なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ダウン症候群

2020年10月25日 | Weblog

 昨日土曜日は内科日直をしていた。ダウン症候群の40歳男性が高熱(39℃)で受診した。家族(両親)が車で連れてきたが、発熱外来扱いになるので、そのまま車で待ってもらっていた。本人は症状を表現できない。黄色の鼻汁が出ているが、咳はないそうだ。

 

 当院の発熱外来は、まずインフルエンザ迅速試験と新型コロナウイルス抗原検査を行って、その後に血液・尿検査、画像検査を行うことにいつの間にかなっている。

 当地域は新型コロナウイルス感染者はまだ10名に満たない。発熱外来受診者で濃厚接触者はまずいない。それでも検査できる以上は検査するという方針になっている。(疑陽性・偽陰性があるので、それほど信頼できる検査ではないが)

 内科診断学を無視した形だが、なにしろコロナは症状の有無や症状そのものでも鑑別はできない。病院のローカルルールなので、当方もそれに従っている。

 

 予想通り両者ともに陰性で、血液検査・画像検査を行った。胸部X線・CTで肺炎を認め、炎症反応も上昇していた。入院すると、両親(母親)が付き添うことになる。食事摂取はできるので外来で何とかならないかということだったが、酸素飽和度93%(室内気)で、入院が好ましい。

 個室代は免除するしかないかと思ったが、重症個室が1室空いていたので、そこに入院とした(重症加算がつくので、個室代はない)。両親も高齢になってきたので、付き添いは疲れると思う。

 

 この患者さんは現在循環器科の外来に通院している。当院は18年前に新築移転していて、その時から循環器科に通院している記録がある(旧病院の時からの通院だったはず)。心房中隔欠損症・肺高血圧症があり、処方はジギタリス製剤のみだった。

 数年前に当院の循環器科が一時的になくなった(開業と転勤)。市内に開業した先生は、自分の外来通院者のほぼ全員に自分のクリニック宛の紹介状を書いていたが、この患者さんはそのままにしていたので、内科外来で処方を継続していた。

 3年前に両側肺炎で入院した。酸素10L/分でも酸素飽和度が上がらず、通常は高次医療機関に搬送だが、家族と相談して、当院でできるだけの治療をすることになった。幸いに肺炎は軽快して、退院することができた。

 退院後は内科外来に通院していたが、その後に循環器科医が赴任して診療科が再開したので、そちらに戻した。循環器科の外来を診ている先生は熱心に検査を入れているが、この患者さんはほとんど検査を入れていなかった。

 画像検査はまあまあできるが、血液検査はかなりいやがるので、両親と看護師さん数名で対応しないと難しいのだった。

 

コメント
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