日本テレビ系列で土曜日午後10時から放映中の、「祈りのカルテ」が面白くて毎週見ている。
研修医の諏訪野良太を演じる玉森裕太さんが、病院内を走りまわっている。誠実だが気弱な青年をうまく演じている(たぶん)と思う。
副題が「研修医の謎解き診察記録」となっている。病気そのものの診断というより、その病気にまるわる患者さんの秘密(思い)を主人公が見事に突き止めて解決に導いている。「カルテがすべてを教えてくれた」が決め台詞。
ドラマでは実際の小説の内容を膨らましているようだ。池田エライザさん演じる立石聡美などの研修医仲間とのやりとりが、青春群像としていい感じだ。母親が離婚後に再婚して、義理の父親と父親の違う妹がいる設定にして、義理の父親に子供の時から気を使ってきたことなども描かれている。
指導医を演じるベテラン俳優さんたちが、気持ちよさそうに演じている。なかでもタロットカードを持ち出す精神科医役の松雪泰子さんが面白い。
原作は、文庫本が出ている第1巻と単行本の第2巻しかない。1クール10回をどう作っていくのだろうかと、ちょっと心配になったりする。
作者の知念実希人さんは沖縄出身(この姓はいかにも)で、現役の内科医だそうだ。他の小説も読んでみることにした。
祈りのカルテは初回視聴率が6.6%で、この秋の医療系ドラマとしては、ザ・トラベルナース11.9%、PICU10.3%に負けている。期待のドラマにも選ばれていなかった。個人的にはいいと思うけど。