庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

自分の産業の将来も開拓出来ない経団連経営者の無定見。

2013-02-12 | 快適エネルギー社会問題
風力発電の将来を見誤った経済界の上層部の罪は、簡単には許されない位の被害を日本にもたらした。
1990年代の初期には、欧州も日本もほとんど差がないくらいの技術レベルで、産業規模も揺籃期の段階にあった。
その後の日本の経済界では「原発一辺倒」で、「風力発電などは好きモノの道楽」程度にしか認めていなかった。
その認識の違いが20年の間に、欧州各国は世界のトップレベルの技術と普及量を達成して、さらに将来に向けた『夢のある技術挑戦』の活発化を生んでいる。

日本では、民主党政権になってやっと「再生可能エネルギー」の技術開発に予算が投じられる様になった。
しかし、民主党の政治家にも、確固たる「グリーン産業育成」の戦略もないために、一部の官僚が進める技術開発予算を認める程度しかできていない。
「洋上風力発電」の研究開発に向けての国の支援レベルは、100億円程度には増加したが、この規模では先行する欧州各国にはるかに及ばない。
最近の中国やインドにも見劣りする【及び腰の姿勢】の低レベルに留まる。

その様な消極的な風潮を作って来たのが、経済界の石頭経営陣であり、再生可能エネルギーの対する「偏見に満ちた軽視姿勢」が大きな原因である。
「再生可能エネルギー」の普及促進に対して常に否定的な姿勢をとってきたのが、鉄鋼業界のトップ経営者たちであった。
「風力発電」は、日本の国内では適地が少ないために、普及量は少数に留まるから、研究開発には協力しない姿勢に終始していた。
しかし、日本は四方を海に囲まれた『洋上風力発電の適地』が、日本中のいたるところにあり、電力供給をすべて満たせる潜在量である。

水深が50m程度までは、海底に土台工事をした上に、鉄塔を建設して発電機と風車を取り付ける。
水深が100mを超える海域では、鉄製のフロート式の洋上風力発電が開発されて、将来は世界中のどこにでも設置が可能になり、普及可能な量は予測も出来ない位に膨大に拡大するだろう。
この土台と鉄塔、フロートには大量の鉄材が必要で、原発50基分を置き換えるには2万基以上の建設が必要になり、大量の鉄鋼需要が生まれる。

この有望な将来需要を鉄鋼業界は、ずっと無視し続けてきた経営者ばかりだ。