なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

退院になった心不全

2020年10月14日 | Weblog

 先週の水曜日の早朝に呼吸困難の88歳男性が救急搬入された。前日の当直は大学病院からバイトに来ている若い外科医だった。(火曜日の日中は外来と救急当番で、その日はそのまま当直をする)

 朝に病院に来た時に、(救急室の前を通るので)救急の受付をしている顔なじみの事務職員から、当直の先生が相談したい患者さんがいます、と言われた。(循環器科は平日日中のみの対応で、内科のように当番制になっていない)

 循環器科の外来に高血圧症・心不全(AR・MR)で、呼吸器科の外来に慢性閉塞性肺疾患(COPD)・肺癌で通院しているそうだ。呼吸器科は、当院の常勤医はいないので大学病院の応援医師が担当している。

 胸部CTで見ると、気腫性変化があり、右肺癌があった。両側胸水貯留と心嚢液貯留もある。炎症反応の上昇はなく、BNPがふだんの120~130から283(pg/ml)と倍増していた。肺の影響もあるかもしれないが、心不全の増悪でいいようだ。

 もう診療時間が開始になるところだった。外来で担当している循環器科医はすでに病院に来ていたので、申し送って循環器科で入院になった。心エコー検査も入れておいたが、結果はEF30%台で、左室はびまん性にhypokinesisで拡張型心筋症相当の心機能だった。後で、「しばらく心エコーやってなかったけど、心機能が低下してたね~」と言われた。

 フロセミド静注から点滴静注が開始されて、症状・所見は軽快していた。6日目のBNPは118とふだん通りになった。そこまではよかった。

 

 今週の火曜日に何だか病棟がもめていて、セクハラという声も聞こえていたが、この患者さんは急遽その日のうちに退院になっていた。

 後で病棟の看護師長に事情を訊くと、最初は看護師さんの腕を触っていたが、そのうち白衣の襟のところから胸に手を入れてくるようになったそうだ(胸もみもみもあり)。3人の若い看護師さんがセクハラ被害に会った。言葉のセクハラもあった。

 認知症で抑制がきかないのかとも思ったが、ベテランの看護師さんにはしないので、ちゃんと区別していた。それを咎めると、していないと言う。

 家族を呼んで事情を説明したところ、すみませんでしたと、あっさり退院に応じた。退院数日後には循環器科の外来で経過を診ることになっている。

 

  

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