花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり外国は見合わせている。

余市岳に登る(2)

2010年10月10日 | 軽登山・登山・軽スポーツ

ゴンドラを降りてから、広場に集まり、登山ガイド氏の指導の下、ストレッチ運動をした。
私には、片足ずつ後ろに上げて手で掴むことが難しく、日頃の運動不足と老いによる柔軟性の低下を実感した一瞬だった。

いよいよ登山開始だ。
しかしガスが出てきて、視界は10m位しかない。
気温は9度と低い中、1時間以上、ほとんど傾斜のない幅広い登山道をゆっくりと歩いて行った。
左右に背の高い笹薮が広がっているが、ほとんど平地に近い登山道は笹が綺麗に刈り込まれていて歩きやすかった。
ガイド氏が、「今日は大勢で歩いているので熊は出ないが、1人で歩いている時など、カーブの向こうで待ち伏せして突然出てくることがあるらしい。」と言っていたので、隠れている熊を想像してぞっとした。

見晴らし台に着く頃、ガスが切れて視界が開けた。初めて眼前に、目指す「余市岳」の雄大な姿とジグザグになった登山道が見えた。
その急峻さに私は登れるだろうかと、一瞬、不安になった。

           

写真の紅葉がある場所から一旦50m程下り、そこからいよいよ低い這い松に覆われた山へと登って行くのだ。
私はガイドに付いてゆっくりだが休まずに登って行った。
たちまち体温が上がって来て、心臓がバフバフし、一瞬気が遠くなるような感じにも襲われた。
30分程登った所で休憩した時、上着を脱いでリュックにしまった。涼しくなり、その後は比較的楽に登れた。

やっとケルンがある山頂らしき場所に着いたが、本当の山頂はさらに300m奥だった。
前を行く人が、登山道の直ぐ傍でシマリスを見つけた。
小さなシマリスが、夢中でエサを食べていた。迫っている冬に備えているのだろう。
また、そのあたりは、以前、山火事があったらしく、広範囲に白く枯れた這い松が痛々しかった。

                        

ゴンドラの山頂駅出発後、2時間15分かかって、やっと「余市岳」の山頂に着いた。
山頂では這い松が20畳位の広さ、刈ってあった。
驚いた事に、既に何人もの人がいたし、私たちの後にも次々とやってきて、山頂は狭いくらいになった。
周囲を見渡しても、霧が立ち込めていて何も見えない。風も強いため、体感温度は4~5度に感じた。
頂上では20分の休憩時間が与えられたので、めいめい座って食事をした。 私は立ったまま、弁当に支給されたお握りを1つ食べた。
ガイド氏に頼んで、一緒に写真を撮らせて貰った。

帰路、山頂から2~3分程歩いた所で振り返ると、山頂のガスが晴れていた。
遥か左方に雲海に浮かぶ「羊蹄山」の頂上がうっすらと見えた。
「羊蹄山」「余市岳」よりさらに410m高い標高1898mの独立峰で、山容が富士山にそっくりなため「蝦夷富士」ともいわれる山だ。
私は8年ほど前に1人で登頂したことがあるが、その山頂を一瞬望められて嬉しかった。

 

下りは粘土質の土とごろごろした石の道を、滑らぬように気を付けて降りた。
途中、みぞれ交じりの雨が少し降り、相変わらず濃いガスに覆われた。1時間50分で、ゴンドラの山頂駅に戻った。
キロロの立派な温泉ホテルで汗を流してから、またバスで札幌に戻った。駅に着いたら夕方5時になっていた。

登山中は気温が低かったので、水を少ししか飲まなかった。自宅から持って行った水が1L以上余ったので、全部、駅北口の噴水に捨ててから、JRに乗って家に戻った。
帰宅後は、とても充実した気持ちに満たされながら、ワインを飲んだ。






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余市岳に登る(1)

2010年10月10日 | 軽登山・登山・軽スポーツ

昨日、まだ登った事がない余市岳(1488.1m)登山ツアーに参加した。
この山は、石狩圏では最も高い山で、大きさ、奥深さも他に類を見ない山なのだが、私はまだ登った事がなかった。
春、札幌の郊外から西方を見ると、幾つもの山並みの奥に最後まで真っ白い雪に覆われている姿が見られる山なのだ。
それで、専門の登山ガイドも付くこの旅行社のツアーに思い切って参加することにしたのだ。
(主催が同じ登山ツアーには、今まで2回参加している)

札幌駅集合7時20分だったので、私は5時に起きて支度をし、出かけた。
バスは赤井川村のキロロスキー場を目指して駅北口を7時半に出発した。
添乗員氏は、「今日は連休前ということで、ツアーに出かける人が2000人も集まっていたから、受付場所が凄く混んでいて驚きました。」と話していた。
北海道では11月になると、場所によっては雪が降る冬になる。
今月が行楽シーズンの最後になるので、連休を利用して大勢の人が北海道内の各地に出かけるのだろう。
小樽までは高速道路で1時間弱で行き、そこから山道に入り、間もなくキロロスキー場に到着した。

バスを降り、持って行った登山靴に履き替え、ゴアテックスの上着を着た。
スタートでは、先ずキロロスキー場のゴンドラに乗って、標高1185mのスキー場山頂駅に向かった。
札幌では紅葉といっても、まだナナカマドが赤い実を付けた位だが、ここは正に紅葉真っ盛りの状況になっていた。
わずか10分程度だったが、その美しさに目を奪われた。
常緑の蝦夷松、とど松が所々にあるため、赤や黄色の紅葉がとても映える。
スキーのコースには木がないため、スイスの山間地方を見るようだ。
ゴンドラでまさに≪綾錦≫といって良い景色が広がるその上を移動している居る訳で、本当に贅沢な時間だった。

   

                       

上方の余市岳の方角からは、次第にガスが降りて来ていた。葉を落とす直前のダケカンバの白い幹が美しかった。

  




 

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