アメリカがトランプ政権になってから、核兵器戦略の見直しを進めてきた結果、先日に公表された内容は、小型の核兵器の開発促進だ。
米ソ冷戦時代の大型核兵器は、破壊力が大きすぎて、敵の核攻撃を抑止する目的だけにしか利用できない。
つまり、一旦、核攻撃を始めたら、相互の報復攻撃での完全な大量破壊しか結果をもたらさない。
だから、「核兵器発射ボタンを押す指導者はいないはずだ。」という【相互大量破壊の恐怖による抑止力】の想定であった。
しかし、小型核兵器ならば、敵の要所を確実に限定的に破壊できる。
それならばアメリカも北朝鮮も、同様に小型核兵器を開発して、いざという時に、発射ボタンを押すのを躊躇しないようにする。
相互破壊の核兵器は、恐怖のために、今以上の増強は得策ではないが、小型核兵器を開発して、潜水艦や洋上の船舶に常時搭載しておける。
つまり、使用しやすい兵器となれば、どの国の指導者も防衛用と称して、小型核兵器を保有したがる。
つまり、核拡散の機運をさらに冗長するのは確実で、悪魔を世に放つような取り返しができない、危険な兆候である。