なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養からGPCが検出

2022年10月13日 | Weblog

 9月16日にがんセンターから85歳男性が転院してきた。COVID-19に罹患して、数日後に悪化して入院となっていた。コロナ自体は治癒したが、食事摂取ができなかった。

 がんセンターは当初は、他の高次医療機関がCOVID-19対応で癌患者を診る余裕がなくなった時に、癌患者を引き受けることにして、コロナには対応しないことになっていた。その後、感染病棟逼迫で、がんセンターも緩和ケア病棟をそのまま感染病棟に替えて診療するように変わった。

 内科の若い先生に転院後の治療をお願していた。点滴を継続して、嚥下訓練を行っていたが、経口摂取は無理と判断された。消化器科医に内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が依頼された。いつものコンビ(消化器科医と当方)で胃瘻造設を行った。

 

 転院後の9月22日に発熱があった。その日から数日内科の若い先生が不在だったので、血液培養2セットと尿培養を提出して抗菌薬を開始していた。胸部X線で明らかな肺炎像はなく、尿路感染症疑いだった。

 意外にも血液培養2セットからStaphylococcus epidermidisが検出された。抗菌薬の感受性は良好で、MSCNS(MSSE)だった。セフトリアキソンで開始していたが、主治医はセファゾリンに変更して継続していた。

 その後解熱して経過は良かったが、10月3日にまた発熱があり、血液培養2セットが提出された。胸部CTで左肺下肺野背側に軽度に陰影があり、肺炎として治療(ゾシンPIPC/TAZ)を開始していた。

 血液培養2セットから、今度はStaphylococcus haemolyticusが検出された。こちらはMRCNSだった。末梢静脈から点滴を継続しているが(数日で入れ替え)、末梢静脈カテーテル関連血流感染症なのだろうか。心エコーでは明らかな疣贅はなかった。

 

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