庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

電力業界の革新こそが政府の経済再生戦略の要になる。

2013-02-10 | 快適エネルギー社会問題
日本の電力制度改革において、必ず産業界が電力コストを下げることを条件に、改革に抵抗をしてきた。
再生可能エネルギー電力の導入に対しても、発電コストが割高であるから、買取り義務を課せられない様に、経産省と電力族議員に働きかけて、電力会社の言い分ばかりを取り入れてきた。
その結果は、世界で最も近代化の遅れた「地域独占の電力供給制度」を、長期間に渡って許容して来た為に、電力価格を押し上げる非効率な分野を、多く抱え込んだ体質となってしまった。

「発電・送電の分離制度」に向けて、遅ればせながらも2018~2020年には転換すると打ち出したのは、電力会社に味方する財界も見切りをつけた結果だ。
それでも保守的な電力会社は、独占体制の時期に築いた優位な地位を維持しようとして、今後も既得権の維持を図ろうとして、革新には抵抗する。
政府は革新的な新技術を、率先して優遇する助成策を講じて行くべき役割だ。
老朽化した火力発電設備が、故障続出して電力不足になる前に、新規の火力発電設備への置き換えを図ることに、最重点を置く必要がある。

その時に【石炭火力発電】を採用するに当たって、[CO2排出]を抑制する規制を架ける必要がある。
すると保守的な財界の旧時代経営者は、必ず「経済合理性を優先」する立場をとって、排出規制を否定する活動を活発にする。
言い分としては、電力価格が上がることで「経済活動の足かせ」になるから、規制を厳しくするべきではない、と主張する。
しかし、この言い分によって、2000年代の初頭に[CO2排出]がほぼゼロの「再生可能エネルギー電力」を排除し続けてきた結果は、「グリーン産業の育成」にブレーキをかけ続けることで、デフレを長引かせたのである。

財界は、発電コストの高い「再生可能エネルギー電力」の増強を拒否し続けた。
電力価格が上がるから「原発の安全規制」を強化するコトに反対し続けた。
地域独占体制の維持には、「電力族・原発立地自治体」への隠れ補助をし続けた。
自由競争をする改革には反対し続け、環境規制には拒否をする体質の産業界は、昭和30年代から50年代まで、次々に「世論の要求」に背いて抵抗したが、すでに敗れ去って、改革に率先して取組んだ企業が残っている。

電力業界も改革に抵抗し続けるところは、没落の運命にあると覚悟すべきだ。