なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胸椎圧迫骨折

2020年10月29日 | Weblog

 昨日は内科再来を診ていたが、予約の最後に見慣れない名前があった。上背部痛で前日に外科に入院した患者さん(95歳女性)で、外科医からの診察依頼だった。

 

 当院は4月から整形外科の常勤医が不在になった。大学病院の整形外科から週2回外来応援に来ていて、週1回リウマチ外来担当の先生も来ているが、常勤ではないので入院の主治医にならない。 

 回復期リハビリ病棟に紹介される骨折術後の患者さんなど、整形外科疾患の患者さんは常勤の外科医が担当することになっていた。主には外科のトップの先生が担当している。

 

 この患者さんは、上背部痛で地域の基幹病院の救急外来を受診して、診察した整形外科所属の若い先生が診察していた。胸腹部CT(骨条件)を施行していた。胸椎・腰椎に圧迫骨折がある。

 ケアハウスに入所していて、痛みで動けないため入院が必要になる。満床で入院させられないため、当院に入院依頼が来たという経緯だった。診療情報提供書には、「画像上今回の疼痛の原因になるような明らかな原因はありません」、と記載されていた。

 以前この外科の先生から診察依頼があって、リウマチ性多発筋痛症(PMR)だった患者さんがいた。これではありませんか、という紹介だった。

 外科の病棟に患者さんを診に行った。年齢は超高齢(90歳以上は超高齢になる)だが、認知症はなく、はきはきとした会話ができる。痛みは胸椎下部に相当する。叩打痛はなかった。安静時は治まっているが、寝たり起きたりすると痛い。特にひねるような動作をすると特に痛いそうだ。尻もちをついた、転倒したという外傷の既往はなかった。突然に近いような急な発症だそうだ。

 両肩・上腕近位部・大腿近位部の症状はなく、血液検査で炎症反応は陰性なので、PMRでは(まったく)ない。殿部~下肢に及ぶような症状もなかった。

 普通に圧迫骨折でいいようだ。先方のCTで多発性の胸椎腰椎圧迫骨折があり、陳旧性とされていたが、圧迫骨折の新旧はCTではわからない。胸腰椎をMRIで診てもらうことにした。MRI担当の放射線技師さんに連絡すると、午前中はいっぱいだが、午後なら入れるという。

 MRIの脂肪抑制T2強調画像で第9胸椎に高信号を認めた。陳旧性胸腰椎圧迫骨折に、また新規の圧迫骨折が加わったということだった。

 やっぱり整形外科領域はMRIに限る。Dr.MRIは頼りになるのだった。放射線技師さんは画像を見慣れているので、どうだったと訊くと、ありますねとあっさり答えてくれた。こちらも頼りになる。

 

 

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