なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

RF・抗CCP抗体陰性の関節リウマチ

2023年04月28日 | Weblog

 昨年から隔週(月2回)で大学病院リウマチ膠原病内科から外来診療に来てもらっている。リウマチ膠原病科のある病院まで行ってもらわなくて済むのでありがたい。

 不明熱で入院したANCA関連血管炎(GPA、MPA)やSLEの患者さんも相談できて助かっている。外来が開設されて10か月経過して、こんな検査はやっておいてほしいようだとか、専門科の雰囲気が少し分かってきた気がする。

 

 血液透析を受けている51歳女性も関節リウマチでこの外来に通院していた。2年前(2021年9月)に全身の関節痛が出現して、続いていた。

 最初は整形外科の外来に通院していた。その後、2022年3月に大学病院受診を希望されて、透析を診ている腎臓内科医から紹介となった。

 診療情報提供書には、「RF(リウマトイド因子)も抗CCP抗体も陰性で関節リウマチではなさそうですが」とあった。RFと抗CCP抗体は、リウマチ分類基準の項目のひとつであり、両者陰性はスコア0になるだけで必須ではない。

 RFは感度75.9%(特異度78.7%)、抗CCP抗体は感度78.5%(特異度95.9~97.9%)なので陰性でも除外はできない。そうはいっても、特に非専門医にとっては診断するのにやはりこれらの陽性がほしい。

 

 大学病院では関節リウマチと診断された。(指趾の関節を含む多発性関節炎+半年以上+炎症反応陽性+他疾患除外)サラゾスルファピリジンで治療が開始されたが、症状は軽快していなかった。昨年7月からは当院でリウマチ膠原病外来が始まったので、当院外来で治療をしていた。

 10月からエタネルセプト25mg週1回が開始されて、症状が軽快した。その後投与間隔をあけることが検討されたが、症状が増悪して、週1回で継続されている。(脊椎関節炎ではない、と思うが)

 

 「RFや抗CCP抗体が陽性だから関節リウマチ」と診断してはいけない! 「RFや抗CCP抗体が陰性だから関節リウマチではない」と除外してはならない! と、「そこが知りたい! 膠原病診療ハンドブック」にあるが、是非陽性であってほしい。

 

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