他院から関節リウマチの78歳女性が紹介されてきた。リウマチ膠原病内科と整形外科に通院していたが、ちょっと遠方であり、通院が難しくなったのだった。
昨年車で送っていた夫が亡くなったという事情だった。当院ならばタクシーでも通院できる。
整形外科は、両側膝関節置換術後のフォローで、こちらは6か月に1回の通院だった。リウマチ膠原病内科には毎月の通院で、当院内科宛の診療情報提供書が出ていた。当院は、昨年の後半から大学病院リウマチ膠原病科の先生に隔週で来てもらっているが、先方ではわかっていたのだろうか。
診療情報提供書を見ると、メソトレキサート・イグラチモド・プログラフ・エタネルセプトを使用したが、関節炎のコントロールが困難で、JAK阻害薬のトファシチニブ(ゼルヤンツ)にしてから炎症所見が改善したとある。
確かに検査結果をみると、炎症反応は陰性で経過しているようだ。ただ、リウマトイド因子は著増していて、抗CCP抗体(外注)は振り切れている。
リウマチ歴18年で、X線を見ると、関節はかなり変形している。
高血圧症・糖尿病の高齢女性は、隣りの市から当院に通院している。通院していた内科医院から糖尿病の治療目的で紹介されて、その後は当院にずっと来ていた。
血圧と血糖の話しかしていないが、ある時にリウマチの話が出た。(多発)関節炎で近くの整形外科医院を受診したが、関節リウマチで有名なクリニックに紹介されたそうだ。トシリズマブ(アクテムラ)を使用して、症状は軽快している。
メトレキサートの治療までは自院で治療している先生も市内にいる。当方も治療継続を依頼されたメトトレキサート規定量で安定していた高齢男性をしばらく診ていたことがあるが、その後症状が再燃して、結局数年前に専門医に紹介した。
可能なら関節リウマチは専門医に通院するのがいいと思う。治療アルゴリズムはあるが、案外おおざっぱ?で、薬剤選択は経験がないととてもできない。