庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

マスコミと政治家が小悪に拘わっている間に、巨悪は!

2010-02-09 | 暮らし・健康問題
相変わらず、マスコミは政治家の不透明なお金の流れを追いかけまわすのに忙しい。
疑惑があっても、証拠が見つからなければ不起訴になるのは検察庁の立場ではやむを得ないが、それを追いかけまわしたマスコミは、あてが外れてどう扱うか迷走気味である。
政権与党の不満派や、野党の自民党は、政治の不信感をもたらした責任は重いとして、辞任などの要求をしているが、日本にとっての大問題は置き去りにされかねない状態である。

確かに、政権のトップと実力者が、お金の管理にずさんであったことは悪といえるが、数億円から数十億円の範囲である。
その一方で、ダム問題に象徴されるような、無駄な公共事業にお金をつぎ込み続けて、税金を無駄使いしただけでなく、今度のその補修や撤去に必要な費用をキチンと積み立てておくこともせず、造りっぱなしにしてきた責任は、どうなのか?
発電用のダム撤去の費用だけでも15兆円は必要になりそうだし、それ以外の治水用、利水用のダムの状況は、補修や撤去の費用を現世代の負担で積み立てておけるのか、一切、不明である。

その上、まだ新たなコンクリートダムを造る計画が残っていて、続行を主張する土建国家族が勢力を温存して、まだ国家の借金を増やし続ける動きである。
このブログの2009年11月6日から11日にかけて、コンクリートダムから緑のダムに転換する必要を説明したが、長期的に見れば明らかである。
コンクリートダムは、50年~100年で寿命が来るので、必ず撤去の費用が負の遺産となる。
反対に緑のダムに相当する森林資源は、豊かな実りを下流域にもたらし、成長した樹木は適切に選択して伐採・利用すれば、有益な資材となって次世代に確実に貢献する。

このように自明のことに対して、マスコミも守旧派の政治家も目をキチンと向けないで、目先の小悪をほじくり返すのに、没頭している。
その間に、次世代に大きな負の遺産を押し付けた、旧建設省の官僚とそれに迎合した政治家は、逃げ隠れしている。
公共工事の名目で、天下り先の既得権益を膨大に作り上げて、国民の税金をうまくピンはねして、私益を追い求めて増長した人間達は、自分たちの方に目が向いてこないように、次々に目先の小悪をマスコミの目に触れるように用意している事であろう。

次世代に対して誇れる国造りこそが、最重要の課題であるのに、そのようなテーマは、日ごろのマスコミでは片隅にしか出てこないので、目にはとまらない。
国民はマスコミが流布する話題に翻弄されて、本当に重要なことには関心を払わないようにさせられている。

健康的な生活と安心できる暮らしの基本には、豊かな国土を基盤とすることが必要である。
それに対して、政権を目指す政治家は、実現すべき国のビジョンを提示できなければならない。
野党に転落した旧政権党の政治家は、今こそ、重箱の隅をつつくようなみっともない詮索を止めて、本当に必要な政策を対案として出して、堂々と論戦をすべきであろう。
野党が健全でなければ、与党はまともにならない。
既得権を守る官僚がほくそ笑むだけである。