なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

汎血球減少症

2023年04月19日 | Weblog

 4月18日火曜日午前中の救急当番の時に、追突されたという70歳男性が搬入された。

 軽自動車を運転していて、右折しようと減速したところに、後ろからトレーラー車が追突したのだった。意識は清明で、自力歩行できている。

 右後頭部にこぶ(皮下血腫)ができて、その頂部から出血があったが、ほぼ止血していた。右側胸部というか、右腋窩近くの胸部を痛がっていた。シートベルトが当たる部位だった。エアバッグは作動していない。

 当院でも対応できそうと思われて引き受けたが、画像検査の結果をみないとわからない。肋骨骨折くらいなら大丈夫か、と思った。

 頭部CTで頭蓋内出血はなかった。年齢を考慮しても少し脳委縮が目立つかもしれない。頸部から腹部までのCTも行ったが、肋骨骨折や血気胸はなかった。

 鎮痛薬を処方して帰宅できる。状況的にはむち打ち損傷が起きる可能性があるが、後頚部痛は訴えなかった。少し経過をみてから、被害者であり診断書を要するので、整形外科の外来で出してもらうことにした。

 

 念のため血液検査も提出したが、汎血球減少症があった。白血球1600・Hb 9.0g/dl・血小板8.7万だった。2017年の記録があり、白血球は2000台、Hb11g/dlだった。5年間の間に変化してきたのだろう。

 白血球分画は、好中球24.3%・リンパ球33.5%・単球41.3%と単球増加が目立った。骨髄異形成症候群(MDS)か単球性白血病が疑われる。

 5~6年前に急性心筋梗塞で地域の基幹病院で心カテ(PCI)を受けたらしい。現在は市内の内科クリニックに通院して、抗血小板薬を継続している。

 そのクリニックでも血液検査の異常を指摘されて、専門病院への紹介を勧められたそうだ。クリニック宛に今回の交通外傷と汎血球減少症の結果を記載した診療情報提供書を出した。

 配偶者はいないが、同居している女性がいる。患者さんは重度の難聴があり、認知力に不安があるので、その方に説明した。

 

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