なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

エドルミズ

2022年10月29日 | Weblog

 10月27日からJDDWが開催されていて、webでところどころ見ていた。28日朝(モーニングセミナー)に、癌性悪液質に対する、グレリン様作用のエドルミズ(アナモレリン塩酸塩)の講演があった。

 この薬のことは知らなかった。適応となる癌(非小細胞性肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌)はふだん扱っている癌腫になる。通常は、癌性悪液質の諸症状に対しては、ステロイド(デキサメサゾン)を使用している。ステロイドとの使い分けはどうするのだろう。ステロイドより先になるか。

 癌性悪液質というのは臨床診断だから、そう判断すればそういう診断になる。癌の経過が長い患者さんだと、最近になって全身状態が悪化してきた時に、原疾患は癌だがその時の病状を表す病名として使用している。

 

 エドルミズ ®錠50mg(一般名:アナモレリン塩酸塩)

 がん悪液質*に対して,2021年1月に製造販売承認を取得しました. *非小細胞肺癌,胃癌,膵癌,大腸癌に限る
 本剤はグレリン様作用薬であり,グレリン受容体であるGHS-R1a(成長ホルモン放出促進因子受容体タイプ1a)を活性化することで,成長ホルモンの分泌促進及び食欲の亢進に関与すると考えられています.
 一方,本剤では,刺激伝導系抑制,高血糖,糖尿病の悪化,肝機能障害といった重大な副作用が報告されています.本資材でご紹介する副作用管理に関する対処法に基づいて適切な治療を行っていただくことは,これらのリスクを最小限にするために極めて重要となります.また,治療に先立ち,患者又はその家族に有効性及び安全性を十分説明してください

4. 効能又は効果
下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質
⾮⼩細胞肺癌、胃癌、膵癌、⼤腸癌
5. 効能又は効果に関連する注意
5. 1 切除不能な進⾏・再発の⾮⼩細胞肺癌、胃癌、膵癌、⼤腸癌のがん悪液質患者に使⽤すること。
5. 2 栄養療法等で効果不⼗分ながん悪液質の患者に使⽤すること。
5. 3 6ヵ⽉以内に5%以上の体重減少と⾷欲不振があり、かつ以下の①〜③のうち2つ以上を認める
患者に使⽤すること。
① 疲労⼜は倦怠感
② 全⾝の筋⼒低下
③ CRP値0.5mg/dL超、ヘモグロビン値12g/dL未満⼜はアルブミン値3.2g/dL未満のいず
れか1つ以上
5. 4 ⾷事の経⼝摂取が困難⼜は⾷事の消化吸収不良の患者には使⽤しないこと。
5. 5 「17. 臨床成績」 の項の内容を熟知し、臨床試験で対象とされた患者背景、本剤の有効性及び
安全性を⼗分に理解した上で、適応患者の選択を⾏うこと。

 

 妹から、乳癌で治療を受けていた親友が亡くなったと連絡がきた。妹が新体操でインターハイに出た時の仲間で、その後もずっと親しくていていて、家族の冠婚葬祭にも来ていた。大学病院の乳腺外科で診ていたので、可能な限りの治療はしていたはずだ。

 先日妹の娘(姪)の結婚式にも無理して参加してくれていた。それまでの半分になったような痩せ方で、まさに癌性悪液質だった。

コメント
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