いまの世の中では、安定している雇用と収入が大事であることは誰も異論はない。
しかし、自由市場取引主義によって、企業間の競争を促して生産性の向上を図ることは、ともすれば人件費の削減に突っ走る企業が現れて、市場取引での競争上は優位になる。
雇用の確保を優先する政策を打ち続けなければ、必ず雇用不安を招き収入の低下につながる。
このことは6月13日~19日にわたって、このブログに、それが起きる原因を書いてきた。
もう十分に理解されていると思います。
先進国では、労働時間の制限や遊休休暇制度、超過勤務手当制度などは、とうの昔に法令も整備されて、日本のように、隠れた労働ダンピングは起きない。
それでも雇用の確保については、どこの国の政府も最も重視してきた政策である。
あらゆる知恵を動員して雇用の機会を増やすことが、その政府の役割であり、実績評価につながる重要な争点である。
アメリカは2008年の金融危機、不動産バブルの崩壊で、経済的には大変不利な環境に陥ってしまった。
失業率は10%を超えてさらに増える可能性が高い。
ここにおいて、オバマ新政権は数百万人の新規雇用を増やす、再生可能エネルギーの普及を強化していく政策を採用した。
「米クリーンエネルギー・安全保障法案」と呼び、石油や石炭など化石燃料に依存する社会・経済のエネルギー構造を、風力や太陽光などを活用するように変えて「新産業を強化する」ための具体的な制度を決めるものである。
詳細は省くが、要点は化石燃料を割高にして、その分の金額を企業に負担させ、それによる収入を再生可能エネルギーの価格に補てんをして、経済性・価格競争力を有利にさせる制度である。
前に説明した「バッド課税・グッド減税」の考え方に沿った誘導政策であり、これによって新産業に参入する企業の投資回収を有利にさせて活性化する面もある。
当然、「グッド減税」の恩恵は新産業で成功する企業が獲得して事業を拡大するので、新規雇用が大幅に増える。
現在、考えられる制度の中では、なかなか合理的であり経済効果は期待される。
しかし、いつの世にも反対する勢力は多い。
この場合は、「バッド課税」の分野に相当する石油や石炭に依存して発展してきた地域や産業を代弁する人たちである。
反対の理由はいつも同じである。
エネルギーの価格が割高になると、企業のコスト競争力が低下して輸出競争に敗れる。
その影響で経済はさらに停滞するというものである。
自分たちが代弁している集団の利益だとは言わない。
オバマ大統領の母体の民主党からも、反対票を投じた議員が44人にのぼり、下院での議決は賛成219、反対212、と弱差で可決できた法案であり、上院においては成立はまだ危うい状況だという。
どんな状況でも既得権を持っている勢力は、今の利権や境遇を維持しようとして必死に抵抗する。
それを押し切って、新産業を優遇する制度を作るのは大変な熱意と行動と知恵が必要である。
アメリカは、それを乗り越えることができるか、大きな試金石である。
一方、日本の状況はどうかというと、まだまだ、まったく効果のすくない制度しかなく、申し訳程度の補助金制度で、取り繕っている状況である。
麻生首相がいくら力説して太陽光発電の促進をするといっても、法律的な優遇はほとんどない。
これでは日本では普及促進の見通しはないので、新産業として勢いよく発展する可能性は低い。
結局、新産業が伸びないことで雇用も増えない。
エネルギーを大量消費する企業の国際競争力を維持することにしがみつくならば、雇用は減る一方であろう。
しかし、自由市場取引主義によって、企業間の競争を促して生産性の向上を図ることは、ともすれば人件費の削減に突っ走る企業が現れて、市場取引での競争上は優位になる。
雇用の確保を優先する政策を打ち続けなければ、必ず雇用不安を招き収入の低下につながる。
このことは6月13日~19日にわたって、このブログに、それが起きる原因を書いてきた。
もう十分に理解されていると思います。
先進国では、労働時間の制限や遊休休暇制度、超過勤務手当制度などは、とうの昔に法令も整備されて、日本のように、隠れた労働ダンピングは起きない。
それでも雇用の確保については、どこの国の政府も最も重視してきた政策である。
あらゆる知恵を動員して雇用の機会を増やすことが、その政府の役割であり、実績評価につながる重要な争点である。
アメリカは2008年の金融危機、不動産バブルの崩壊で、経済的には大変不利な環境に陥ってしまった。
失業率は10%を超えてさらに増える可能性が高い。
ここにおいて、オバマ新政権は数百万人の新規雇用を増やす、再生可能エネルギーの普及を強化していく政策を採用した。
「米クリーンエネルギー・安全保障法案」と呼び、石油や石炭など化石燃料に依存する社会・経済のエネルギー構造を、風力や太陽光などを活用するように変えて「新産業を強化する」ための具体的な制度を決めるものである。
詳細は省くが、要点は化石燃料を割高にして、その分の金額を企業に負担させ、それによる収入を再生可能エネルギーの価格に補てんをして、経済性・価格競争力を有利にさせる制度である。
前に説明した「バッド課税・グッド減税」の考え方に沿った誘導政策であり、これによって新産業に参入する企業の投資回収を有利にさせて活性化する面もある。
当然、「グッド減税」の恩恵は新産業で成功する企業が獲得して事業を拡大するので、新規雇用が大幅に増える。
現在、考えられる制度の中では、なかなか合理的であり経済効果は期待される。
しかし、いつの世にも反対する勢力は多い。
この場合は、「バッド課税」の分野に相当する石油や石炭に依存して発展してきた地域や産業を代弁する人たちである。
反対の理由はいつも同じである。
エネルギーの価格が割高になると、企業のコスト競争力が低下して輸出競争に敗れる。
その影響で経済はさらに停滞するというものである。
自分たちが代弁している集団の利益だとは言わない。
オバマ大統領の母体の民主党からも、反対票を投じた議員が44人にのぼり、下院での議決は賛成219、反対212、と弱差で可決できた法案であり、上院においては成立はまだ危うい状況だという。
どんな状況でも既得権を持っている勢力は、今の利権や境遇を維持しようとして必死に抵抗する。
それを押し切って、新産業を優遇する制度を作るのは大変な熱意と行動と知恵が必要である。
アメリカは、それを乗り越えることができるか、大きな試金石である。
一方、日本の状況はどうかというと、まだまだ、まったく効果のすくない制度しかなく、申し訳程度の補助金制度で、取り繕っている状況である。
麻生首相がいくら力説して太陽光発電の促進をするといっても、法律的な優遇はほとんどない。
これでは日本では普及促進の見通しはないので、新産業として勢いよく発展する可能性は低い。
結局、新産業が伸びないことで雇用も増えない。
エネルギーを大量消費する企業の国際競争力を維持することにしがみつくならば、雇用は減る一方であろう。