毎日九さんのブログ記事を読んでいる読者ですが、私の体験を書きます。
私は退職後半年経った時、左胸の一部に固いしこりを見つけ、札幌国立病院がんセンターを受診して『乳がん』と診断され、手術、放射線治療、抗がん剤の投与を受けました。主治医によると、手術時に採取した『がん細胞の顔は悪質』で、再発、転移しやすい性質だと聞かされました。
それで私の人生もそこそこ終わりに近いと考え、生きている内にやりたいことをなるべく多くやることにしました。趣味の旅行、軽登山などです。
もう一つ、まだ仕事をしていた時に、退職後、最後にやりたいことは何だろうかと考えていた時に、既に当時住んでいた札幌のマンションのベランダに置いてある沢山の花の鉢に目が行きました。そうだ!私が好きな事は「花育て、庭仕事だ」と気づきました。それで、それに相応しい南向きで適当な広さがある土地を2年間探し続けました。札幌市内では見つからず、結局、札幌郊外に私の予算で買える土地がみつかり、退職前に貯金で直ぐに購入していました。
退職後、癌になったため、やはりその場所に実際に家を建てるかどうかとなると悩みました。けれど、2度と人生のやり直しはできないのだから、例え5年で死んでも納得できる最後の家を建てるべきだと考え直し、当時あった退職金を原資に貯金も全部吐き出して、自分で勉強して考えた「バリアフリー住宅」の平面図を書いて建築会社に依頼し、キャッシュで建てて貰いました。もうお金は貯めておかなくて良いと思ったから、決心もできたのでしょう。
その後もずっと「癌再発・転移」の不安を抱きながら、残りは少しの人生しかないと思い、夢中で庭仕事や海外旅行をしました。旅行の一回々々は「これが最後になるかも知れない」と考えると、切羽詰まった気持ちを持ちながらも、十分に楽しみ、歴史や文化を学びました。その「旅行記」は、このブログに書いてあります。
しかし、昨年春の定期検診で、「何かあった時以外は、もう病院に来なくて良い。」とその時の主治医(大きい病院なので医師の転勤が時々ある)に言われて、凄く驚きました。
私が「細胞診の結果、再発・転移しやすい細胞の顔だと言われていましたが良いんですか。」と聞くと「良いです。」との返事でした。
自分で乳がんを発見してから17年近くが経ち、年も取り、体力もすっかり低下していました。医師の言葉は嬉しい限りでしたが、『顔つきが悪いがん細胞』とは何だったのでしょうか。これからどういう気持ちで生きれば良いのでしょうか。
今は体力と両膝の関節症が不安で登山はできず、海外旅行も円安の事もあって躊躇しています。
しかし、よく考えて見ると、癌になって死を意識したことは、私にとって生きる意味を問い直す良い機会となったのです。その結果、自分なりに結構充実した退職後の人生を送る事ができたかな、と今は思います。
九さんに取っては、これからもまだ検査時の大変な苦痛を毎回乗り越えなければならない訳ですが、細胞が私と違って『いい顔』をしているなら、今後の回復は期待できると思います。その内、自分の人生、そう悪くなかったと思える日がきっと来るのではないでしょうか。そう思います。
と同時に、医師と患者は対等です。医師は検査データーは分かっても、患者の痛みや容態を本当にはわかり得ないのです。しかも治療方針は患者自身が決めるのです。不安な事や疑問があれば、その都度質問した方が良いと思います。私は通院時は担当医に、また、病院が主催する「癌講演会」などでは、大抵講師に質問して来ましたよ。
(九さんへ 我が家の薔薇の写真を贈ります)
中々良い内容なので、再放送された時にVTRを取ったらいかがでしょうか。
九想さんの病院には「癌相談センター室」はありませんか?私の病院にはあって、色々な患者や家族の相談に応えているようでした。そんな所があれば、是非、色々な話しを聞いて貰ったら良いと思います。
数年前には国会で(名前を確信できないですが)確か「癌対策基本法」という法律ができ、その後は癌患者の健康と人権を守る様々な対策が、全国で展開されるようになってきている筈です。
早速コメント(お返事)ありがとうございました。
早速ですが、九想さんの病院のその科には、医師は1人しかいないのですか?別の医師が居られるなら、医師を買えて欲しいと受付に相談してみることもできます。
また、もう少し早い時期に「セカンドオピニヨン」に行きたいと申し出る事もできましたね。
そんな時、医師は、自分が信頼されていないと不快な顔をするかも知れませんが、自分の意思の方が大事です。これからもあるいは別の医師や病院の意見を聞いてみるのも良いかもしれません。ただし、今までの経過記録を持たせて貰うためにお金が必要になりますが。
いずれにしても今まで長い闘病生活の苦痛を、九想さんはしっかりと耐えてこられたと思います。奥様の存在も大きかったと思いますね。ブログを読む度に、素敵に支え合っているご夫婦の姿が記事の端々にいつもにじんで見えて、嬉しく羨ましく思っていました。
これからもどうか仕事を含めて、したいことが沢山できますように、辛いけれども病気を乗り越えて行って欲しいです。ありがとうございました。
そして薔薇の花の写真をありがとうございます。
>癌になって死を意識したことは、私にとって生きる意味を問い直す良い機会となった
私もがんになりいろんなことを考えました。
考えたことは九想話に書いてきました。
(私は人間が小さいのでたいしたことは考えていません)
>医師と患者は対等です。
私もそう思いますが、どうしても立場は患者が弱いと思います。
医師は、都合悪いことはいわない。
いってくれないことは分からない。
私のがんは、今のところ『いい顔』のようです。
しかし、これまで再発して5回手術を受けてきました。
また、いつ『わるい顔』に戻るかも知れません。
覚悟はしています。
この町に中古住宅を買って住んで10年になります。
庭に花を咲かせて、野菜を育てて、雑草を取る暮らしが好きです。
妻は69歳まで、2時間かけて東京へ通勤する仕事を続けるといっている。
それを応援したいと思います。
私も町の施設で月に10日ほど働いています。
先日、JRの「大人の休日倶楽部」で東北を旅しましたが、また夫婦で行きたいと思っています。
本当は海外に行きたいのですが、体力もお金もありません。
今、20代のころのことを小説に書いています。
これをなんとか完成させたいです。