庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

現代の諸悪の根源は自由化されすぎた金融業にある。

2010-02-01 | 経済問題
毎日の生活は勤労による報酬をもとに成り立っている。
これは大昔から人間にとっての基本的な活動で、現代はいくら進化していても、基本は同じだ。
しかし金融と言う制度においては、労働による報酬ではなく、投資と言う選択をして将来に対するリスク(危険性)を負うことで、見返りとして、利子、配当、値上がり益をもらう。
つまり、端的にいえば、「賭け」「賭博」行為と変わらない行動で、賭けがうまい人が、高収益をもらう制度である。

2008年から2009年の前半は、この賭けが世界的な流行によって広がりすぎた状況に加えて、アメリカの住宅バブルの崩壊で、ほぼ、全員が賭けに負けると言う状況がおきた。
金融工学と呼ばれる高度な数学を応用した「金融デリバティブ商品」は、要するに胴元が賭け率の変更を勝手にやっている、賭博場のサイコロ、ルーレットの様なものである。
このゲームのリスクを知らないで、または知っていても見ないふりをして、他人に進めて広がらせた金融関係者は、詐欺罪と器物破壊罪(多くの企業を倒産させ、工場、店舗を壊した)に問われるべきである。

アメリカを中心として世界の関心事は、この後始末を金融業界にさせようとしても、一向にしないので、強制的に法律で「賭博のルール」を変えさせることを要求している。
金融業の自己責任が取れる範囲に、行動、商売の制限をしようと言う考え方である。

金融業者は、この賭博場に制限をかけられることに抵抗して、政治家に対してあらゆるロビー活動を行っている。
金融業は産業の血液であり、コメであるお金を、必要なところに送る欠かせない制度である。
制限を加えることは、お金が隅々まで十分に行き渡らなくなり、産業活動を停滞、縮小を招くから、制限を加えるのは最小限にすべきである。という正論らしき考え方である。

現代はお金の移動は、グローバル化、電子化により、瞬時に儲かりそうな所に移動出来る仕組みになっている。
産業活動にとって、必要な分野、企業、地域にお金が回るには、儲かるという動機付け(インセンティブ)が、伴わないと、お金は供給されない。
産業にとって必要なのは、「賭けのルール」を儲け第一から、将来の富を生む可能性にたいして、
投資をしてくれる、お金の出し手を求めている。

自由にされたお金は,どん欲に利益率、配当の良い金融商品に向けて殺到する傾向にあり、長期の将来性や社会にとっての必要性は、視野の外にある。
金融業者には、この視点は殆どないので、活動の自由度を上げることは「リスクの高い金融対象」を次々に見つけ出して、賭け率の高い賭博場を開くことに奔走する。

もう金融業者の言いなりになることは止めよう。
賭博には制限を付けるのは当然であり、自由にやらせれば良いものが出来る分野ではない。
本当に必要な「新産業」や「価値を生む投資対象」には、お金を回す新制度を創るべきである。