分を無視するのではなく、韓国との融和路線を支持して、時間をかけてでも、朝鮮の統一国家、または連合体としていく方向を目指すべきだ。
ところが、安倍政権は南北交渉の機運が盛り上がるのを、平和に逆行するかのように、何かと批判を繰り返している。
従来の北朝鮮が、南北融和路線を表明しながら、時間稼ぎしている間に、核兵器の開発を進めたことを、根深く疑っているのだ。
確かに、北朝鮮の裏切り行為は非難に値するが、それを持って、一切の対話の機会を邪魔するのは、一流国の外交とは言えない。
そして、トランプ大統領の武力第一主義に便乗して、日本が世界で唯一の被爆国である歴史も無視して、核兵器の開発を支持する。
これでは、核兵器の廃絶を願う国でもなく、国際紛争を武力による解決志向の国だとして、信頼を損なっているのだ。